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バイオ医薬品分析における Agilent AdvanceBio SEC カラムの優位性 他社のカラムとの比較によるデータ品質検証 技術概要 はじめに サイズ排除クロマトグラフィー (SEC) はモル質量平均測定するための標準的手法ですまたイズにづく生体分子分離説明するためによく使用されますSEC における分離効率関係るのは固定相のみで、移動相影響しないとえられていますこのため、生体分子するカラ 選択SEC アプリケーションの成功となります。市販SEC カラムにはさまざまなタイプが あり、寸法、空隙率、粒子サイズがそれぞれなりますAgilent AdvanceBio SEC カラムは SEC 分析ための画期的なテクノロジーを採用していますアジレントが設計および製造する Agilent AdvanceBio SEC カラムはサンプルのせん断劣化粒子間目詰まりのリスクをなくして効率最大限引ますポアのサイズ、構造、容積制御して親水性ポリマーコーティングを適用するアジレント独自 のユニークな製造メソッドによりシャープで良好分離されたタンパクのピークを実現できますこの技術概要では、他社SEC カラムと比較します。比較には一般的使用されている移動相いてタンパク質標準、 モノクローナル抗体、抗体薬複合体 (ADC) 分離しますこの比較目的 、生成されるデータの品質影響えるカラム性能いを特定することですバイオ医薬品 のアプリケーションで生体分子高分離能分離実現する AdvanceBio SEC カラム固有利点紹介 します

Agilent AdvanceBio SEC...• Agilent AdvanceBio SEC 300 Å、2.7 µm • 他社 F 450 Å、2.5 µm • 他社 G 200 Å、1.7 µm 結果と考察 堅牢な SEC-DAD メソッドでの

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  • バイオ医薬品分析における Agilent AdvanceBio SEC カラムの優位性他社のカラムとの比較によるデータ品質の検証

    技術概要

    はじめにサイズ排除クロマトグラフィー (SEC) はモル質量平均を測定するための標準的な手法です。また、サイズに基づく生体分子の分離を説明するためによく使用されます。SEC における分離効率に関係するのは固定相のみで、移動相は影響しないと考えられています。このため、生体分子に対するカラ

    ム選択が SEC アプリケーションの成功の鍵となります。市販の SEC カラムにはさまざまなタイプがあり、寸法、空隙率、粒子サイズがそれぞれ異なります。Agilent AdvanceBio SEC カラムは SEC 分析のための画期的なテクノロジーを採用しています。アジレントが設計および製造する Agilent AdvanceBio SEC カラムは、サンプルのせん断劣化や粒子間の目詰まりのリスクをなくして効率を最大限引き出します。ポアのサイズ、構造、容積を制御して親水性ポリマーコーティングを適用するアジレント独自のユニークな製造メソッドにより、シャープで良好に分離されたタンパク質のピークを実現できます。

    この技術概要では、他社の SEC カラムと比較します。比較には一般的に使用されている移動相を用いて、タンパク質標準、モノクローナル抗体、抗体薬の複合体 (ADC) を分離します。この比較の目的は、生成されるデータの品質に影響を与えるカラム性能の違いを特定することです。バイオ医薬品のアプリケーションで生体分子の高分離能分離を実現する AdvanceBio SEC カラム固有の利点を紹介します。

