42
7-3-1 第3節 振動 都市計画対象道路事業実施区域及びその周辺には住居等の保全対象が存在し、道路の供用に伴 う自動車の走行による影響、工事の実施に伴う建設機械の稼動及び工事用車両の運行による影響 のおそれがあるため、振動の調査、予測及び評価を行いました。 1.調査結果の概要 1.1 調査項目 調査項目を表 7-3-1 に示します。 表7-3-1 調査項目 1.2 調査手法 調査手法は、表 7-3-2 に示すとおりです。 表7-3-2 調査手法 調査内容 調 査 項 目 振動レベル 時間率振動レベル(L 5 、L 10 、L 50 、L 90 、L 95 )、最大値(L max 地盤卓越振動数 1/3 オクターブバンド振動加速度レベル(周波数帯域:1~80Hz) 調査項目 関係法令等 調査手法 道路交通振動 環境振動 振動規制法施行規則 別表第 2(第 12 条関係) 昭和 51 11 10 総理府令第 58 JIS Z 8735 (振動レベル測定方法) 地盤卓越 道路環境整備マニュアル

第3節 振動 - Kitakyushu7-3-1 第3節 振動 都市計画対象道路事業実施区域及びその周辺には住居等の保全対象が存在し、道路の供用に伴 う自動車の走行による影響、工事の実施に伴う建設機械の稼動及び工事用車両の運行による影響

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7-3-1

第3節 振動 都市計画対象道路事業実施区域及びその周辺には住居等の保全対象が存在し、道路の供用に伴

う自動車の走行による影響、工事の実施に伴う建設機械の稼動及び工事用車両の運行による影響

のおそれがあるため、振動の調査、予測及び評価を行いました。 1.調査結果の概要 1.1 調査項目 調査項目を表 7-3-1 に示します。

表7-3-1 調査項目

1.2 調査手法

調査手法は、表 7-3-2 に示すとおりです。

表7-3-2 調査手法

調査内容 調 査 項 目

振動レベル 時間率振動レベル(L5、L10、L50、L90、L95)、最大値(Lmax)

地盤卓越振動数 1/3 オクターブバンド振動加速度レベル(周波数帯域:1~80Hz)

調査項目 関係法令等 調査手法

道路交通振動

環境振動

振動規制法施行規則 別表第 2(第 12条関係)

昭和 51年 11月 10日 総理府令第 58号

JIS Z 8735 (振動レベル測定方法)

地盤卓越 振 動 数 - - 道路環境整備マニュアル

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7-3-2

1.3 調査地点及び各種指定状況

調査地点は、騒音と同様の6地点としました(p7-2-2「1.3 調査地点及び各種指定状況」 )。

調査地点を表 7-3-3 及び図 7-3-1 に、各種指定状況を表 7-3-4 にそれぞれ示します。

表7-3-3 調査地点

表7-3-4 調査地点の各種指定状況

調査地点 都市計画法における 用地地域

振動規制法における 区域の区分

No.1 近隣商業地域 第 2種区域

No.2~No.6 市街化調整区域 第 1種区域

1.4 調査日時

調査日時は、騒音と同様としました(p7-2-4「1.4 調査日時」 )。

調査地点 調査項目 調査区間

No.1 門司区吉志 1丁目

No.2 門司区大字恒見

No.3 門司区大字恒見

道路交通振動 地盤卓越振動数

道路沿道 (整備済み及び改築区間)

No.4 小倉南区下吉田 2丁目

No.5 小倉南区曽根新田北3丁目

No.6 小倉南区曽根新田

環境振動 一般環境 (新設区間)

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7-3-3

図7-3-1 調査地点

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7-3-4

1.5 調査内容

(1)使用機器 使用した振動レベル計は、「JIS C 1510:1995(振動レベル計)」、1/3 オクターブバンド実

時間分析器は、「JIS C 1513:2002(音響・振動用オクターブ及び 1/3 オクターブバンド分析

器)」の規格に適合したものとしました。また、振動レベル計については、計量法第 71 条の

条件に合格し、かつ検定証印等の有効期間内であるものを使用しました。

使用機器及び条件を表 7-3-5 に示します。

表7-3-5 使用機器及び条件

項目 測定機器 型式

(メーカー) 使用条件

振動 振動レベル計 VM-53A

(RION製) 感覚補正回路:VL Z方向

振動レベル計 VM-53A

(RION製) 感覚補正回路:VAL Z方向

地盤卓越 振 動 数

1/3 オクターブバンド 実時間分析器

SA-29 (RION製)

