13
14.社会 1. 「タイの社会構造」日本エカフェ協会 1966 シャムからタイに名称が変わったのは、「タイ」が自由を意味するから。 人口、政治、産業、労働、教育事情の他、仏教、華僑の動向を解説している。 2. 「タイ社会の特質」パイトゥ-ン・クルアケオ・バンコク日本人商工会議所 1970 タイ人の主な価値観: 富、権力、長老、義侠化、支配者たること、寛容、報恩、明 智、礼節、義侠の一つ SPORTSMANSHIP とは、利己心のないこと、公平さを保ち、若輩 や部下を出し抜かない事。 33P からなる小冊子。 3. 「東南アジアの価値体系 1-タイ」河部利夫、田中忠治・現代アジア出版会¥870 1970 EC225,4 ・タイ村落と農民層の価値観 ・タイの支配者層の価値観と近代化 政治権力を至上とする Nai 観念と温情主義的保護の Liang 観念が伝統的価値であり、 近代化により近代的価値観をタテマエとし伝統的価値をホンネとするようになった。 4. 「外国人の姓名」島村修治・ぎょうせい¥1000 1971 著者は法務省入国審査官。各国の姓名の由来や配列順序等を解説している。資料と て旅券の用語及び姓名表記の用語と字を掲載。 ・タイ王国 55-59p 5. 「タイの近代化」駒井洋・日本国際問題研究所¥300 1971 DC237,2 著者は厚生省人口問題研究所員。'66 年提出の東大大学院社会学修士論文を基に、以 下の項目を論じている。タイ産業化の分析視角、社会的経済的背景、政治エリ-トと産 業化政策、経営者と管理形態、労働者と生活態度、全体としてのタイ社会。 6. 「世界の姓名」島村修治・講談社¥1400 1977 30 数カ国の姓名を宗教・文化圏に分類して解説。 ・タイ 390-400p 7. 「タイ民芸紀行」野間吉夫・東出版¥2200 1978 GE561,19 3 回にわたるタイ調査の報告。各地の生活振りや美術、ロッブリ-の石仏、陶片の文様 祭と行事について書いている。 8. 「東南アジア社会文化辞典」河部利夫編・東京堂出版¥3800 1978 GE8,54 東南アジア理解のための読む辞典。 9. 「タイからの手紙」上・下ボ-タン・井村文化事業社各¥1450 1979 'LETTERS FROM THAILAND' by Batan(本名 Suphaa Luusiri) 1969 年度 SEATO 文学最高作品賞受賞。22 歳になった女性作家が華僑とタイ人の思 考・行動・習慣を華系タイ人の目で描く。 10. 「東南アジア世界」渡辺忠世編・創文社¥8000 1980 京大東南アジア研究センタ-創立 15 周年記念論文集。 ・タイ国における「イスラムの擁護」についての覚書: 石井米雄 48-66p ・結婚年齢と人口増加:小林和正 287-304p 11. 「タイ文化の底流・ログポンド回想記」ウィリアム J.クロ-スナ-¥1300 1981 アジア文化出版 'Reflections in a Long pond' 1955-1970 年にウボン県ノン・コ-ン村に住んで地域研究した成果。村人の生活様式 の規範は、仏教、バラモン教及び精霊信仰で宗教と強く結びついた式典と祭典が行われ ている。理想的な村人は、冷静な心の他に寛大な心を持たなければならないことを記す。 12. 「タイ民衆の生活」ピア・アヌマ-ン・ラ-チャトン日本タイ協会 1982 GE561,29 原題は「昔日のタイ人の生活」。カ-・チャオ(支配者)、バ-ウ・ナ-イ(長)等 の意味を解説することからはじまり、家族組織、娯楽、信仰、教育等タイ文化について 説いている。

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14.社会 1. 「タイの社会構造」日本エカフェ協会 1966 シャムからタイに名称が変わったのは、「タイ」が自由を意味するから。 人口、政治、産業、労働、教育事情の他、仏教、華僑の動向を解説している。 2. 「タイ社会の特質」パイトゥ-ン・クルアケオ・バンコク日本人商工会議所 1970 タイ人の主な価値観: 富、権力、長老、義侠化、支配者たること、寛容、報恩、明 智、礼節、義侠の一つ SPORTSMANSHIP とは、利己心のないこと、公平さを保ち、若輩 や部下を出し抜かない事。 33P からなる小冊子。 3. 「東南アジアの価値体系 1-タイ」河部利夫、田中忠治・現代アジア出版会¥870

1970 EC225,4 国 ・タイ村落と農民層の価値観

・タイの支配者層の価値観と近代化 政治権力を至上とする Nai 観念と温情主義的保護の Liang 観念が伝統的価値であり、 近代化により近代的価値観をタテマエとし伝統的価値をホンネとするようになった。 4. 「外国人の姓名」島村修治・ぎょうせい¥1000 1971