  • 2

    機器とメソッド

    カラム7.8 × 300 mm

    • Agilent AdvanceBio SEC 300 Å、2.7 µm

    • 他社 A 200 Å、3.5 µm

    • 他社 B 450 Å、3.5 µm

    • 他社 C 250 Å、5 µm

    • 他社 D 250 Å、4 µm

    • 他社 E 300 Å、3 µm

    4.6 × 300 mm

    • Agilent AdvanceBio SEC 300 Å、2.7 µm

    • 他社 F 450 Å、2.5 µm

    • 他社 G 200 Å、1.7 µm

    結果と考察

    堅牢な SEC-DAD メソッドでの 7.8 × 300 mm SEC カラムの比較タンパク質標準の分離

    図 1 は、ポアサイズの異なるカラムについて、6 種類のタンパク質混合参照標準の分離能を比較しています。分離におけるポアサイズの

    影響を明確に見てとれます。最も大きいタン

    パク質であるサイログロブリンとその単量体は 450 Å ポアと 300 Å ポアでは良好に分離しています。一方、小さいポアサイズでは、サ

    イログロブリンとその単量体は排除され、十

    分に分離されていません。また、この最も大きいタンパク質は 450 Å カラム (B 社) および 300 Å カラム (E 社) では良好に分離されましたが、両方のカラムでピーク幅が広くなっていま

    した。これは、低レベルの凝集体の定量が難しく、精度が低いということを示しています。

    AdvanceBio SEC カラムを見ると、高、中、低質量の生体分子の分離能が向上しているのがわ

    かります。これは多くの分子の分離にとって重

    要です (図 1)。AdvanceBio SEC はほかにも、感度の向上、狭いピーク幅、溶出容積の低減が

    見られました。

    表 1. クロマトグラフィー条件

    パラメータ 7.8 × 300 mm SEC カラム 4.6 × 300 mm SEC カラム

    流速 0.8 mL/min 0.4 mL/min移動相 150 mM リン酸緩衝液、pH 7.0 150 mM リン酸緩衝液、pH 7.0機器 Agilent 1260 Infinity バイオイナート

    クォータナリ LCAgilent 1290 Infinity バイナリ LC と G1315D DAD および バイオイナートフローセル (1200 bar)

    注入量 5 μL 5 μLTCC 室温 室温検出 UV、220 nm UV、220 nmサンプル • タンパク質の分子量マーカー (サイログロブリンの凝集体、サイログロブリン、IgG、

    ウシ血清アルブミン、ミオグロビン) およびウラシルの浸透限界マーカー • 治療用モノクローナル抗体 (リツキシマブおよびトラスツズマブ)• 治療用抗体薬の複合体

    図 1. 7.8 × 300 mm SEC カラムでのタンパク質標準の SEC プロファイルの比較。 ピーク 1 と 2、ピーク 3 と 4、ピーク 5 と 6 の間で計算した分離能。

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    mAU

    0250500750

    mAU

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    0250500750

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    mAU

    0250500750

    mAU

    0250500750

    2

    34

    5

    61

    2

    3

    4

    5

    61

    2

    34

    5

    61

    23

    4

    5

    61

    23

    4

    5

    61

    23

    4

    5

    61

    Agilent AdvanceBio SEC、2.7 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    他社 A、3.5 µm、200Å、7.8 × 300 mm

    他社 B、3.5 µm、450Å、7.8 × 300 mm

    他社 C、5 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 D、4 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 E、3 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    Rs = 1.44

    Rs = 0.52

    Rs = 2.0

    Rs = 0.81

    Rs = 0.97

    Rs = 1.7Rs = 2.27

    Rs = 4.90

    Rs = 2.81

    Rs = 1.77

    Rs = 2.12

    Rs = 1.86

    Rs = 1.88

    Rs = 3.70

    Rs = 2.86

    Rs = 3.49

    Rs = 3.4

    Rs = 5.59

    ピーク番号1.サイログロブリンの凝集体2.サイログロブリン (662 kDa)3.IgG (150 kDa)4.BSA (66 kDa)5.ミオグロビン (17 kDa)6.ウラシル (112 Da)