分析帯域:0.4~630Hz 周波数補正:FLAT(平たん特性)

(2)調査方法 1)振 動 振動の測定は、騒音と同様に 24 時間連続で行うものとし、振動レベル計の設定を「感覚

補正回路:VL Z(鉛直)方向」、「メモリー機能:Auto1(100ms)」として装着したメモリーカードに瞬時データを記録しました。 なお、ピックアップは、緩衝物がなく、かつ十分踏み固め等の行われている硬い水平な場

所に設置しました。

2)地盤卓越振動数 地盤卓越振動数は、原則として大型車の単独走行を対象とし、1/3 オクターブバ

ンド実時間分析器を用いて、車両 10 台の測定を行いました。

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7-3-5

1.6 データ整理

(1)振動レベル メモリーカードに記録された瞬時データ(サンプリング周期:100ms)は、パソコン(振動

レベル計データ管理ソフト VM-53PA1)を用いて処理・算出しました。また、時間区分(昼間:

8:00~19:00、夜間:19:00~8:00)の 80%レンジ上端値(L10)は、観測時間毎の L10を算術平

均して求めました。

(2)地盤卓越振動数

地盤卓越振動数は、振動加速度レベルが最大を示す 1/3 オクターブバンド中心周

波数を読み取り、これを 10 台の車両について測定し、その平均値としました。

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7-3-6

1.7 調査結果 1.7.1 振 動 振動の測定結果は、道路沿道(No.1~No.3)の昼間で 25~47dB、夜間で 25~41dB、一般環境

(No.4~No.6)の昼間で 25~28dB、夜間で 25~26dB を示すものでした。

調査結果総括を表 7-3-6 に、経時変化を図 7-3-2 にそれぞれ示します。

表7-3-6 振動調査結果

単位:デシベル

時間区分 測定地点

昼間 (8~19時)

夜間 (19~8時)

No.1 47 41

No.2 25 25 道路沿道

No.3 30 25

No.4 25 25

No.5 28 26 一般環境

No.6 26 25 注 1) 測定結果は、時間区分(昼間:8~19 時、夜間:19~8 時)毎の 80%

レンジ上端値(L10)を示す。

2) 各調査地点に定められる道路交通振動の要請限度は、以下のとおりで

ある。

・No.1 :昼間:70 デシベル、夜間:65 デシベル(第 2 種区域)

・No.2,3,5:昼間:65 デシベル、夜間:60 デシベル(第 1 種区域)

・No.4,6 :指定無(参考として、昼間:65 デシベル、夜間:60 デシベ

ル(第 1 種区域)を用いた)

3) 使用した振動レベル計(VM-53A)の定量下限値は、「25 デシベル」であ

る。

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7-3-7

《 No.1 》

《 No.2 》 《 No.3 》

図7-3-2(1) 振動レベル経時変化(道路沿道)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

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7-3-8

《 No.4 》

《 No.5 》 《 No.6 》

図7-3-2(2) 振動レベル経時変化(一般環境)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

20

30

40

50

60

70

80

8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 0 1 2 3 4 5 6 7

時 刻

振動レベル(デシベル)

L10 L50 L90 Lmax 要請限度(昼間) 要請限度(夜間)

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7-3-9

1.7.2 地盤卓越振動数 道路沿道の No.1~3 における地盤卓越周波数測定結果は、No.1 が 31Hz、No.2 が 59Hz、No.3

が 24Hz をそれぞれ示しました。

地盤卓越振動数測定結果を表 7-3-7 に示します。

表7-3-7 地盤卓越振動数測定結果

地盤卓越振動数(Hz) 台 数

No.1 No.2 No.3

1台目 31.5 50 20

2台目 31.5 50 16

3台目 31.5 80 12.5

4台目 31.5 63 16

5台目 31.5 50 12.5

6台目 40 80 16

7台目 25 40 16

8台目 31.5 80 16

9台目 20 50 50

10台目 31.5 50 63

平 均 31 59 24

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7-3-10

2.予測

2.1 自動車の走行に係る振動

2.1.1 予測項目

予測項目は、道路交通振動の要請限度が定められている以下の項目としました。

・振動レベルの 80%レンジの上端値(L10)