著者は法務省入国審査官。各国の姓名の由来や配列順序等を解説している。資料とし て旅券の用語及び姓名表記の用語と字を掲載。

・タイ王国 55-59p 5. 「タイの近代化」駒井洋・日本国際問題研究所¥300 1971 DC237,2 国 著者は厚生省人口問題研究所員。'66 年提出の東大大学院社会学修士論文を基に、以 下の項目を論じている。タイ産業化の分析視角、社会的経済的背景、政治エリ-トと産 業化政策、経営者と管理形態、労働者と生活態度、全体としてのタイ社会。 6. 「世界の姓名」島村修治・講談社¥1400 1977

30 数カ国の姓名を宗教・文化圏に分類して解説。 ・タイ 390-400p 7. 「タイ民芸紀行」野間吉夫・東出版¥2200 1978 GE561,19 国 3 回にわたるタイ調査の報告。各地の生活振りや美術、ロッブリ-の石仏、陶片の文様 祭と行事について書いている。 8. 「東南アジア社会文化辞典」河部利夫編・東京堂出版¥3800 1978 GE8,54 国 東南アジア理解のための読む辞典。 9. 「タイからの手紙」上・下ボ-タン・井村文化事業社各¥1450 1979 'LETTERS FROM THAILAND' by Batan(本名 Suphaa Luusiri) 1969 年度 SEATO 文学最高作品賞受賞。22 歳になった女性作家が華僑とタイ人の思 考・行動・習慣を華系タイ人の目で描く。 10. 「東南アジア世界」渡辺忠世編・創文社¥8000 1980 京大東南アジア研究センタ-創立 15 周年記念論文集。 ・タイ国における「イスラムの擁護」についての覚書: 石井米雄 48-66p ・結婚年齢と人口増加:小林和正 287-304p 11. 「タイ文化の底流・ログポンド回想記」ウィリアム J.クロ-スナ-¥1300 1981

アジア文化出版 'Reflections in a Long pond' 1955-1970 年にウボン県ノン・コ-ン村に住んで地域研究した成果。村人の生活様式

の規範は、仏教、バラモン教及び精霊信仰で宗教と強く結びついた式典と祭典が行われている。理想的な村人は、冷静な心の他に寛大な心を持たなければならないことを記す。

12. 「タイ民衆の生活」ピア・アヌマ-ン・ラ-チャトン日本タイ協会 1982 GE561,29 国 原題は「昔日のタイ人の生活」。カ-・チャオ(支配者)、バ-ウ・ナ-イ(長)等 の意味を解説することからはじまり、家族組織、娯楽、信仰、教育等タイ文化について 説いている。

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13. 日本とアジア=生活と造形第七巻「道具と器」金子量重編・学生社¥1200 1983 常時冷たい水を必要とする熱帯では、土器こそ気化熱の応用によるもっとも合理的な 容器となっている。 ・タイの土器:量博満、宇野ふく、金子量重 54-94p 14. 「タイ社会を見る眼・伝統と変貌」上東輝夫・原書房¥1600 1983 著者はタイに 8 年勤務した外交官。現代タイ社会の価値体系・基本構造、及び巻末 の近代化事項年表が参考になる。 *タイ人が最も大切にする価値観を単純化し類型化すると、個人中心主義、権威主義、享楽主 義である。70p 15. 「タイ民衆生活誌」プラヤ-・アヌマンラ-チャト-ン井村文化事業社○

'Collected Essays of Phraya Anuman Rajadhon '1¥1800'79 2¥2200 1984 祭り・信仰・誕生・婚姻・死に関する風俗・習慣を集大成。「タイの柳田邦男」と言 われているように、自らの調査に基づく民族誌ではなく自らの問題や関心に従ってエ ッセイ風に書いている。 16. 「回想のタイ・回想の生涯」プラヤ-・アヌマ-ンラ-チャトン・井村文化事業社本 上(¥1700 1981)中(¥1650 1983)下(¥1900 1986) 'Fun Khwan Lang ' by Phraya Anuman Rajadhon 「タイ民衆生活誌」の著者の自叙伝。生い立ち、アサンプション学園、薬局・ホテル・ 税関勤務時代、他に女性遍歴や読書体験を書いている。タイ雑学の宝庫。 17. 「タイ知識人の苦悩」スラック・シワラック・井村文化事業社¥2000 1984

'Nai Puai Ungphakon thi Khaphachao Ruchak' by Silak Sivarasa 1979 第一部はスラック・シワラック「私の知っているプォイ・ウンパ-コ-ン氏-真実の 人」。1976.10 月事件で亡命したプォイの足跡を辿りながらタイ社会における知識人の 役割を問うている。第二部は赤木攻「タイ社会と知識人」。 18. 「子ども文化の原像」岩田慶治編・日本放送出版協会¥6000 1985 本書は 1984.3.26-31 に国立民族学博物館で開催されたシンポジウム「子ども文化の文 化人類学的研究」の報告と討論をまとめたもの。子どもと自然、子どもの中の世界、子 どもから大人へ、子ども・玩具・伝承、子どもの遊びと労働というテ-マでの研究を発 表している。 ・南タイ、ムスリム社会の通過儀礼と子ども観:小野沢正喜 404-422p *高度のイスラム的学識を身につけた宗教的教師(ト・グルー)が、自宅内に教室、講堂、礼拝所等を

