Upload
others
View
3
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
2 薬品管理関係
薬品総量把握
■ 安全上のポイント ●危険な薬品(危険物、有機溶剤、特定化学物質、毒物、劇物など)は、許可された場所以外、研究業
務以外で使用してはいけません。特別な注意を払って取り扱ってください。
●毒性、可燃性、爆発性など特に危険性の高い物質は、実験計画の段階から代替物質について十分に検
討し、危険性の高い物質の使用を避ける努力をしてください。
●必要以上に多量の薬品、溶媒類を購入、または保管してはいけません。
●研究室で所有するすべての薬品は基本的に大阪大学薬品管理支援システム(OCCS)に登録してくださ
い。各研究室だけではなくPRTR法など大阪大学としての法対応のためにも必要事項です。
OCCSサポートサイト(http://www.epc.osaka-u.ac.jp/OCCS/) OCCS ラベルが貼られた薬品ビン
●危険な薬品を利用する前には、性質、規制、取扱法などを化学物質等安全データーシート(MSDS)
などより確認し、十分な知識を有した状態で使用してください。MSDSはOCCSやインターネットから閲
覧できます。
■ 管理者が実施すべきポイント
●各室毎で消防法では、指定数量の0.2倍まで(1防火区画ごと)と決められています。原則として、1
斗缶の持ち込みは禁止です。
●化学物質等安全データーシート(MSDS)が学生等に周知されていることを徹底してください。
●薬品の廃棄の際にも、処理業者に提出するリスト作成等にOCCSを活用してください。
●OCCSでの使用グループ、使用者、保管場所等の設定、変更は担当のスーパーバイザーに問い合わせ
てください。OCCSスーパーバイザー一覧:(http://www.epc.osaka-u.ac.jp/OCCS/content/svisor/sv.pdf)
チェックシート関連項目
C1 実験室内の総薬品量を把握している
●PRTR 法および大阪府条例対象物質の集計方法
PRTR 法や大阪府生活環境の保全等に関する条例では、指定された化学物質が一定量以上取り扱われて
いる場合、「環境中にどれだけ排出されたか」、「学外にどれだけ移動したか」を報告することが義務づけら
れています。大阪大学では取扱量の多いと予想される物質をOCCS で絞り込み、毎年、各研究室に調査を
依頼しています。
各研究室から提出していただくデータは、
年度初めの在庫量 A(kg)
年度中の購入量 B(kg)
年度末の在庫量 C(kg)
廃棄物への移動量 D(kg)の4種です。
取扱量(A+B-C)が各キャンパスで1トン(特
定第一種指定化学物質では500 kg)を超える化学物
質について、大阪府へ届け出ています。
(http://www.epc.osaka-u.ac.jp/PRTR.htm)
各研究室における該当物質の年度中の購入量、年度末の在庫量は、OCCS を利用することにより集計す
ることができます。
正確なPRTR の報告には、
・PRTR 対象物質のOCCS への完全な登録!
・廃液タンクへの移動量のモニター!
・年度末の在庫量をOCCS でおさえる!
が不可欠な項目になります。
各研究室から提出する PRTR報告書講座等名:
担当者名:
内 線:
メールアドレス:
A B C D E
H20年4月1日現在の在庫量
(kg)
H20年度中の購入量(kg)
H21年3月31日現在の在庫量
(kg)
H20年度中の廃棄物への
移動量(kg)
環境への最大潜在排出量E=A+B-C-D(kg)
12 アセトニトリル d=0.786
42 エチレンオキシド
63 キシレン d=0.86
66 グルタルアルデヒド(100%の値)
95 クロロホルム d=1.492
145 ジクロロメタン(塩化メチレン) d=1.325
227 トルエン d=0.865
283フッ化水素及びその水溶性塩(Fに換算、100%の値)
299 ベンゼン d=0.874
310 ホルムアルデヒド(100%の値)
府29 ヘキサン
府30 メタノール(メチルアルコール)
研究科: 専攻: 研究室:
政令番号
化学物質の名称取扱量A+B-C(kg)
備考(d:比重g/ml)
OCCS グループID:
2 薬品管理関係
適正な薬品容器
■ 安全上のポイント ●危険薬品を取り扱う場合は、飛散、漏れ、紛失などのないように十分注意してください。
●破損や割れ、また密栓の不良のある容器類は、こぼれたり、漏れたり発散する恐れがあるので使用し
てはいけません。
●薬品容器および廃液容器のふたや栓は必ず閉めておいてください。
●飲食物用の容器を危険薬品用の容器として決して使用してはいけません。
●溶媒や廃液を移動させる場合は容器が破損をしないような措置をほどこし、多数の容器を同時に運ば