2.1.2 予測地点

予測地点は、「自動車の走行に係る大気質」(p7-1-10)と同様としました。予測地点を図 7-3-3

に示します。

また、予測範囲は、自動車の走行に係る振動が環境に影響を及ぼすおそれがあると認められ

る範囲とし、道路端から 100m までとしました。

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7-3-11

図7-3-3 自動車の走行に係る振動予測地点

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7-3-12

2.1.3 予測手法

振動の予測は、技術手法に準拠し、「振動レベルの 80 パーセントレンジの上端値を予測する

ための式(国土交通省国土技術政策総合研究所提案式)」を用いて実施しました。 振動レベルの予測手順を図 7-3-4 に示します。

図7-3-4 振動レベルの予測手順

高架道路

併 設 平 面道路の基準点の振 動 レ ベ ル

高架道路と平面道路とのエネルギー合成

平面併設

平面道路予測基準点での振動レベル 高架道路予測基準点での振動レベル

掘割道路

平面道路

高架道路

単  独

道路構造による補正

距離減衰の補正

振動レベル(L10)

予測結果

予測条件の設定

道 路 構 造

盛土構造

切土構造

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7-3-13

(1)交通条件

1)日交通量

日交通量は、「自動車の走行に係る大気質」(p7-1-13)と同様としました。

2)時間別・車種別交通量

時間別車種別交通量は、「自動車の走行に係る大気質」(p7-1-13)と同様としました。

ただし、予測には、昼間及び夜間のピーク時間帯交通量を用いました。

3)走行速度

走行速度は、「自動車の走行に係る大気質」(p7-1-13)と同様としました。

(2)道路条件

道路条件は、「自動車の走行に係る大気質」(p7-1-18)と同様としました。標準横断面を図

7-3-5 に示します。

図7-3-5 標準横断面

No.1~3

No.4

No.5~6

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7-3-14

(3)予測式 振動レベル(L10)の予測式は、以下のとおりです。

L10 =L10* - αl

L10*=alog10(log10Q

*)+blog10V+clog10M+d+ασ+αf+αs

ここで、L10 :振動レベルの80%レンジ上端値の予測値 (デシベル)

L10*:基準点における振動レベルの80%レンジ上端値の予測値 (デシベル)

Q*:500 秒間の1車線あたり等価交通量 (台/500s/車線)

Q*= × ×(Q1+KQ2)

Q1:小型車時間交通量 (台/h)

Q2:大型車時間交通量 (台/h)

K :大型車の小型車への換算係数

M :上下車線合計の車線数

V :平均走行速度 (km/h)

ασ:路面の平坦性等による補正値 (デシベル)

αf:地盤卓越振動数による補正値 (デシベル)

αs:道路構造による補正値 (デシベル)

αl:距離減衰値 (デシベル)

a,b,c,d:定数

500 1

3600 M

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7-3-15

(4)予測式の条件 1)予測式の補正値等 予測式の補正値等を表 7-3-8 に示します。

表7-3-8 予測式の補正値等

道路構造 K a b c d ασ αf αs

α1=βlog(r/5+1)/log2

r:基準点から予測地点ま

での距離(m)

アスファルト舗装では f≧8Hzのとき β:粘土地盤では

8.2log10σ -17.3log10f 0.068L10*-2.0

コンクリート舗装では f<8Hzのとき β:砂地盤では

19.4log10σ -9.2log10f-7.3 0.130L10*-3.9

14 -1.4H-0.7

H:盛土高さ(m)

-0.7H-3.5

H:切土高さ(m)

-4.1H+6.6

H:掘割深さ(m)

1.9log10Hp f≧8Hzのとき

-6.3log10f

7.5

f<8Hzのとき

-5.7

8.1

アスファルト舗装では f≧8Hzのとき

8.2log10σ -17.3log10f

コンクリート舗装では f<8Hzのとき

19.4log10σ -9.2log10f-7.3

V≦100km/hのとき

100<V≦140km/hのとき

13

21.4

7.9

1247

β:0.081L10*-2.2盛土道路

Hp:伸縮継手部より±5m範囲範囲内の最大高低差(mm)

0 β:0.073L10*-2.3

2本以上

橋脚では

1本橋脚

では

高架道路

高架道路に併設された平面道路

3.5

切土道路 β:0.187L10*-5.8

β:0.035L10*-0.5掘割道路

27.33.5 f:地盤卓越振動数

(Hz)

σ:3mプロフィルメータによる路面凹凸の標準偏差(mm)

平面道路

高架道路に

併設された

場合を除く

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7-3-16

2)路面の平坦性による補正値 (ασ) ア) 路面の平坦性による補正値 (ασ)

路面の平坦性は、振動レベルに最も大きな影響を及ぼす因子の一つであり、表 7-3-9 に示

す維持修繕要否判断の目標値が定められています。

表7-3-9 維持修繕要否判断の目標値

イ) 路面の平坦性による補正値 (ασ)の設定

本予測では、道路構造が平面及び盛土道路(アスファルト舗装)であることから、下記の補正式

を用いました。

平面、盛土道路(アスファルト舗装) : ασ = 8.2log10σ

道路の種類

 項 目

8mプロフィル

90(Prl) 3mプロフィル

3mプロフィル 4.0~5.0(σ)