訴えた宗教教育の学校を開き、学びに集まった学生達が師の家のまわりに次々と掘っ建て小屋(ポンドック)をつくって住みつき、自給自足の生活をはじめ、一種の宗教的コミュニティの態をなしたものを、学生たちの小屋に因んでポンドックと呼んでいる。南タイのマレー系イスラム地域だけで 400 を超えるポンドックが存在している。413p

19. 「異文化の探究」梅棹忠夫・講談社¥2000 1986 国立民族学博物館発行「月刊ミンパク」に発表されたエッセイ第三集。 ・タイ農村の祝儀・不祝儀帳〔積徳としての新築儀礼〕:杉山晃一 22-31p *新築儀礼(ウガン・クン・パン・マイ)は僧侶の参加を必要とする仏教的色彩の濃いもので、これに

施主から招待された人びとが参加し助力する。・・新築儀礼の参会者数の平均は 384 人。これだけの人数が一度に共食するために村の寺の庫裡に食器や炊事用具が保管されている。・・儀礼記録は長期にわたって保存はされていないことは、世帯同士の交際がそれほど長期に渡っていないことを暗示している。23-27p

・神がみの目と暴力〔タイの呪標〕:田邉繁治 32-41p ・「水かけ祭」由来譚〔魔王と七人の妻〕:君島久子 60-69p *水かけの行事はインドのバラモン教の儀礼に 1 つで教徒は身のけがれを落とすために川辺で

沐浴をしていました。年老いて川辺に来られない人々のためには、家族や友人が水をくんで帰って、その水をかけてやったのが、祭りのはじまりと言われています。65-6p

20. 「周辺資本主義としてのアジア」山崎カヲル編監訳・拓植書房¥3000 1986 DC141,52 国 'THE SOCIO-ECONOMIC FORMATION OF MODERN THAILAND' by David El liott 1978 ストックホルムで発行されている「現代アジア雑誌」に発表された論文を中心にアジ ア諸社会の歴史的経済的論文を収録。

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・現代タイの社会=経済構成体:ディヴィド・エリオット 287-334p *全てのタイ農民は、戦時には徴兵され、寺院やその他の宗教的事業に対する仕事や、運河 や水路に対する賦役労働を課せられていた。289p *スズ鉱業は、タイ国王が供与した権利をもつ華僑と結びついていたが、19 世紀全般を通じ

て小規模で原始的でさえあった。チーク林業は、地方の「土地支配者」の認可を得て、華僑とビルマ人とによって組織された。293p

*第 2 次世界大戦中の日本の駐留とアメリカのタイ国駐留との間には、一連の政治的、イデオロギー的、経済的な類似性を認めうる。・・日本とタイは、イデオロギー的に、支配階級において強力なファシスト分子を抱えていたし、共にヨーロッパの植民地主義に反対していた。タイとアメリカの支配階級は、インドシナ人民に対する侵略のイデオロギー的土台として役立っている反共主義によって結びついていた。320p

*アメリカ駐留軍(1962-76 年)によるタイ人の雇用 28500 人・アメリカ軍 6500 人(1966 年)、タイ人 32700 人・アメリカ軍 35000 人(1974 年)321p

21. 「はかり」と「くらし」小島麗逸他・アジア経済研究所¥900 1986 「アジアを見る眼」シリ-ズ 70 発展途上国のくらしに根ざした度量衡の多様な実態を 30 数名の地域研究者が体験的 に論じ、解明する。 ・タイ式尺貫法・・・・・・・・野中耕一/末廣昭 61-69p ・東北タイ農村にみる度量衡・・林行夫 70-78p 22. 「こよみ」と「くらし」小島麗逸他・アジア経済研究所¥1000 1987 「アジアを見る眼」シリ-ズ 73 途上 30 数国の生産と生活のリズムを、「暦」の世界から探る。 ・タイの歴法と干支・・・末廣昭 52-58p ・タイの歴と農民生活・・野中耕一 59-64p *タイで公式にメートル法が採用されたのは 1923 年の度量衡法以降。しかし日常生活の中で使

われているのはタイ式尺貫法である。 23. 「東南アジア都市化の研究」古屋野正伍編著・アカデミア出版会¥15000 1987 983 年度から 3 年間、タイとインドネシアを日本社会学会員が現地研究員と共同調査 した成果。労作。 ・Ⅰ部 タイの都市化 : タイの都市化と工業化 33-61p タイ農村の構造と変動 62-119p 中間都市チェンマイの構造と変動 121-197p 巨大都市バンコクの経営・労働者と人口動態 200-258p タイ農村の変容と都市の人口流動 259-285p ・調査研究による知見: タイ 568-579p 24. 「アジアの法と社会」安田信之・三省堂 ¥5600 1987 著者はアジア経済研究所に在籍してインド法を専攻。本書では多様な現代アジア法の 全体像の構築をめざして国家、経済、社会と法との関わりを論じている。 ・立権体制の概観: タイ 110-111p *ラーマ 1 世は、戦禍で散逸したアユタヤ朝の諸法典や勅命を集成させて 1805 年「三印法典」を制 定。ラーマ 5 世は不平等条約を撤廃し、1892 年、司法省を設置。1897 年の法制委員会の設置 に続いて各国の法律専門家の助言を得て欧米型の法典が制定される。刑法典は日本、民事 訴訟・刑事訴訟法はイギリス、司法制度はフランス。110p ・契約法: タイ 225-226p ・会社法: タイ 258-260p 25. 「居住へのたたかい」ホルヘ・アンソレ-ナ、伊従直子他編¥2000 1987 国際居住年を迎えるにあたり編集したもので、アジアのスラム住宅や居住環境改善に 関わる活動家達からのメッセ-ジと挑戦の書。 ・「土地分有」の試み(タイ) 40-72p シュロモ・エンジェル、ソムスク・ブ-ンヤバンチャ- シュロモはアジア工科大学人間居住科教授として'73 年から 10 年バンコクに赴任、ソ ムスクは、'77 年からタイ住宅公社に勤務、民間援助団体の中心的存在。 26. 「アジアの刑事司法」宇津呂英雄編著・有斐閣¥4600 1988 国連アジア極東犯罪防止研修所教官によるアジア 10 カ国の刑事司法運営の概要。