ないようにしましょう。エレベーターでは薬品だけを乗せて無人で移動させてください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●劣化した薬品、ラベルがはがれた薬品が保管されて
いないか、定期的に点検してください。とくに不明薬
品の廃棄費用は高額になりますので注意してください。
●実験系廃液は薬品としての認識が低い傾向にありま
すが、貯蔵量が多く危険性が高いために、注意を払う
必要があります。危険等級に応じて適した容器を選ん
でください。
チェックシート関連項目
C2 密栓不良や破損した容器を薬品保管に使用していない。
2 薬品管理関係
薬品、薬品棚の転倒・流出防止
■ 安全上のポイント ●地震時の落下破損をふせぐために、薬品棚には落下防止措置(バー等)を講じてください。
●薬品類は基本的に消防法危険物の分類に沿って、分離して保管してください。
●万一、容器が破損した場合でも、薬品の流出、混合による火災爆発が発生しないように、間仕切り箱
などで分離して保管してください。
●通路上に薬品類を置かないようにしてください。
●実験台の上に多数の薬品類を放置しないように心がけてください。
●廃液容器には漏斗差しなどせず、密栓をしているか注意してください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●薬品棚はL字金物等を使用して2点以上壁等に固定しているか確認してください。
●段積み保管庫は上下を金物で固定しているか確認してください。(壁等のない場所では、上部下部を
金具等で固定すること)
●薬品の劣化、漏出により保管庫全体が汚染されていないか定期的に点検してください。
●空気中の有機溶剤などの濃度が高くなる原因として、床上に置かれている廃液ビン、廃液タンクなど
のふたの閉め忘れにより、化学物質が蒸発流出している事例が多く見受けられます。学生、職員などの
健康被害につながりますので十分注意してください。
チェックシート関連項目
C3 薬品類は転倒・流出の防止措置が施されている。
C4 薬品保管庫は地震等による転倒の防止措置が施されている。
C17 廃液処理規程を遵守し、廃液容器は密栓をしている。
2 薬品管理関係
保護具の適正使用
■ 安全上のポイント ●実験前・作業前に保護具を準備
保護具は大学生協でも購入できます。
●汚れ・キズの確認
保護具に汚れやキズがないか、着用前に確認してください。
●実験室・作業室内での保護具着用
薬品から自らの身体を守るため、適切な保護具(保護めがね・保護マスク・白衣・
保護手袋など)を必ず着用してください。
●周囲の作業者に注意
自分自身は慎重に作業していても、周囲の作業者から有害物(薬品・レーザー光・
金属屑等)が飛散、侵入する可能性に十分留意してください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●人数分の準備
各研究室等で適切な保護具を人数分備え付けてください。
●着用の教育・指導
学生等に保護具の目的と着用、アイシャワー位置等を指導してください。
●汚れ・キズの定期点検
保護具に汚れやキズがないか、定期点検を実施してください。
■ 過去に起きた事故・ヒヤリハットから ●隣の学生が使っていたシリンジの先から飛散した薬品が 自分の眼に侵入した
実験室内のドラフト付近で、後輩の指導中に、後輩が使用していたシリンジ針の
先に付着したアルカリ性溶液(メチルリチウムのジエチルエーテル溶液)が針の弾
性が原因で飛散し、保護めがねを着用していなかった被災者の眼に侵入した。なお、
実験指導の直前まで、自らの実験では着用していた。
●保護めがねを着用していたため 薬品の眼への侵入を回避した
フェロセン生成の実験実習中、水酸化カリウムTHF溶液が、
ナス型フラスコのゴム栓が外れた拍子に飛散し、顔や胸にかかっ
た。しかしながら、ゴーグル型の保護めがねを着用していたため、
眼の負傷を逃れることができた。
チェックシート関連項目
C5 保護具・保護眼鏡等を適正に着用している
C7 緊急用シャワー・アイシャワーは使用可能
状態にある
■保護具の着用で防げたはずの事故
2004年4月から2008年3月までの間、安全衛生管理部に報告があった
化学物質等の接触事故のうち、約半数が眼に侵入しています(図1)。そのうち、
保護メガネが未着用だったケースが8割以上を占めています(図2)。また、化学
物質を多量に取り扱うイメージの強い化学系だけではなく、物理系や生物系など
でも事故が発生しています(図3)。
計74件
眼に侵入(47.3%)
眼以外に接触(52.7%)
計35件
未着用(推定含む)(57.1%)着用
未着用
(矯正メガネのみ)(22.9%)
不明
図1.化学物質事故の負傷箇所は? 図2.事故発生時に保護めがねを着用していたか?