3.5(σ)

段差(mm) 10 15~20 20~30

注)段差は、伸縮装置付近に生じるものを対象としている。

縦断方向の 凹 凸(mm)

交通量の多い一般道路

交通量の少ない一般道路

自動車専用道路

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7-3-17

ウ) 地盤卓越振動数による補正値 (αf)

a) 地盤卓越振動数の把握方法

地盤卓越振動数(地盤条件により卓越する振動数が異なるため、地盤条件を表す指標とし

て用いられている)は、No.1~3については調査結果を、No.4~6は予測地点付近の土質条件(N値)により地盤卓越振動数を推定したものを用いました。 予測に用いた地盤卓越振動数を表 7-3-10 に示します。

表7-3-10 予測に用いた地盤卓越振動数

b)地盤卓越振動数による補正値 (αf)の設定

地盤卓越振動数地盤卓越振動数による補正値 (αf)は、f≧8Hzであるため、以下に示す補正式を用いました。

平面・盛土道路 : αf = -17.3log10f (f≧8Hz)

地点地盤卓越振動数実測結果(Hz)

地盤卓越振動数推計結果(Hz)

No.1 30.6 -

No.2 59.3 -

No.3 23.8 -

No.4 - 20.2

No.5 - 14.3

No.6 - 12.8

注1) 実測結果は、10台の車両の卓越周波数の平均値を示す。 2) 推計結果は、以下の式を用いて用いて実施した。

   f=8.4N1/3

     f:地盤卓越振動数の推定値(Hz)     N:地表から10mまでの平均N値         ※ N値が30以上の場合は「30に設定」。

      (参照:道路環境整備マニュアル(平成元年 (社)日本道路協会))

 3) 推計の参考とした柱状図は以下の通りである。

No.4:吉田排水区吉田地区土質調査業務委託(昭和52年 日本地研㈱)

      ⇒BORING.NO.4

No.5:H7年度起工第17549-50号海岸保全施設耐震点検検討業務(平成7年 ㈱カミナガ)

      ⇒BORING.NO.3

No.6:H7年度起工第17549-50号海岸保全施設耐震点検検討業務(平成7年 ㈱カミナガ)

      ⇒BORING.NO.5

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7-3-18

3)道路構造による補正値 (αs) ア) 予測断面の道路構造

盛土道路、切土道路、掘割道路は、平面道路と比較すると振動レベルが小さくなります。

これは、道路交通振動の主成分が表面波であるため、平面道路に比べて路面高さ(図 7-3-6

参照)分、距離減衰が大きくなることなどに起因するものと考えられます。このことから、

道路構造の違いによる補正は、平面道路を基準(0)とし、現地盤と路面との高度差によるこ

ととします。ただし、盛土高さが小さい場合(2m 以下)は、平面道路として取り扱うものと

しました。

図7-3-6 路面高さ(H)の考え方

ィ) 道路構造による補正値 (αs)の設定 技術手法に基づき、以下に示す補正式を用いました。

平面道路 : αs = 0

盛土道路 : αs = -1.4H-0.7(H:盛土高さ(m))

盛土道路 切土道路 掘割道路

H(m) H(m) H(m)

※ H:高さ(m) ※ H:高さ(m) ※ H:深さ(m)

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7-3-19

4)距離減衰値 (αl) ア) 予測断面の道路構造

道路構造別の予測基準点は、図 7-3-7 に示すとおりです。

図7-3-7 予測基準点の考え方

平面道路

最外側車線中心より5m地点

盛土道路

最外側車線中心

最外側車線中心

最外側車線中心

最外側車線中心

(1)

(2)

併設する平面道路の最外側車線中心より5m地点

予測側橋脚の中心より5m地点

高架道路(2本橋脚以上)

予測側橋脚の中心より5m地点

高架道路(平面併設)

法尻より5m

切土道路

法肩地点

(3)

(5)

(6)

(4)

高架道路(1本橋脚)