  • 3

    タンパク質マーカーの範囲での分離に対する

    ポアサイズの影響を評価するために、各カラ

    ムの検量線をプロットしました (図 2)。ポアサイズよりも大きな分子が排除され、より小さな

    分子がポアに浸透することで、カラムの排除

    限界と浸透範囲が決まります。理想的な SEC カラムは検量線の最も直線性のある部分で

    生体分子を分離するカラムです。同じタンパ

    ク質範囲の分離に対するカラムの評価では、

    AdvanceBio SEC の分離能曲線の大部分が直線的で浅い勾配を示しました。この性能により、ほとんどのタンパク質ベースの生物製剤の範

    囲の 662 kDa ~ 112 Da の分子量範囲内でタンパク質マーカーはより良好な分離を示しまし

    た。

    ポア容積の比較

    SEC のピークキャパシティと分離能は主にポア容積によって決まります。ポア容積がより大き

    いと、より広い分子量範囲にわたってより良好な分離能を実現できます。表 2 に、カラムの浸透限界点 (ウラシル) と排除限界 (サイログロブリンの凝集体) から計算で求めたポア容積を示します。AdvanceBio SEC は、他のカラムよりもポア容積 (7.11 mL) が大きいため、より良好な分離能と高いピークキャパシティを実現し

    ました。

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5

    4.0

    4.5

    5.0

    5.5

    6.0

    6.5

    4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

    Log

    Mw

    溶出容積 (mL)

    溶出容積 (mL)

    Agilent AdvanceBio SEC とカラム A およびカラム B での検量線の比較

    Agilent AdvanceBio SEC カラム、300Å他社 A、200Å他社 B、450Å

    R2 = 0.9868R2 = 0.9538R2 = 0.8175

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5

    4.0

    4.5

    5.0

    5.5

    6.0

    6.5

    4 6 8 10 12 14

    Log

    Mw

    Agilent AdvanceBio SEC とカラム C、カラム D、カラム E での検量線の比較

    Agilent AdvanceBio SEC、300Å Column

    他社 C、250Å他社 D、250Å

    他社 E、300Å

    R2 = 0.9868

    R2 = 0.9201R2 = 0.8862

    R2 = 0.9123

    図 2. さまざまな 7.8 × 300 mm SEC カラムでのタンパク質標準の検量線。

    表 2. 総カラムポア容積の比較

    カラム ポア容積 (mL)

    7.8 × 300 mmAgilent AdvanceBio SEC 300 Å、2.7 µm 7.11他社 A 200 Å、3.5 µm 6.25他社 B 450 Å、3.5 µm 4.57他社 C 250 Å、5 µm 6.51他社 D 250 Å、4 µm 6.70他社 E 300 Å、3 µm 5.624.6 × 300 mmAgilent AdvanceBio SEC 300 Å、2.7 µm 2.36他社 F 450 Å、2.5 µm 2.06他社 G 200 Å、1.7 µm 2.20

  • 4

    凝集体についてそれぞれ 2.37 および 2.41 という高い分離係数を示しました。カラム E はより大きなタンパク質または抗体の二量体およ

    びより高い凝集体を分離するとうたっています

    が、凝集体の分離はできておらず、単量体と

    凝集体が混ざったものを一緒に分離し、その

    分解能を測定することは不可能でした。

    治療用モノクローナル抗体の分離

    図 3 は、AdvanceBio SEC 2.7 µm カラムでの治療用トラスツズマブの分離に関するデータ品質の向上を示しています。クロマトグラムではト

    ラスツズマブの単量体と凝集体の分離能の値をカラムごとに示しています。AdvanceBio SEC およびカラム D はトラスツズマブの単量体と

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    mAU

    024

    mAU

    024

    mAU

    024

    mAU

    024

    mAU

    024

    mAU

    024

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    mAU

    0500

    1,000

    mAU

    0500

    1,000

    mAU

    0500

    1,000

    mAU

    0500

    1,000

    mAU

    0500

    1,000

    mAU

    0500

    1,000

    Agilent AdvanceBio SEC、 2.7 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    Rs = 2.37

    Rs = 1.89

    Rs = 1.70

    Rs = 2.1

    Rs = 2.41

    他社 A、3.5 µm、200Å、7.8 × 300 mm

    他社 B、 3.5 µm、450Å、7.8 × 300 mm

    他社 C、5 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 D、4 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 E、3 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    図 3. 7.8 × 300 mm SEC カラムを用いたトラスツズマブの単量体と凝集体の分析