0
2
4
6
8
10
12
化学系 生物系 物理・工学系 その他
被災
者数
(名
)
学部生
大学院生
教職員
その他・不明
図3.化学物質事故における被災者の専攻は?
■ 研究室等でできる工夫
図4.メガネケースの設置 図5.ストラップの活用
2 薬品管理関係
火気・熱源からの隔離
■ 安全上のポイント ●発火性・引火性・爆発性の薬品は、火気や熱源から隔離されているか、また保管管理されているか注
意してください。
●揮発性の溶剤を使用している実験室での直火の暖房機器を使用してはいけません。
■ 管理者が実施すべきポイント
●化学物質を実験対象として用いるのではなく、冷媒などの実験ツールとして用いることが多くありま
す。そのような場合、取扱量も多く、非化学系での使用も多いのが現状です。学生等に使用する薬品に
関する知識をMSDSなどで確認したうえで使用することを徹底させてください。
■ 過去に起きた事故・ヒヤリハットから ●危険物の発火事故
合成反応の際に反応温度を維持するために用いるメタノールバスのメタノールが乾枯しているこ
とに気付き、メタノールを補充しようとしたところ、乾枯により強熱状態にあったパイプヒーター
によってメタノールが発火しました。メタノールの乾枯を防止する措置はとっておらず、さらにメ
タノールバスの温度感知部位が冷却部に直接触れており、そのためにサーモヒーターの強熱状態が
生じたと考えられます。メタノールは劇物であり危険物でもあります。冷媒ツールにはグリコール
系冷媒など発火・引火温度の低い溶剤を選択してください。
チェックシート関連項目
C6 発火性・引火性・爆発性の薬品は火気・熱源から隔離されている.
2 薬品管理関係
緊急シャワー・アイシャワー
■ 安全上のポイント ●事故の際に、すぐに緊急シャワー・アイシャワーを使用できるように心がけましょう。
●皮膚や眼に対する処置:腐食性物質などが、皮膚についたり眼に入った時は、すばやく大量の水で洗
います。とくにアルカリは眼球を腐食するので、15分以上十分に水洗いしたのち、医者にかかってくだ
さい。眼の洗浄には中和剤を用いてはいけません。洗眼にアイシャワーがない場合は、清潔な水をオー
バーフローさせた洗面器に顔を反復して入れ洗顔するとよいでしょう。また、蛇口につないだゴム管か
らのゆるやかな流水を用いても結構です。
洗眼器の例
■ 管理者が実施すべきポイント
●緊急シャワーは薬品を浴びたときに迅速に使用するものです。したがって緊急シャワーの下部に、決
して物品などを置いてはいけません。
●緊急シャワーの設置場所は、学生などの実験者が周知しているか確認しましょう。
●器具等が破損、故障していないか確認しましょう。アイシャワーは噴出部がつまりやすいので定期的
に使用可能であることを確認しましょう。緊急シャワーの作動確認は、実際使用時の訓練にもなります。
チェックシート関連項目
C7 緊急用シャワー・アイシャワーは使用可能状態にある。
2 薬品管理関係
局所排気装置の適正管理、
適正利用
特定化学物質や有機溶剤においては、労働安全衛生法 特定物質等障害予防規則、有機溶剤中毒予防規
則より厳しく規制されています。(http://www.epc.osaka-u.ac.jp/yellow/)
■ 安全上のポイント ●第1種及び第2種有機溶剤、第1類及び第2類特定化学物質を取り扱うときは、ドラフトチャンバー
を使用しなければなりません。
●ドラフトチャンバーの前面扉は適正な風速が得られる位置で使用してください。
●実験操作していない時はドラフトチャンバーの前面扉を閉めてください。
●実験室には薬品臭がしていないか注意してください。
●ドラフトチャンバー内の整理整頓をこころがけてください。実験で用いたティッシュやポリ袋などの
軽いものが吸い上げられ、ダクト内に停留し、風速が低下することがあります。
●給気ガラリ等の給気口は確実に開いているか確認してください。
●粉じん飛散の可能性がある場合はドラフトチャンバー、排気フード等の装置の下で取扱ってください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●常時、制御風速目視リボンを扉に貼り付け排気能力は十分あるか確