掘割道路

法肩より5m地点

▼ ●

5m

予測地点予測基準点

▼ ●予測基準点 予測地点

5m r

▼ ●予測基準点 予測地点

5m

▼ ●予測地点予測基準点

5m

▼ ●予測地点予測基準点

5m

▼ ●予測地点予測基準点

▼ ●予測基準点 予測地点

r5m

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7-3-20

イ) 距離減衰値 (αl)の設定

距離減衰値は、技術手法に基づき、次式により求めました。

αl = β・

ただし、β : 平面道路(粘土地盤):0.130L10*-3.9

: 盛土道路 :0.081L10*-2.2

5)定 数(K,a,b,c,d) 予測断面の道路構造は、平面及び盛土構造です。 定数は、技術手法に基づき、以下のとおり設定しました。

平面及び盛土構造:K=13 a=47 b=12 c=3.5 d=27.3

log2

log(r/5+1)

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7-3-21

2.1.4 予測結果

自動車の走行に係る振動の予測結果は、昼間で 39.7~46.2 デシベル、夜間で 38.3~44.8 デ

シベルをそれぞれ示しました。 予測結果を表 7-3-11、距離減衰を図 7-3-8 にそれぞれ示します。

表7-3-11 自動車の走行に係る振動 予測結果

単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目 時間区分

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6

昼間 41.6 39.7 46.2 44.2 42.0 45.7 自 動 車 の

走行に係る

振 動 夜間 40.0 38.3 44.8 43.0 40.8 44.6

注 1) 時間区分は、昼間が 8~19 時、夜間が 19~8 時である。

2) 予測結果は、道路の上り側、下り側のうち、高い値を示す。

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7-3-22

予測

地点 下り(至 新門司) 上り(至 吉志)

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

注) 時間区分は、昼間が 8~19 時、夜間が 19~8 時である。

図7-3-8 自動車騒音の走行に係る振動 距離減衰

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB) 昼間(10-11) 夜間(6-7)

30

40

50

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)昼間(10-11) 夜間(6-7)

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7-3-23

2.2 建設機械の稼働に係る振動 2.2.1 予測項目 予測項目は、振動規制法において規制基準が定められている以下の項目としました。

・振動レベルの 80%レンジ上端値(L10) 2.2.2 予測地点 予測地点は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-31)と同様としました。予測地点を図

7-3-9 に示します。 また、予測範囲は、建設機械の稼動に係る振動が環境に影響を及ぼすおそれがあると認めら

れる範囲とし、施工境界から 100m までとしました。

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7-3-24

図7-3-9 建設機械の稼動に係る振動予測地点

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7-3-25

2.2.3 予測手法 本予測は、技術手法に準拠して、建設機械は振動の発生及び伝搬に係る既存データから得ら

れた式を用いました。 (1)施工範囲及び予測地点

施工範囲は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-34)と同様としました。

また、施工範囲と予測地点の位置関係は図 7-3-10 に示すとおりです

図7-3-10 施工範囲と予測地点の位置関係

(2)予測時期

予測時期は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-34)と同様としました。

(3)月間の工事日数

月間の工事日数は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-36)と同様としました。

(4)建設機械の稼動時間帯

建設機械の稼動時間帯は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-36)と同様としました。

道路 施工範囲工事幅

工事延長

予測地点

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7-3-26

(5)ユニットの設定及び対象区間

工事計画における工種毎のユニット(目的の建設作業を行うのに必要な建設機械の作業単

位を考慮した組合せ)の設定は、「建設機械の稼動に係る大気質」(p7-1-35)と同様としまし

た。工種毎のユニットの設定及び対象区間を表 7-3-12 に示します。

表7-3-12 工種毎のユニットの設定及び対象区間

工種 使 用 機 種 ユニット 数 対象区間

バックホウ クローラ型 山積 0.8m3

バックホウ(床堀)クローラ型 山積 0.8m3掘削

・盛土 ダンプトラック 10t 積

土砂掘削 1

ブルドーザ 15t 級

土工

敷均

・締固 タイヤローラ 8~20t

盛土

(路体・路床)1

空気圧縮機 可搬式エンジン 2.5m3/min

バックホウ クローラ型 山積 0.8m3

工 構造物取壊工

ダンプトラック 10t 積

構造物取り壊し

(圧砕機) 1

ドレーン打設工

バーチカル

ドレーン工 杭打機 ベースマシン 100t

プラスチックボ

ードドレーン 1

モータグレーダ 3.1m

ロードローラ マカダム 10~12t

タイヤローラ 8~12t

舗装工

振動ローラ コンバイン型 3~4t

舗装 1

全予測対象

区間

(No.2~6)