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・タイ王国: 山口昭夫 111-142p *タイにおける刑事責任年齢は 7 歳。青少年犯罪の中で最も多いのは財産犯であるが、そ

の他、薬物犯罪及び犯罪集団参加が目立っている。118p *タイにおける警察は一般的な職務の他、外国人居住者の登録、沿岸・河川・森林の警備、漁業

又は海上輸送関係法の施行、密輸等の防止、国境警備及び鉄道の安全確保などに責任を 負っている。119p *中央刑務所は全国に 21 あるが、バンクアンとクロンプレムの中央刑務所が際立って大きい。130p 27. 「海外生活の手引 第2巻東南アジア編Ⅰ」外務省外務報道官監修・世界の動き社 ¥1300 1988 ・タイ 92-139p 28. 「すまい」と「くらし」堀井健三他・アジア経済研究所¥1236 1989

「アジアを見る眼」シリ-ズ 78 近代化の波に洗われて変貌しつつある途上国の庶民の住居を国別に浮き彫りにする。 ・タイ 点描・農村の家・・野中耕一 70-74p *高床式の家は床下(タイトゥン)が洪水対策だけでなく、物置、家畜や家禽を飼育に使え、台所

から捨てる物が餌になる。71p ・タイ バンコク住宅事情・川上邦夫 75-83p 29. 「東南アジアの民族と言語文化」桑原政則・穂高書店¥2500 1989 ・タイ社会の言語社会学的考察 153-200p 30. 「東南アジアの社会学」北原淳編・世界思想社¥2250 1989 フィリピン、インドネシア、タイの家族・親族、地域社会の特徴や構造に関する大学 生向け教科書。 ・タイの家族・親族 竹内隆夫 222-246p ・タイの農村社会 武邑尚彦 247-269p ・タイの都市化、都市社会 松薗祐子 270-293p 31. 「変わる都市」共同通信社¥1300 1989 全国加盟新聞社に一年間「変わる都市-魅力の再発見」のタイトルで掲載されたもの で、共同通信特派員が書いている。 ・アユタヤ 漂う滅びの美しさ: 辺見秀逸 124-128p 32. 「稲作と高床の国・アジアの民家」川島宙次・相模書房¥3800 1989

著者は元大林組住宅部長。自らのスケッチで民家の他、風俗、衣装を描いている。 ・タイ北部の民家 1-62p 33. 「アジアと土器の世界」アジア民族造形文化研究所編・雄山閣¥2200 1989 1984 年に設立したアジア民族造形文化研究所の講義録。 ・タイの土器作り: 金子量重 16-19p ・農耕文化のなかの土器: 今村啓爾 161-172p 34. 「のりもの」と「くらし」吉田昌夫他・アジア経済研究所¥1030 1990

「アジアを見る眼」シリ-ズ 80 ベチャから飛行機まで-暮らしの足として、経済活動の動脈として活躍する多様な交 通機関のあり方を解説する。 ・タイ バンコクの庶民生活とトクトク・・重富真一 42-47p 35. 講座東南アジア学・第二巻「東南アジアの自然」高谷好一編・弘文堂¥4200 1990 東南アジアの生態とそこでの生業活動を立体的に解明する。東南アジアは、世界で最 も豊かな森があり、木の世界である島嶼部と草の世界である大陸部があり、海域性とい う特徴をもつ。 ・暮らしと動物: 渡部弘之 141-170p 食べ物、役畜、儀礼用動物といった用途別に分けて動物を描写している。 36. 講座東南アジア学・第三巻「東南アジアの社会」坪内良博編・弘文堂¥4100 1990 ・開拓社会の成立: 北原淳 71-99p ・エスニシティの変化: 飯島茂 246-275p

