6
Beginning …… Pleasure talk! talk! talk! 1968 1985 NHK Z 91 6 NHK 2008 8 SHOUT! JAZZ LIVE 12/9 STB139 12/18

aF u t u r e _ W Ý£Ù ¸w|ß z÷³ ýdrP[ yì{eoW ¸a zfËz´ówvor oc Rsey} {¤ Y¯ |ì° scvok z [yorP e}ß zX Wa ki w¶â

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

歌⼿

森⼝博⼦さんアイドル歌⼿としてデビューし、元祖バラエティアイドルとして⼈気を獲得。その後もドラ

マ、舞台、ラジオなど幅広く活動を続けている歌⼿・森⼝博⼦さん。写真を趣味のひとつとし

ており、その作品は彼⼥がいつも⾒せてくれる元気なイメージをいい意味で裏切る、切なさを

たたえた印象だ。森⼝さんが写真に込める思い、また⼤切にしている気持ちをお話しいただい

た。

Beginning 出会い美しい⼣⽇に突き動かされて

写真を始められたきっかけを教えてください。

初の全国ツアーを終えて、東京へ帰る新幹線から窓ごしに⾒えた⼣⽇があまりにも美しくて、思わずそのとき持っていたポケット

カメラのシャッターを切ったんです。でも現像してみたらあまりうまく撮れていなくて……。もう⼆度とあの素晴らしい光景には出会えないんだな、と思ったらすごく残念に思えました。次に⼼を動かされる景⾊に出会える機会があれば、きちんと⾃分の⽬で

⾒たものを美しく残したい、それからよく撮影するようになったんです。

気に⼊ったものをきれいに残したい! という気持ちが写真を撮る原動⼒になったのですね。よりうまく撮るために、⼯夫したことなどはありましたか?

最初はシャッターをただ押すだけだったんですが、撮っていくうちにいろいろ試すようになりました。例えば⽔を撮るときはシャ

ッタースピードを変えてみたり、ほかにも背景をぼかしたり、レースのカーテンをレンズに被せてソフトフォーカスのように写し

てみたりと、試⾏錯誤しましたね。

そういった技法は何かで学ばれたのですか?

いいえ、その場の思いつきです(笑)。たとえばレースなど、ものを使って撮影するときは、⼿近にあるものを⾒て「あっ、これ

いいかも!」という感じで撮影に取り⼊れます。撮り始めた頃は、どの写真がどれくらいの露出だったかメモしたり、露出を変え

て何枚も撮って、あとで⾒⽐べて感覚をつかんでいきました。

⼿探りでテクニックを学んでいったのですね。森⼝さんのホームページに掲載されている写真を拝⾒すると、その成⻑過程を垣間

⾒ることができるようです。ホームページではファンの⽅から公募した写真も掲載されていますね。

そうですね。ホームページで写真の募集をかけたのは、ファンの⽅とコミュニケーションを取れないかなと思ったのがきっかけな

んです。インターネットが普及する前は、ファンの⽅から「こんな素敵な⾵景がありました」といった写真⼊りのお⼿紙を頂いた

りしたこともあったので、ネット上で気軽に写真を⾒せ合って交流できたらいいなと思ったんです。みなさんから写真を送ってい

ただいて、私が選んで賞をつけていたりもしたのですが、もうそんな賞をつけるのが恐れ多いくらいどれも素晴らしくて! ファンの⽅が送ってくださる写真を⾒ることで、とても勉強になりました。

Pleasure 楽しみ⼼を動かされるのは、明るさより儚さ

撮られる対象はどういったものが中⼼なのでしょうか。

多いのは空の雲ですね。特に⻩昏時がすごく好きなんです。写真を始めるきっかけとなった、コ

ンサート帰りの⾵景も⼣⽇でしたし、刻⼀刻と表情が変わっていく様⼦や、切なさと儚さを感じ

させる光景にとても惹かれるんです。同じ瞬間が⼆度とないというのは、⼈⽣に通じるものがあ

ると思います。

切なさと儚さですか。いつもテレビで拝⾒している、森⼝さんのハツラツとしたイメージからは

少し離れていて、意外に感じます。

そうですか? もしかして、今回お持ちする写真もすごく明るくてポップな、オムライスにケチャップで「スキ」と書いてあるようなものだと思ってらっしゃったんじゃないですか(笑)? 残念ながらそういった元気なテイストの写真はまず撮らないんですね(笑)。逆に私は⼩さい頃

から、“切ないもの”に対してすごく敏感だったんです。春や秋はものすごく胸がしめつけられて苦⼿だったり。

春や秋にどういった思いをお持ちなのですか?