クレーン クローラ型 50t

クレーン クローラ型 300t

クレーン クローラ型 50t

橋 梁

コンクリートポンプ車 10t

コンクリート橋

架設 1 No.5、No.6

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7-3-27

(6)ユニットの配置

対象とした工種は、ユニットが移動型であるため、位置の設定が困難となります。

従って、ユニットの配置は、建設機械の作業半径、必要最小限の稼動スペースを考慮し、図

7-3-11 に示す予測地点から 5m 離れた位置に設定しました。

図7-3-11 施工範囲が特定できない場合の施工範囲とユニットの配置例 (7)予測式

建設機械に伴う予測地点の振動レベルは、以下の式を用いて求めました。

:予測地点における振動レベル(dB)

:基準点における振動レベル(dB)

:ユニットの稼働位置から予測地点までの距離(dB)

:ユニットの稼働位置から基準点までの距離(5m)

:内部減衰係数

)(rL)( 0rL

r

0rα

L(r) = L(r0) - 15log10(r/r0) - 8.68α(r-r0)

工事における区分延長 (L)

工事計画幅 (W)

×予測地点

ユニット半径5m

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7-3-28

(8)基準点振動レベル及び内部減衰係数 予測に用いるユニットの基準点振動レベル及び内部減衰係数は、表 7-3-13 により設定し

ました。

表7-3-13 ユニット別基準点振動レベルと内部減衰係数

基準点振動レベル(dB) 工種 ユニット

L(r0) 合成

内部減衰係数 α

掘削・盛土 土砂掘削 53 0.01 土工

敷均・締固 盛土 (路体・路床) 63 0.01

盛 土 工 構造物取壊工 構造物取り壊し

(圧砕機) 52

63.7

0.01

ドレーン打設工

バーチカルドレーン

プラスチックボード

ドレーン 55 55 0.01

工 舗装工 路床安定処理 66 66 0.01

工 橋 梁 コンクリート橋架設 55 55 0.01

注)ユニットパターンに用いた評価量と基準点振動レベルは、「技術手法」及び「建設機械の騒

音・振動データブック(建設省土木研究所機械研究室)」に準拠した。

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7-3-29

2.2.4 予測結果

建設機械の稼動に係る振動の予測結果は、官民境界において、66.0 デシベルを示しました。

予測結果を表 7-3-14、距離減衰を図 7-3-12 にそれぞれ示します。

表7-3-14 建設機械の稼動に係る振動 予測結果 単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目

No.2 No.3 No.4 No.5 No.6

建設機械の稼動

に係る振動 66.0 66.0 66.0 66.0 66.0

注) 予測結果は、道路の上り側、下り側のうち、高い値を示す。

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7-3-30

予測 地点

下り(至 新門司) 上り(至 吉志)

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

注) 距離減衰は、施工境界から道路横断の延長方向 100m までの値を示す。

図7-3-12 建設機械の稼動に係る振動 距離減衰

40

50

60

70

020406080100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

020406080100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

020406080100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

020406080100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

020406080100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

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7-3-31

2.3 工事用車両の運行に係る振動

2.3.1 予測項目

予測項目は、工事用車両の運行により影響が考えられる以下の項目としました。

・振動レベルの最大値(Lmax)

2.3.2 予測地点

予測地点は、「工事用車両の運行に係る大気質」(p7-1-48)と同様としました。予測地点を図

7-3-13 に示します。 また、予測範囲は、工事用車両の運行に係る振動が環境に影響を及ぼすおそれがあると認め

られる範囲とし、道路端から 100m までとしました。

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7-3-32

図7-3-13 工事用車両の運行に係る振動予測地点

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7-3-33

2.3.3 予測手法

本予測は、伝搬理論式(距離減衰式)を用いました。

(1)道路条件

道路条件は、「工事用車両の運行に係る大気質」(p7-1-45)と同様としました。道路横断面

を図 7-3-14 に示します。

図7-3-14 道路横断面

1.70

0.50

0.15

路肩 植樹帯

貫川

3.66

10.92

5.56

車線 車線歩道 堤防(ENE方向) (WSW方向)

2.782.78

単位:m

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7-3-34

(2)予測式 予測式は、伝搬理論式(距離減衰式)を用いました。

Lr = L0 - 8.7λ(rr - r0)-20log(rr/r0)

n

ここで、Lr:予測地点における工事用車両通過時の振動レベル (デシベル)

L0:大型車単独走行時の最大振動レベル (デシベル)

rr:工事用車両の走行車線中央から予測地点までの距離 (m)

r0:大型車単独走行時における走行車線中央から測定点までの距離 (m)

n:幾何減衰係数 (n=0.5)

λ:地盤の減衰常数 (λ=0.01)