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37. 「タイにおける駐在員の生活環境-ジョイン事業調査報告書」 日本貿易振興会機械技術部 1991 Ja,658.1,N124 ア 医療事情、駐在員子弟の生活、教育環境、娯楽・レクリエ-ション・ボランティア活 動の現状について報告している小冊子。 38. 「現代の国際福祉(アジアへの接近)」谷勝英編・中央法規出版¥3000 1991 ・タイの児童問題と民間団体: 金原隆 1 家庭内での子供に対する身体的虐待 2 子供への強姦 39. 「たべものや」と「くらし」岩崎輝行他・アジア経済研究所¥1236 1992 「アジアを見る眼」シリ-ズ 85 食べることは、人間にとっては生きるために不可欠な個人的営みであると同時に、す ぐれて社会的な営為の側面をももっている。属する社会、風土に根ざした食生活のうち 「外食」に焦点を合わせて見ると、その民族や宗教によって異なる伝統的な規範性も自 ずから現れる。 ・タイ ビニ-ル袋のタイ料理・・重富真一 40-46p 40. 「寄生虫博士トイレを語る」鈴木了司・TOTO 出版¥1000 1992 KA382,E35 国 タイでは川や運河上に突き出したトイレで用をたしていた。川に食いを何本か打ち、 その上に板を渡しただけの簡素なものだ。川に落ちたものは魚や貝の絶好の餌となる。 タイでも中国と同じような肝吸虫がいて大勢の人が悩んでいる。政府は川のトイレをよ り衛生的なトイレに替えさせようと努力しているようだが、タイの人達も生に近い状態 で魚を食べるからなかなか寄生率は減らない。 41. 「アジアの死刑」辻本義男・辻本衣住・成文堂¥3500 1993 謀殺、公務についている者の殺害および国王の殺害に対し絶対的死刑が定められてい る。15 歳未満の者及び国王に対しては死刑を宣告できない。'79 年の有害習慣性薬物法 成立により、ヘロインの密造・密輸に対し絶対的死刑を導入。すべての処刑は BAANG KH WANNG 中央刑務所で行われ'87 年には 14-6 人が処刑された。しかし多くの死刑囚は、 国王の恩赦により減刑されている。 42. 「アジア諸国の犯罪報告書 平成 5 年版」法務総合研究所 1993 国ア ・タイ王国 72-77p '91 年の犯罪では、薬物犯罪が圧倒的に多く、以下窃盗、暴行、詐欺、殺人、強姦と続 く。 43. 「きもの」と「くらし」宮治一雄他・アジア経済研究所¥1339 1993

「アジアを見る眼」シリ-ズ 88 ・タイ アパレル変遷・・末廣昭 26-35p タイ風ヤッピ-:大卒で平均以上の収入があり、政治には普段は余り関心を示さず、 乗用車や携帯電話・AV機器をもっている若い世代。ヤップ(しわくちゃにする) *プレム首相が公式の場で常に着用していたのが、「スア・プララーチャターン」と呼ばれる礼服。丸く

て丈の低い[立て襟]のついた上衣服デ、プーミポン国王が 1977 年にデザインを決めて着用を推奨したのが始まり。32-3p

*スーツとネクタイの姿がタイ人の間で普及した背後にはオフィスに全館冷房やエアコンが導入され、自家用車出勤族の数が増えたことが関係している。・・バンコクでも自宅で寛いでいる時にはパーサロン(腰巻)を着用することが多い。水浴びの後にはバスタオルに、寝る時には布団の代わりにもなる。34p

44. 「現代タイの家族意識の研究」 Ja,301.1,Aj8 ア アジア女性交流・研究フォ-ラム,チュラロンコン大学社会調査研究所 1993 経済開発による変化が家族とその中の女性にどう影響を及ぼすかについてバンコク・ ソウル・福岡での調査をまとめたもの。 *伝統的なタイの家族の構造的特質:妻居制 MATRILOCALITY 19p 男性の法的・社会的権威の強さ 女性中心の家内集団生活 時系列的に柔軟に動いていく家族の輪郭 年長者支配

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*ラーマ 4 世の統治以前には、夫は妻や娘を売ることが法的に許されていた。・・1932 年、最初の憲法制定時、この状況は或る程度改善され、1935 年の民法・商法第 5 編の通貨によって一夫一婦が導入された。1974 年憲法の結果、男女平等が推奨されている。21p

45. 「中国と東南アジアの社会学」福永安祥・勁草書房¥4017 1993 ・日本とタイの社会結合をめぐって 190-198p 米国人類学者エンブリ-は、論文「タイ国」で、タイ社会生活の特徴として、第一に ゆるやかな社会結合が存在していること、第二に、個人中心的な行動が多くみられるこ とを指摘しており、日本・中国・ベトナムと対比している。 46. 「現代世界とエスニシティ」綾部恒雄・弘文堂¥5800 1993 エスニシティとは、一定の文化体系の中で他の同種の集団との相互行為を重ねながら 尚自らの伝統文化とアイデンティティを共有している人々による集団( 民族集団) 及び その成員が表出する特性のこと。著者は「タイ族」出版後、アメリカ・カナダ・ヨ-ロ ッパ・東南アジア各地の民族集団について実態調査。本書はその成果。 ・タイ国における「イサ-ン」とエスニシティ 86-89p 47. 「アジア厠考」大野盛雄・小島麗逸編・勁草書房¥2800 1994 19 世紀末アンモニア合成法が確立されて以来化学肥料が使われるようになったが、そ れまでは屎尿が大事な肥料であった。大便は基肥に小便は薄めて追肥に使われていた。 都市化と共に糞便は卑しむべきものとされ、便所からトイレに変わり河川や海の汚染、 トイレットペ-パ-増加による森林破壊を生み出している。本書は、厠の形態、何で尻 を拭くのか、出もの処理の方法、人間の清潔感といった方面からアジア各地の状況を記 録している。 ・バンコク-トイレと便器の変遷:末廣昭 119-125p *1875 年以降、城壁と濠に囲まれたプラナコン地区内での野糞は罰金 20 バ-ツか 3 か月の拘