たとえば秋は躍動的だった夏が終わって、物悲しくなるんです。幼稚園のころから、キンモクセ

イの⾹りがすると⾃然と涙がこぼれそうになっていました。⼤⼈になるにつれてその傾向も強く

なりましたね。春の場合は、⼩学校卒業から中学校⼊学までの中途半端な、どこにも属していない時期のことを思い出すんです。

当時はどこにも居場所がない感じがして、すごく悲しくて毎朝⽬が覚めると⾃然と涙をポロポロ流していたんです。今でも春にな

ると、そのときの気持ちが蘇ってきて寂しくなってしまいますね。

talk! talk! talk! 歌⼿・森⼝博⼦さん

プロフィール

もりぐち・ひろこ 1968年福岡県⽣まれ。1985年にNHK『勝ち抜き歌謡天国』全国名⼈⼤会で準優勝したことがきっかけで、テレビアニメ「機動戦⼠Zガンダム」の主題歌『⽔の星へ愛をこめて』でデビュー。以降バラエティアイドルの先駆けとして、⾳楽活動、バラエティ番組、ドラマ、舞台、ラジオなどさまざまなジャンルで活躍を続ける。

91年から6年連続でNHK紅⽩歌合戦に出場。2008年8⽉よりミュージカル「SHOUT!」に出演。近年⾳楽活動ではJAZZ LIVEにも挑戦するなど、新たな魅⼒を開拓している。12/9六本⽊・STB139にてオリジナル曲を中⼼にしたライブを開催、12/18銀座スウィングにてジャズライブを開催予定。

とても感受性が豊かなんですね。作品を拝⾒すると、確かに⼥性的でノスタルジックな、⼀貫した世界観を感じます。写真を撮り

始めてから内⾯的に変わったことはありますか?

もともと好きだった⾔葉ですが、「⼀期⼀会」ということをより意識するようになりました。素晴らしい景⾊に出会って、たとえ

どれだけきれいに写真を撮っても、やはり⽣で⾒たときの感動に勝るものはないと思うんです。だからこそ、⼈や空気や⾃然とい

った、私の周りにあるすべてのものに対して、「出逢ってくれてありがとう」という感謝の気持ちが⽇々強くなり、⾃分がいろい

ろなものに⽣かされていることに気づけたんです。その素敵な瞬間を写真に残すのと同時に、その⼀瞬のリアルな世界を強く味わ

おうという気持ちになりましたね。

写真は森⼝さんの⽇常に⼤きく影響を与えているようですね。

そうですね。⼀期⼀会ということを意識するだけじゃなく、撮った写真を⾒返すことで、そのときに感じた⾃分の気持ちも確認で

きることにも気づき、写真の存在が私の中で⼤きくなりました。写真を撮ることが⾃分の⼼を映していたんです。

今回お持ちいただいた写真にも森⼝さんの⼼があらわれているのですね。印象的なタイトルがつけられていますが、タイトルはど

のように考えられているのですか?

ほとんど思いつきですが、歌の作詞もしているので同じような感覚でタイトルを考えるのは好きなんです。それにタイトルをつけ

ることで、写真の世界観が広がるように感じるんです。さらにキュンとさせてくれるというか(笑)。

Photo's 作品紹介繊細な感覚を写し取った作品たち

Future これからマイペースに、⾃分の感覚を信じていく

写真撮影はすっかり森⼝さんの⽣活の⼀部になってらっしゃるようですね。

今は移動途中や、ロケ先で出会ったものをよく撮っています。⾃分の⼼が動かされた瞬間にシャ

ッターを押していますね。例えばこの間は⾼知ロケのときにすごく安いカツオを⾒つけて、“安い! すごい!”と興奮して値札も⼊れて思わず撮ってしまいました(笑)。感動したときだけではなく、発⾒や刺激を受けたときもシャッターチャンスですね。あと、舞台の仕事をしている

とき劇場に⾏く途中で、⻩⾊いハイビスカスがとても⽴派に咲いていたのを⾒つけたことがあっ

たんです。その舞台はメインである5⼈の⼥性にそれぞれ役柄のイメージカラーがあって、私はちょうどそれが⻩⾊だったんです。それで何だか背中を押されたような気がして、嬉しくなって

思わず夢中になって撮りましたね。

撮るときの気持ちをとても⼤切になさっているんですね。

そうですね。気持ちで動きたい⼈間なんです。写真を撮るのが義務になってしまっては、純粋に

撮りたいという気持ちがなくなってしまうと思うんです。ホームページに載せなきゃいけないか

ら撮るというのではなくて、本当に伝えたい! と思ったものを厳選して発信したい。情報が雑然として、伝えたいことの焦点がボヤけてしまうのはもったいないことだと思うんです。だから

ホームページの⽇記も⽉に⼀回くらいの更新になっていて、もはや⽇記という名のコラムです

(笑)。そういったスタイルを理解してくださるファンのみなさんに、⽢えている部分もあるの

ですが……。

今後写真を通じて、何かしてみたいことなどはありますか?

今のところ予定はないですが、個展などは機会があればやってみたいです。⼈に⾒せることを第⼀の⽬的として撮っているわけで

はなく、どちらかというと⾃⼰満⾜のためという意味が強いのですが、⾃分のために撮ったものが誰かの⼼のひだに触れたり、と

きには何かの情報のひとつとして引っかかったりして頂ければ幸いです。

これからも、⾃分の気持ちに素直に撮っていかれるのですね。

そうですね。⾃分の中にある時計に合わせて、マイペースに撮影を続けていけたらと思います。切なさや儚さ、⾃分の⼼がキュン

となったときの気持ちを⼤事にしていきたいです。

⾒る⼈の⼼もキュンとさせるような作品、今後も楽しみにしております!

コンテンツトップへ戻る

© 2019 Nikon Corporation / Nikon Imaging Japan Inc.

※掲載している情報は、コンテンツ公開当時のものです。