認し、法定の自主検査を行い、記録を3年間保存してください。
●ドラフトチャンバーの排気能力は、有機溶剤を使用する場合は、フ
ードの開口面で制御風速0.4 m/s以上でなければなりません。また、
特定化学物質の場合は、0.5 m/s以上でなければなりません。
●排気洗浄装置などが付属されている場合は適正に管理運営されて
いることに注意してください。
■ 過去に起きた事故・ヒヤリハットから ●化学物質による健康被害
通常の実験台で溶媒に溶解し、ピペットを用いて分注していたところ、溶媒が付
着したピペットを短時間放置したため、ピペットからのにおい(揮発した溶媒のも
のと思われる)に過敏に反応して、めまい、動悸などの体の不調を感じた。
チェックシート関連項目
C8 局所排気装置は適正に管理運営されており、前面扉は適正位置で使用している。
C9 有機溶剤や特定化学物質等はドラフト内で使用されており臭気はない。
C15 粉じんが飛散しないように防護措置をし、保護メガネ・マスクを使用している。
2 薬品管理関係
薬品の注意事項の掲示 実験室内での飲食禁止
■ 安全上のポイント ●実験室内は常に整理整頓に努めてください。
●有機溶剤、特定化学物質を取り扱う実験室で飲食、および喫煙しては
いけません。
■ 管理者が実施すべきポイント
●有機溶剤を使用する場合は、有機溶剤等の区分を、色分けなどの方法に
より、見やすい場所に表示してください。
●有機溶剤、特定化学物質を取り扱う実験室では、関係者以外の立入禁止、
喫煙、飲食を禁止する旨を見やすい場所に掲示してください。
(http://www.osaka-u.ac.jp/jp/facilities/anzen/anzen_gakunai/safetysign/safetysign_top.html)
●大阪大学では500か所以上の部屋で化学物質を取り扱っており、専門
分野によって用いられる物質も異なります。有機溶剤、特定化学物質を取り扱う実験室では、6ヶ月以
内ごとに1回、定期に空気中の濃度を測定しています(作業環境測定)。測定結果に基づき第1~第3
管理区分に評価分類されます。第2、第3管理区分と判定されれば、適切な作業環境とはいえず、改善
措置が必要となりますので、日常の快適な作業環境の維持管理に留意してください。
チェックシート関連項目
C10 薬品類の表示・標識は整備されている。
C18 実験室内で食事はしていない。
2 薬品管理関係
毒物劇物の適正管理
毒物、劇物は、傷害や殺人といった犯罪に使用される可能性があります。大学で管理し
ている毒物、劇物の紛失等が犯罪につながれば、法的、社会的責任を問われるとともに、
教育、研究に多大な支障が生じますので、厳重に管理する必要があります。
(http://www.osaka-u.ac.jp/jp/facilities/anzen/anzen_gakunai/guidelines/osaka-yakumuka_manual.pdf)
毒物劇物一覧表 (http://www.epc.osaka-u.ac.jp/yellow/dokudoku.htm)
■ 安全上のポイント ●毒物劇物の区分管理:毒物と劇物は、同じ保管
庫で管理するのではなく、それぞれ別の鍵のかか
る保管庫で管理すること。
●毒物の保管庫からの出し入れ:毒物を保管庫か
ら出し入れする場合は、単独で行うのではなく、
複数人が立ち会い、種類及び量を確認すること。
●単独での毒物の使用禁止:夜間、休日等も、単
独で毒物を使用する実験を行わないこと。
■ 管理者が実施すべきポイント
●毒物劇物保管庫の表示をしていること。
●毒物劇物保管庫の鍵の管理:管理者が出張等で不在とな
る場合、鍵を使用者に預けたままにするのではなく、別の
教職員等が代理者として責任を持って適切に管理すること。
(鍵の保管場所は保管庫直近は避けてください)
●毒物劇物でかつ消防法危険物でもある場合は 類の異なる危険物の
貯蔵・混載の禁止関係に留意し、直接接触を避けて保管してください。
■ 研究室等でできる工夫
●冷蔵庫で毒物を他の薬品と同時に保管するときは、固定された鍵つ
き冷蔵庫中に、毒物のみを金庫で保管するなどの分離措置を講じてく
ださい。
チェックシート関連項目
C11 毒物は医薬用外毒物表示の保管庫で施錠保管している。