(3)予測式の条件 1)大型車単独走行時の最大振動レベル (L0) 大型車単独走行時の最大振動レベルは、道路条件が類似する No.3 での地盤卓越振動数の現

況測定結果において、振動加速度レベルが最大を示した車両の値を用いました。

L0 = 50.1(デシベル)

※ L0;地盤卓越振動数測定における 1/3 オクターブバンド振動加速度レベル測定結果に、

鉛直特性の感覚補正を行った後、エネルギー合成した値。

2)工事用車両の走行車線中央から予測地点までの距離 (rr) 工事用車両の走行車線中央から予測地点までの距離は、ENE 方向への車道中央から予測地

点までの距離としました。

rr = 5.05(m)

3)大型車単独走行時における走行車線中央から測定点までの距離 (r0) 大型車単独走行時における走行車線中央から測定点までの距離は、道路条件が類似する

No.3 での地盤卓越振動数の現況測定結果において、振動加速度レベルが最大を示した車両の

走行車線中央から測定点までの距離としました。

r0 = 3.96(m)

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7-3-35

2.3.4 予測結果 工事用車両の運行に係る振動の予測結果は、官民境界において、49.0 デシベルを示しました。

予測結果を表 7-3-15、距離減衰を図 7-3-15 にそれぞれ示します。

表7-3-15 工事用車両の運行に係る振動 予測結果 単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目

No.5’

工事用車両の

運行に係る振動 49.0

注 1) 予測結果は、貫川左岸側を通る道路の北側道路端における値を示す。

2) 予測結果は、振動レベルの最大値(Lmax)を示す。

予測地点 貫川左岸側

No.5’

注 1) 距離減衰は、貫川左岸側を通る道路の北側道路端を基点とし、そこから道路

横断の延長方向 100m までの値を示した。

2)距離減衰は、振動レベルの最大値(Lmax)を示す。

図7-3-15 工事用車両の運行に係る振動 距離減衰

10

20

30

40

50

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

官民境界からの距離(m)

振動レベル(dB)

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7-3-36

3.評価 3.1 自動車の走行に係る振動 3.1.1 整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価 (1)整合を図るべき基準又は目標の設定

整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価は、予測結果を「振動規制法(昭和 51

年 6月 10日法律 64)」第 3条第 1項に基づく指定地域において定められている「道路交通振

動の限度(振動規制法施行規則 別表第 2)」(以下、要請限度という。)と比較することによ

り行いました。 なお、各予測地点の評価基準は、No.1が「第 2種区域」、No.2~6が「第 1種区域」の基

準値としました。 当該振動調査地点に係る道路交通振動の限度を表 7-3-16 に示します。

表7-3-16 道路交通振動の限度(評価基準)