禁。立ち小便は 4 バーツの罰金 4 時間の拘束を布告。因みに 20 バーツは、当時の中級役人の1 か月の所得に相当する。・・ラーマ 5 世と公衆衛生局は公衆便所を設立したり、道路の掃除を行なう清掃会社を公費で設立。121p

*運河や水路には糞が浮かんでいたが、魚と潮の干満が自然に処理した。122p ・東北タイ農村の自然・社会・トイレ:重富真一 126-131p *15 年前の村の決まりを作った。「盗んだバナナ 1 房、筍 1 本に付き各 500 バーツ。また他人 の樹園地で排便したもの 1 回につき 500 バーツ」。127p 48. 「第三世界の姓名」アジア経済研究所企画・明石書店¥3880 1994 名前は性別、地名、宗教、階級、階層、職業、称号等あらゆるものを背負った標識で 人間とその社会を考える際の重要な手掛かりとなる。本書は月刊誌「アジ研ニュ-ス」 '92 年 12 月発行の特集「人の名前、途上国では…」を契機にして 46 人の執筆者が書い たものを収録している。 ・タイ: 「姓名法」制定から八十年 園部益子 123-131p 49. 「地域学を求めて」田中忠治先生退官記念論文集刊行委員会編・ぎょうせい 1994 GE41,E25 国 1993 年度末、田中教授の東京外語大退官を記念して、指導を受けた卒業生達が書い た論文集。 ・私の研究と教育: 田中忠治 1-24p 最終講義、タイ研究 44 年の足取りを語っている。 *学は道なり。学問とは自己の知的世界の拡大の一過程にすぎない。 16p ・「劇詞ラ-マキエン」の性格とタイ王制イデオロギ-:宇戸清治 35-110p ・タイ農民反乱研究史: 高城玲 357-384p 50. 「海外での犯罪事例と犯行の手口・アジアオセアニア編」日本在外企業協会 DH311,E618 国 ・タイ 11-16p 空港での置き引き、ホテルの部屋からの盗難、長距離バスの中で寝ている間に旅券・ 現金が盗まれるケ-スが報告されている。 警察(191) では英語が通じないが、観光警察( 緊急電話番号 1699) だと通じる。 51. 「あそび」と「くらし」山本一巳、大岩川厳編・アジア経済研究所¥1339 1994

「アジアを見る眼」シリ-ズ 90 ・タイ ムラに旅芸人がやってくる: 重富真一 39-47p

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東北タイの伝統娯楽はモ-ラム。「モ-」は芸に秀でた者。「ラム」は長い歌謡や物 語のことを意味し、儀式の折りに古い物語や仏教説話等を節をつけて語って聞かせる。 52. 「タイ・工業化と地域社会の変動」北原淳・赤木功編・法律文化社¥9785 1995

'関西タイ研究会' メンバ-による'86 年から二回にわたる調査の報告。チョンブリ -とバンコクに関する工業化と地域社会の変動。

53. 「タイの工業化と社会の変容」小川雄平編著・九州大学出版会¥2884 1995 1992 年から 2 年にわたるアジア太平洋センタ-財団の自主研究プロジェクト「タイの 社会経済環境の変容-タイと福岡の共生関係を求めて」の研究成果。 54. 「タイのインド人社会」佐藤宏・アジア経済研究所¥1400 1995 約 10 万人のタイ在住インド人。タイ社会の見落とされたマイノリティに焦点をあて たもの。その 8 割がタイ国籍で KHEEK と呼ばれている。一般のタイ人がインド人に 対して抱いているステレオタイプは、因業な金貸しで、金を儲けたらさっさとインドに 帰る商人といったイメ-ジ。 本書では、戦前・戦中・戦後のインド人社会を分析している。 *有力企業家グル-プ 215-221p ①デワンチャンド・クンダンラ-ル・グル-プ(繊維、オフゥスビル、ホテル等) ②サイアム・ウィタヤ-・グル-プ(金融、不動産等) ③A.T.M.・グル-プ(デパ-ト等) ④ガンジ-・プレ-ムジ-・グル-プ(ゴム、薬品等) 55. 「世界ことわざ大事典」柴田武他編・大修館書店¥16480 1995 ・タイ 150-166p * DET BUA HAY WAY YAY 蓮の花を折るときはすじを残せ 人を非難する時は弁明の余地を残してやれ * NGOO MAY PEN PEN YAY MAY DAAY 馬鹿になれない者は出世できない * TOP KHAAY DIAW MAY DAY 片手の拍手は音が出ない 一人ではできないことも協力すればできる 56. 「アジアに学ぶ福祉」小林明子・学苑社¥1800 1995 10 年前に青年海外協力隊の障害者福祉分野の隊員として 3 年間ボルネオ北部に赴任 して以来、アジアから学ぶ福祉を探り、日本型福祉の改革を提言する。読みやすい。 ・タイ 91-105p ラングシット・チェッシャー・ホーム、肢体不自由児養護学校・療育センター(王母の援助)、視覚障害者職業訓