C12 劇物は医薬用外劇物表示の保管庫で施錠保管している。
C13 毒劇物保管庫の鍵は適正に管理されている。
2 薬品管理関係
毒物劇物の使用記録
■ 安全上のポイント ●毒物劇物の購入量、使用量、保管量は、大阪大学薬品管理支援システム(OCCS)等
に必ず記録しておくこと。毒物劇物などはOCCS上では重量管理です。
●定期的にOCCS等に記録された保管量と実際の保管量が一致しているかどうか、天秤
等で計量し、点検してください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●毒物劇物は保健衛生上の見地から厳重な管理が求められており、事故時には管理者(教職員)の管理
責任が問われる事項ですので、とくにご注意ください。
■ 過去に起きた事故・ヒヤリハットから ●毒物の盗難、紛失
大学の実験室からシアン化カリウムなどの試薬瓶3本が紛失した(100 人分の致死
量)。警察に被害届を提出し窃盗事件として捜査された。試薬は通常、施錠された棚
に保管しているが、研究員らの出入りが多く鍵が開いていることも多かったという。
チェックシート関連項目
C14 毒劇物の使用簿は適正に管理運用されている。
2 薬品管理関係
廃薬品の内容物表示
■ 安全上のポイント ●廃液種類毎に分別し所定の容器で保管してください。
●廃液の保管、運搬に関しては「適正な薬品容器」「薬品、薬品棚の転倒・流出防止」欄で記した事項
を守ってください。
■ 管理者が実施すべきポイント
●無機実験系廃液貯留時の注意点:実験室で発生する無機廃液は、下表の分別貯留区分にしたがって、
できるだけ細かく分類(例えば元素、化合物別に)して、所定の18ℓ容器に分別貯留してください。
なお、貯留に際しては、次の事項に十分注
意してください。
(1)沈殿物や混合して沈殿の生じる物質を
混入させない。
(2)貯留中又は処理中に事故発生の恐れの
ある物質を混入させない。
(3)著しい悪臭を発する物質を含まない。
濃リン酸、濃フッ化水素酸、有毒性・発火
性廃液及び病原体により汚染されている廃
液は処理施設では取り扱わないので、別途に
原点処理してください。
●有機実験系廃液貯留時の注意点:有機廃液は学内で取りまとめたのち、外部委託で処理しています。
貯留区分は5種類の廃液に分別した表の通りです。分別貯留区分を遵守してください。
●PRTR対象物質を貯留容器へ移動する際は、記帳するなどして届出に備えてください。
チェックシート関連項目
C16 実験廃液の内容が正しく表示されている。
2 薬品管理関係
廃薬品の廃棄ルールの遵守
薬品を購入したその時点で、使用時、保管時のみならず、廃棄に至るまで、管理、経費にかかわること
はすべて使用者(研究室)の責任事項です。廃棄ルールを遵守してください。
■ 安全上のポイント ●薬品を含有した廃液は、流しなどから排出してはいけません。
●危険薬品は一般廃棄物とともに決して捨ててはいけません。
●器具類を洗浄するときは二次洗浄廃液までは、洗浄廃液を該当する廃液タンクに入れてください。
●薬品の入っていた容器をリサイクルごみとして廃棄する場合、容器を空にして必ず中を洗って乾燥さ
せてください。
●毒性が高く、沸点が低く、水溶性がある溶剤は、気付かないう
ちに排水へ流出してしまう可能性があります。たとえば塩化メチレ
ンは排水基準値が<0.2mg/Lと低いので、有効なトラップを備えた
ダイヤフラムポンプを使用して溶媒濃縮することが必要です。
●実験系廃液を種類毎に分別し保管・処理するようにしてください。
●実験系廃液をベランダ等の屋外に保管をしてはいけません。
■ 管理者が実施すべきポイント
●大学で一括処理をしていない薬品類(固体有機化合物、有機金属化合物、反応性有機化合物、無機化
合物、ラベルのない化合物)などは、個別もしくは専門業者に委託し適正に処理してください。
(http://www.epc.osaka-u.ac.jp/pdf/haiki.pdf)
●無機実験系廃液処理の注意事項 (http://www.epc.osaka-u.ac.jp/yellow/inorg/inorg2_main.htm)
一般重金属廃液:(1)ベリリウム、オスミウム、タリウム、セレンは含んではいけません。(2)有機金属