  • 5

    また、市販の治療用モノクローナル抗体のリ

    ツキシマブの分離についてカラム間で比較し、

    実環境でカラムがどのように機能するかを示しました。図 4 の下向き矢印で強調した部分は、カラム A ~ E と比べて AdvanceBio SEC の凝集物とフラグメントを分離する能力が高いこ

    図 4. さまざまな 7.8 × 300 mm SEC カラムでのリツキシマブのプロファイルの比較

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    分5 10 15

    Agilent AdvanceBio SEC、 2.7 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    他社 A、3.5 µm、200Å、7.8 × 300 mm

    他社 B、3.5 µm、450Å、7.8 × 300 mm

    他社 C、 5 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 D、 4 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    他社 E, 3 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    mAU

    0100200300

    mAU

    0100200300

    mAU

    0100200300

    mAU

    0100200300

    mAU

    0100200300

    mAU

    0100200300

    mAU

    -1012

    mAU

    -1012

    mAU

    -1012

    mAU

    -1012

    mAU

    -1012

    mAU

    -1012

    拡大

    とを明らかにしています。AdvanceBio SEC の最適なポアサイズとポア容積により、治療用モノ

    クローナル、その凝集体、分解生成物の分離に必要なより高い分離能を実現しています。

  • 6

    は単量体と凝集体の分離係数も最も高く (Rs = 1.75)、疎水性薬物と固定相との非特異的な相互作用がなかったことが示されました (図 5)。さらに、AdvanceBio SEC は他のカラムよりも良好に ADC 凝集体を分離でき、ADC および凝集体の分析に適性があることが示されまし

    た。他社のカラムの場合はピーク幅が広くなっ

    ており、感度に影響を与え低レベルの凝集体の検出が難しくなっただけでなく、ピーク積分も困難になりました。

    ために圧力も上昇して流量が遅くなり、カラム

    の寿命が短くなることがあります。また、有機

    溶媒はサンプルの凝集に影響を与えるため、サンプルの完全性も損ないます。

    図 5 は、カラム A ~ E を水性移動相と組み合わせて使用した ADC の分析を示しています。疎水性ペイロードと固定相との非特異性の相

    互作用が原因でピーク形状は悪くなっていま

    す。一方、AdvanceBio SEC と水性移動相の 150 mM リン酸緩衝液を用いた ADC の分析では対称のピーク形状を示しました。このメソッドで

    抗体薬の複合体の分離

    抗体薬の複合体 (ADC) の SEC 分析では、カラムの固定相との疎水性ペイロードの二次的相

    互作用を低減できるカラムが必要です。水性

    相を使用した ADC の SEC 分析に最もよく用いられているメソッドでは、ピーク形状が悪く、

    単量の複合体と凝集体との分離が不完全で

    す。これは、疎水性ペイロードと固定相との非

    特異性の相互作用が原因でした。有機溶媒を

    加えることでこの影響を克服できることがわ

    かっていますが、移動相の粘土が上昇しその

    分5 10 15

    mAU

    0

    20

    40

    分5 10 15

    mAU

    0

    20

    40

    分5 10 15

    mAU

    0

    20

    40

    分5 10 15

    mAU

    0

    20

    40

    分5 10 15

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    0

    20

    40

    分5 10 15

    mAU

    0

    20

    40

    Rs = 1.75

    Rs = 1.11

    Rs = 1.40

    Rs = 1.28

    拡大

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 Agilent AdvanceBio SEC、2.7 µm、300Å、

    7.8 × 300 mm

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 他社 A、

    3.5 µm、200Å、7.8 × 300 mm

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 他社 B、

    3.5 µm、450Å、7.8 × 300 mm

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 他社 C、 5 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 他社 D、