練所(母体バンコク盲人協会)、知的障害児効率収容施設、古い寺院を利用した養護学校 *チェンマイ周辺の聾唖学校や盲学校の一室に葬式用花輪が軍人によって運ばれる。葬式の後、

使用済みになった物を寄付してもらったもので、安く売ったお金で学校運営。101p 57. 「アジアの社会福祉」萩原康夫編・中央法規出版¥1800 1995 日本社会事業大学社会事業研究所主催のアジア福祉セミナ-で発表されたもの。 ・タイの社会福祉 1社会問題と社会福祉の現状と課題:ラチャ・スンクワン、ウ-ティサン・タンチャイ 27-47p 2社会福祉行政の展開とその背景: 萩原康夫 48-60p 3障害者社会復帰法の現状と展望: プンスク・チョティガパニト、ドゥアン・オラファン 61-81p 58. 「アジア諸国の都市化と開発調査報告書-タイ国」アジア人口・開発協会 1995 DC731,E20 国 '94 年にタイの経済発展と都市化に伴う保健・医療の状況を調査した時の報告書。 59. 「発展の岐路に立つタイ」プラサ-ト・ヤムクリンフング・国際書院¥3200 1995

都市と農村の関係、その格差、工業化の効果、仏教の復活、近代化の問題、民主化の 見通し等を論じ、タイ社会の価値意識や社会構造の変容を明らかにする。著者は吉備国 際大学教授で日本とタイの農村や近代化を比較している。

*実業家集団「タイ工業連盟」「タイ商工会議所」「タイ銀行協会」が政府からの援助 を得るべく活動している。 29p 60. 「アジア建築の現在」加藤周一他・平凡社¥2200 1995 KA91,G1 国

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61.「市場経済化・情報化にゆれるアンカイ村」益本仁雄・近代文芸社¥2900 1995 チェンマイ県北西のタイヤイが住むアンカイ村の調査報告。

64. 「アジアの障害者」中西由起子・現代書館¥2300 1996 著者は現在アジア・ディスアビリティ・インスティテ-ト(ADI)代表。アジアの場合、人口の一割が障害者 とすれば三億人に及び、その実態を探る。障害の主な原因は、栄養不良による視覚聴覚知 的障害や、環境破壊、衛生不備、事故災害、戦争、近親結婚があげられる。 1992 年北京で開催された ESCAP 総会で「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002) 」が 採択され、技術協力信託基金がつくられている。日本も中国やタイのリハビリテ-ショ ン・センタ-建設に巨額の援助を行っているが、実際の障害者の生活に迄恩恵を及ぼし ていない。NGO 活動への援助が必要。 ・タイ 84-111p *1986 年には 388570 人だったが 1991 年には 1101000 人に増えている。85p *教育省は 1952 年に普通教育局特殊教育課で障害児教育を開始した。95p *知的障害者の教育は 1957 年に開始された。97p 65. 「アジアの子どもと女性の社会学」荻原康生編著・明石書房¥2600 1996 日本社会事業大学が数度実施したアジア社会福祉セミナ-の記録を編纂したもの。ア ジアの社会発展と子どもと女性を取り巻く社会問題やフィリピン・マレ-シア・タイの 社会問題を論じ、その解決に向けて NGO 等の活動を紹介している。 ・タイの社会問題 タイにおける社会的排除と公的政策: デチャ・スンクワン 155-172p *下院議員は各県ごとに人口 15 万人に 1 人の割合で直接選挙によって選出。160p *社会福祉局は 1940 年に現在の労働・社会福祉省の中に設置。主として失業者、児童青

少年、貧困家庭、障害者、高齢者、傷病者、少数民族を処遇する。165p タイのストゥリ-ト・チルドレンと児童売春: ルカナ・スティエンスワジ 173-186p 都市貧困者と就労: ウ-ティサン・タンチャイ 187-201p ・国際的対応 212-221p タイにおける日本の福祉 NGO の状況、曹洞宗国際ボランティア会(SVD) の福祉活動を 分析している。 66. 「共同体の思想」北原淳・世界思想社¥1950 1996 副題は村落開発理論の比較社会学となっているが、タイの村落開発に関する議論の構 造的特徴やその理論的背景を検討している。マルクス主義のタイ近代化に関する解釈等 も論じており、今時珍しい書物。 67. 「アジアン・スタイル」村松伸・筑摩書房¥2800 1996 大成建設社内報に連載されたものを大幅に加筆したもので、17 人のアジア建築家と のインタビュ-集。 ・プラパ-パット・ニョム 93-102 68. 「アジアでギャンブル」ASIAN CULTURE BOOK2 トラベルジャ-ナル¥1300 1996 KD966,G84 国 香港競馬、マカオカジノ等を案内する。 ・バンコク路地裏賭博の世界: 下川裕治 114-115p タイは賭博禁止国であり公認されているのは週一回の公営競馬だけ。路上では五目並 べ、チンチロリンのようなもので遊んでいる他、トランプ博打( レンバイ) 、タイ・ボ クシングが盛ん。 69. 「アジアの宗教と精神文化」脇本平也、田丸徳善編・新曜社¥5300+税 1997 故柳川啓一東大教授による基金で研究された成果。 ・死者の排除と編入-北タイにおける異常死と再生の観念:川野美砂子 269-286p タ-イ・ホ-ン(異常死)の場合、通常の死者儀礼は営まれない。 70. 「発展途上国の市場とくらし」鳥居高編・明石書店¥3399 1997 アジア経済研究所刊行の月刊分析情報誌 1996 年 9,10 月「アジ研ワ-ルド・トレン ド」特集をベ-スにして編集し直したもの。伝統的なバザ-ルや小売店の様子、消費 生活形態の多様な姿が報告されている。 ・地方都市における買い物文化の 30 年: 重富スパポン 61-67p