区域の区分 時間の区分 昼 間 夜 間 予測地点

第 1種区域 65 デシベル 60 デシベル No.2、3、4、5、6

第 2 種区域 70 デシベル 65 デシベル No.1

備 考

1 第1種区域及び第2種区域とは、それぞれ次の各号に挙げる区域として都道府県知事が定

めた区域をいう。

一 第 1 種区域:良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域及

び住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域

二 第 2 種区域:住居の用に併せて商業、工業の用に供されている区域であって、その区

域内の住民の生活環境を保全するため、振動の発生を防止する必要があ

る区域及び主として工業等の用に供されている区域であって、その区域

内の住民の生活環境を悪化させないため、著しい振動の発生を防止する

必要がある区域 2 昼間及び夜間とは、各号に掲げる時間の範囲内(昼間:午前 5 時、6 時、7 時又は 8 時か

ら午後7時、8時、9時又は10時まで、夜間:午後7時、8時、9時又は10時から翌日の午

前 5時、6時、7時又は 8時まで)において都道府県知事が定めた時間をいう。

一 昼間 午前 8時から午後 7時まで

二 夜間 午後 7時から翌日の午前 8時まで

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7-3-37

(2)整合を図るべき基準又は目標との整合性

自動車の走行に係る振動の予測結果と、整合を図るべき基準又は目標との比較を表 7-3-17

に示します。

予測結果は、すべての地点で評価基準を満足するものでした。

表7-3-17 整合を図るべき基準又は目標との比較

単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目 時間区分

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6

昼間 41.6 39.7 46.2 44.2 42.0 45.7 自 動 車 の

走行に係る

振 動 夜間 40.0 38.3 44.8 43.0 40.8 44.6

昼間 70 65 65 65 65 65

評価基準

夜間 65 60 60 60 60 60

評 価 ○ ○ ○ ○ ○ ○

注 1) 時間区分は、昼間が 8~19 時、夜間が 19~8 時である。

2) 予測結果は、道路の上り側、下り側のうち、高い値を示す。

3) 評価の「○」は、予測結果が評価基準を満足することを示す。

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7-3-38

3.1.2 環境保全のための措置

計画路線は環境への影響を回避するために、曽根干潟や住宅地を避けて設置する予定です。

また、曽根新田エリア及び吉田エリアにおいて、道路の両側に緩衝緑地帯を設置することも計

画しています。このことから、事業者が可能な範囲で十分に配慮していると判断し、環境保全

措置の検討は行いませんでした。

3.1.3 評価の結果

予測項目はすべての地点で基準値を満足しており、基準又は目標との整合は図られているも

のと判断します。

また、本事業は計画段階から、自動車の走行に係る振動の影響を考慮していることから、事

業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減されていると判断します。

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7-3-39

3.2 建設機械の稼働に係る振動 3.2.1 整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価 (1)整合を図るべき基準又は目標の設定

整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価は、予測結果を「振動規制法施行規則

別表第1(第 11 条関係)(昭和 51 年 11 月 10 日 総理府令第 58 号)」で定める基準値と比較す

ることにより行いました。

特定建設作業の規制に関する基準を表 7-3-18 に示します。

表7-3-18 特定建設作業の規制に関する基準(評価基準)

規制基準 特定建設作業の場所の敷地の境界線において、75デシベルを

超える大きさのものでないこと。

(2)整合を図るべき基準又は目標との整合性

建設機械の稼動に係る振動の予測結果と、整合を図るべき基準又は目標との比較を表

7-3-19 に示します。

予測結果は、評価基準を 9 デシベル程下回るものでした。

よって、建設機械の稼動に伴い発生する振動による周辺環境への影響は、少ないものと考

えられます。

表7-3-19 整合を図るべき基準又は目標との比較

単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目

No.2 No.3 No.4 No.5 No.6

建設機械の稼動 に 係 る 振 動

66.0 66.0 66.0 66.0 66.0

評価基準 75

評 価 ○ ○ ○ ○ ○

注 1) 予測結果は、道路の上り側、下り側のうち、高い値を示す。

2) 評価の「○」は、予測結果が評価基準を満足することを示す。

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7-3-40

3.2.2 環境保全のための措置

建設機械の稼動に係る騒音の影響を回避または低減するために、以下のような対策を実施し

ます。 ① 低振動型重機等を選定・使用します。 ② 可能な限り重機の操作を丁寧に行うように配慮します。

③ 特定の場所や日時に、建設重機の稼働等を集中させないように配慮します。

3.2.3 評価の結果

予測項目はすべての地点で基準値を満足しており、基準又は目標との整合は図られているも

のと判断します。

また、建設機械の稼動に係る振動への影響は“3.2.2環境保全のための措置”に示す環

境保全措置を実施することにより、事業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減されて

いると判断します。

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7-3-41

3.3 工事用車両の運行に係る振動 3.3.1 整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価 (1)整合を図るべき基準又は目標の設定

整合を図るべき基準又は目標との整合性に係る評価は、予測結果を「振動規制法(昭和 51

年 6月 10日法律 64)」第 3 条第 1 項に基づく指定地域において定められている、「道路交通

振動の限度(振動規制法施行規則 別表第 2)」(以下、要請限度とする。)の第 1 種区域の基

準値(表 7-3-15 参照)と比較することにより行いました。

(2)整合を図るべき基準又は目標との整合性

工事用車両の運行に係る振動の予測結果と、整合を図るべき基準又は目標との比較を表

7-3-20 に示します。

工事用車両の運行に係る振動については、評価基準を 16 デシベルほど下回るものであり、影

響は少ないものと考えられます。

表7-3-20 整合を図るべき基準又は目標との比較

単位:デシベル

予測結果(官民境界) 項 目

No.5’

工事用車両の運行

に 係 る 振 動 49.0

評価基準 65

評 価 ○

注 1) 予測結果は、貫川左岸側の値を示す。

2) 評価の「○」は、予測結果が評価基準を満足することを示す。

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3.3.2 環境保全のための措置

工事用車両の運行に係る振動への影響を回避または低減するために、以下のような対策を実

施します。 ・ 工事用車両の集中を避ける。

3.3.3 評価の結果

予測項目は、基準値を満足しており、基準又は目標との整合は図られているものと判断しま

す。

また、工事用車両の運行に係る振動への影響は“3.3.2環境保全のための措置”に示す

環境保全措置を実施することにより、事業者の実行可能な範囲内でできる限り回避・低減され

ていると判断します。