は無機化すること。(3)有機物、リン酸、フッ化水素酸、ケイ酸、アンモニアの混入をさけること。(4)
濃酸、濃アルカリは必ず希釈すること。水銀系廃液:(1)pH=4-7にしておくこと。(2)金属水銀、アマ
ルガムは除くこと。(3)有機水銀は無機水銀に変えておくこと。シアン系廃液:(1)pH=10.5以上で貯留
すること。(2)難分解性シアン錯体(Fe, Ni, Co等のシアン錯体)はあらかじめ分解処理をしておくこ
と。
●有機物はフェライト化反応を著しく妨害し、また酸化剤と混じった場合は、爆発の危険性もあるので
有機物は必ず除去すること。
●錯体等は、予めポリタンクに過マンガン酸カリウム等を添加して錯体を分解すること。
チェックシート関連項目
C17 廃液処理規程を遵守し、廃液容器は密栓をしている。
●有機実験系廃液回収時の注意事項 (http://www.epc.osaka-u.ac.jp/yellow/org/org2_main.htm)
(1)新しい1斗缶を使用してください。特殊引火物以
外は溶媒缶の使用は禁止です。回収日の数日前に
新しい缶に入れ替えること。
(2)ストッパーを装着すること。
(3)固体は100メッシュ金網等により除去すること。
(4)特殊引火物には、小型ドラムを使用すること。
(5)申込缶数を厳守すること。
(6)倒しても漏れないこと。(満タンにせず、上部
に5 cm程度の空間を設ける)
(7)指定時間を厳守すること。
(8)酸性物質と炭酸塩が混合し炭酸ガスが発生する
可能性もあるため炭酸塩の混入は禁止。
●外部委託によるトラック運搬中で、廃液漏えいや破裂事態を招いた場合には、市中で大惨事を引き起
こす可能性があり、排出元の責任問題となります。とくに暑い時期には、廃液の上部に空間がない場合、
液膨張で缶破裂のおそれがあります。入れ過ぎには注意してください。反応を起こすような物質の混入、
混触危険のある物質の混合などは避けてください。
■ 過去に起きた事故・ヒヤリハットから
●ベランダに保管されていた有機廃液缶(一斗缶)が破裂
真空ポンプの廃油(蒸発した有機溶媒・酸・アルカリが溶け込んでいる)が深さ3 cm 程度入って
いるところに、少量のクロロホルム含有廃液を入れて閉栓し、屋外ベランダに置いていたところ、
約10 分後に缶が破裂しました。廃液が階下にまで飛散し、破裂した一斗缶により天井が破損しまし
た。廃液保管には次の事項に注意してください。
(1)分別貯留を行う。(ポンプの廃油:非極性廃液、クロ
ロホルム:含ハロゲン廃液)
(2)有機廃液は基本的に廃溶媒であり、反応を引き起こす
可能性のある化合物は投入しない。
(3)混触危険に十分注意する・ 廃液缶はベランダに置かな
い。
●廃液タンクからの流出
休日の間に、研究室の薬品庫で保管していた廃液タンク(20リットル)から何らかの要因により
混酸(硝酸がほとんど+フッ酸+酢酸)がスチール製の薬品庫内に漏出しました。漏れ出た薬液に
より薬品庫底部が腐食して穴が開き、床面の隙間から階
下の図書室の天井ボード上に薬液が漏出するとともに、
一部が天井ボード(有孔)から書架上、および床面に滴
り落ちました。漏出原因としては容器側面に微少な亀裂
が生じ、そこから漏液していることが判明しました。容
器の形状が膨張したように変形しており、容器口の内蓋
をあけた際にはガスが噴出しました。従って、硝酸の分
解等で発生したガスにより内圧が上昇して変形、亀裂発
生に至ったのではないかと推察されます。
廃液貯留タンク容器の劣化にご注意ください。
●不明薬品の漏出
大型ゴミ回収に出していた金属製のビンが業者に回収されていな
かったため、何も入っていないことを確認するために傾けた際に中に
入っていた水銀がこぼれてしまいました。上記金属製のビンは古くか
ら研究室に置かれていたもので、大型ゴミ廃棄前に棒を入れて中に何
か入っているか確認を行いましたが、棒に何も付着しなかったため、
中身がないと判断してしまいました。当該研究室では水銀を全く使用
していないため、水銀の可能性まで推測できませんでした。
無責任な薬品(びん)の放置は、将来に事故を引き起こす可能性が
ありますので、使用した者が責任を持って廃棄処理をしましょう。