    4 µm、250Å、7.8 × 300 mm

    分5 10 15

    mAU

    0200400600 他社 E、

    3 µm、300Å、7.8 × 300 mm

    図 5. さまざまな 7.8 × 300 mm SEC カラムでの治療用 ADC のプロファイルの比較

  • 7

    高感度メソッドについての 4.6 × 300 SEC mm カラムの比較 タンパク質標準の分離

    図 6 は、AdvanceBio SEC 300 Å、4.6 × 300 mm、2.7 µm と他社のカラム F および G での 5 種類のタンパク質混合参照標準の分離能を比較し

    ています。AdvanceBio SEC は他のカラムと比べて感度が高く、ピーク形状が狭いという結果か

    ら、最も大きいタンパク質のサイログロブリン

    の凝集体 (ピーク 1) を良好に分離していることがわかります。全体的に AdvanceBio SEC はカラム F よりも、高、中、低分子量のマーカーで優れた分離を示しており、1.7 µm カラム G に匹敵します。

    AdvanceBio SEC の検量線は勾配が緩やかで、より高精度な分子量を示す優れた係数値であ

    ることがわかります (図 7)。また、カラム F (2.06 mL) およびカラム G (2.20 mL) よりもポア容積 (2.36 mL) が大きいため、より良好な分離能と高いピークキャパシティを実現しています。さ

    らに、カラム F の場合は同じ範囲のマーカーを分離する際に必要な分析時間が長くなって

    います。また、カラムの浸透範囲 (5.48 mL) もカラム容量 (4.9 mL) を超えており、溶出中になんらかの非特異的な干渉が生じたことを示唆しています。

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    0250500750

    1,0001,2501,5001,750

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    0250500750

    1,0001,2501,5001,750

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    0250500750

    1,0001,2501,5001,750

    380 bar

    176 bar

    174 bar

    2

    3

    4

    5

    6

    Agilent AdvanceBio SEC、 2.7 µm、300Å、4.6 × 300 mm

    他社 F、2.5 µm、450Å、4.6 × 300 mm

    他社 G、1.7 µm、200Å、4.6 × 300 mm

    Rs = 2.11

    Rs = 2.52

    Rs = 3.61

    Rs = 2.20

    Rs = 1.89

    Rs = 1.44

    Rs = 2.90

    Rs = 4.10

    1

    2

    3

    4

    5

    61

    2

    3

    4

    5

    61

    ピーク番号1.サイログロブリンの凝集体2.サイログロブリン (662 kDa)3.IgG (150 kDa)4.BSA (66 kDa)5.ミオグロビン (17 kDa)6.ウラシル (112 kDa)

    図 6. さまざまな 4.6 × 300 mm SEC カラムでのタンパク質標準のプロファイルの比較。 ピーク 1 と 2、ピーク 3 と 4、ピーク 5 と 6 の間で計算した分離能。

    図 7. さまざまな 4.6 × 300 mm SEC カラムでのタンパク質標準の検量線

    1.52.02.53.03.54.04.55.05.56.06.5

    1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0

    Log

    Mw

    溶出容積 (mL)

    Agilent AdvanceBio SEC とカラム F およびカラム G での検量線の比較

    R2 = 0.9868R2 = 0.816R2 = 0.9716

    Agilent Advance Bio SEC他社 F、450 Å他社 G、200 Å

  • 8

    治療用モノクローナル抗体の分離

    図 8 は、4.6 × 300 mm カラムでの mAB トラスツズマブの分離を示しています。クロマトグラ

    ムはトラスツズマブの単量体と凝集体の分離

    能の値を示しています。単量体のピークの分

    離能について、AdvanceBio SEC は、2.5 µm、450 Å カラム F にも、1.7 µm、200 Å カラム G にも同等なことが分かります。さらに、AdvanceBio SEC とカラム F では、青色で強調表示しているように、分解されたトラスツズマブを特定でき

    ました。カラム G では分離できませんでした。

    分5 10 15

    mAU

    0500

    1,0001,5002,000

    分5 10 15

    mAU

    0500

    1,0001,5002,000

    分5 10 15

    mAU

    0500

    1,0001,5002,000

    分4 6 8 10

    mAU

    02468

    分4 6 8 10

    mAU

    02468

    分4 6 8 10

    mAU

    02468380 bar

    176 bar

    174 bar

    Agilent AdvanceBio SEC、 2.7 µm、300Å、4.6 × 300 mm

    他社 F、 2.5 µm、450Å、4.6 × 300 mm

    他社 G、1.7 µm、200Å、4.6 × 300 mm

    Rs = 1.70

    Rs = 1.71

    Rs = 1.91

    図 8. 異なるメーカーの 4.6 × 300 mm SEC カラムを用いたトラスツズマブの単量体と凝集体の分析

  • 9

    な分離を実現しています。より高い感度を実

    現するために、このメソッドで 4.6 × 300 mm カラムにし、2.5 µm、450 Å カラムおよび 1.7 µm、200 Å カラムと比較しました。この場合でも、より優れた分離を実現しました。さらに、2 個のカラムを連結すれば、分離能とピークキャパ

    シティを大幅に向上させることができます。こ

    の連結が可能なのは、より低圧で実行できる AdvanceBio SEC カラムだけです。結論として、AdvanceBio SEC カラムは、カラム寿命およびサンプルの完全性を犠牲にすることなく、水性

    移動相を用いて、より良好なピーク形状と確

    実な ADC の単量体および凝集体の分離を実現できるということになります。

    ます。また、カラム G では高背圧に耐える LC システムも必要となります。

    結論生体分子の特性解析においてサイズ排除クロ

    マトグラフィーは非常に高い可能性を持って

    います。この技術概要では、バイオ医薬品分

    析における Agilent AdvanceBio SEC カラムの利点を他社の SEC カラムと比較して紹介しました。初めに 7.8 × 300 mm カラムを使用して、タンパク質、mAb の単量体、凝集体、フラグメントを分離しました。AdvanceBio SEC のポアサイズおよびポア容積は理想的で、単量体、凝

    集体、フラグメントの分離およびピークキャパ

    シティは非常に優れており、信頼できる堅牢

    抗体薬の複合体の分離

    図 9 は 3 種類の 4.6 × 300 mm カラムでの ADC の SEC 分離能を示しています。AdvanceBio SEC は、カラム F および G よりも ADC の単量体および凝集体について最も高い分離係数 (Rs = 1.47) であることがわかります。カラム F と G は疎水性ペイロードと固定相との相互作用が

    原因でピーク形状が悪くなりました。Advance BioSEC カラムは ADC 単量体のピーク形状でも優れており、凝集体の分離能も向上が見られ

    ました。AdvanceBio SEC はタンパク質マーカー、mABs/ADC およびこれらの凝集体の分離が優れていることに加え、2 µm 未満のカラム G が 380 bar であるのに対して、約 176 bar で動作し

    図 9. さまざまな 4.6 × 300 mm SEC カラムでの ADC 分離の比較

    Agilent AdvanceBio SEC、2.7 µm、300Å、4.6 × 300 mm

    他社 F、2.5 µm、450Å、4.6 × 300 mm

    他社 G、1.7 µm、200Å、4.6 × 300 mm

    Rs = 1.47

    Rs = 0.66

    Rs = 1.07

    分5 10 15

    mAU

    050

    100150200250300

    分5 10 15

    mAU

    050

    100150200250300

    分5 10 15

    mAU

    050

    100150200250300

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    -202468

    10

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    -202468

    10

    分2 4 6 8 10 12 14

    mAU

    -202468

    10

    380 bar

    176 bar

    174 bar

  • 10

  • 11

  • www.agilent.com/chem/jp

    本資料記載の情報は、予告なしに変更されることが あります。

    アジレント・テクノロジー株式会社 © Agilent Technologies, Inc., 2015 Published in Japan, December 1, 2015 5991-6474JAJP