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71. 「アジアの大道芸人」西日本新聞社¥1600+税 1997 1996 年 4-12 月西日本新聞の日曜版に掲載されたものでインド、台湾、タイ、韓国に ついて取材したもの。 ・タイの路地裏 60-89p 72. 「アジアのNPO」国際公益活動研究会・アルク¥3200+税 1997 × アジア 10 カ国の民間、半官半民の国際的な活動を行う団体の現状調査。 ・タイの非営利活動:若山佳子 263-275p 73.「岩波講座文化人類学①新たな人間の発見」青木保他編・岩波書店¥3200 1997 ・苦しみと人間の可能態―北タイにおける霊媒カルトとHIV感染者グループ: 田辺繁治 181-212p 霊媒者と患者による対話とパフォーマンスを通して身体と心を再構築しようとする。 74.「地域の世界史⑩人と人の地域史」木村靖二・上田信編・山川出版社¥3238 1997 ・共生の模索―南タイにおけるある改宗者の死をめぐって:西井凉子 375-413p サトゥーン県で起こったムスリムへの改宗者タック青年の突然死により遺体の争奪事

件が発生する。その後、親族内で関係の修復がはかられる。この地域では社会関係が柔軟に調整されることで日常における共存に回帰するプロセスが見られる。

75. 「暴力の文化人類学」田中雅一編著・京都大学学術出版会¥6311 1998 京大人文科学研究所の共同研究班「儀礼的暴力の研究」の成果。ブッシュマン、ス- ダン、タイ、沖縄、ケニア、イスラム、フィジ-、インド等における暴力を文化人類学 のみならず社会学、神話学から研究している。 ・儀礼的暴力とその身体的基礎-北タイの供儀と憑依について:田辺繁治 107-138p 超自然的な力を暴力ととらえることで、それがいかに馴化されて、守護霊として人間 社会の安寧を保証する力へと変換するのか、北タイに800万人ほど住むコンムアン人 の精霊祭祀を身体的な次元に焦点を当てて論じている。 *コンムアンの動物供犠では、殆ど例外なく鶏、豚、水牛などを殺して調理し、それを精霊にささ

げ、精霊がそれを食べて満足した後、参集者によって食べられる。112p *儀礼的暴力の重要な性格の一つは、断絶をもたらすことに儀礼場面において表象を転換

する機能である。供犠は、野生の力と人間世界との間に断絶をもたらし、その断絶作用によって精霊は守護霊に転換され、守護されるべき人間世界の秩序が再認される。133p

76. 「アジアで暮らすとき困らない本」福永佳津子編・ジャパン タイムズ ¥2200+税 1998 海外生活カウンセラ-が編集した、タイ、マレ-シア 、シンガポ-ル、インドネシアの生の情報集。病 院、幼稚園、学校、メディアが詳しい。 ・タイ 33-96p 77. 「味わいアジア」平野恵理子・ブロンズ新社¥1700+税 1998 × イラストレ-タ-が集めたアジアのグッヅを絵と文で紹介する。 ・タイのシルクと中国のスワトウハンカチ 14-15p ・タイのお箸の「ハブ」ケ-ス 52-53p ・タイの田んぼミュ-ジック 128-129p 78. 「アジアの奇祭」文・さの昭、写真・石川武志 青弓社¥2000+税 1998 アジアの奇祭を先入観なしに捉えた写真と文章。 タイプ-サム(マレ-シア)、北港媽祖誕生祭(台湾)、グッド・フライデ-(フィリ ピン)、端午祭(韓国)、ランブ・ソロ(インドネシア)、ロイ・クラト-ン(タイ) カ-リ-・プジャ(インド) ・タイ:ロイ・クラト-ンー巨大仏教経典のなかの個 178-207p *ロイ(流す)クラトーン(葉の器)という意味。ある人は川の精霊へ感謝をこめて供え物をするこ

と、ある人は罪や汚れを洗い流すための行事という。流すときに願い事をすれば願いが成就するともいわれている。・・ロイ・クラトーンは聖なるガンジスへのプジャ(祈り)に似ている。このプジャは素焼きの小さな器に花を添え、灯心に火を灯してガンジスの川面に浮かべ、女神ガンガーを祝福するものだ。179-181p

79. 「アジアの社会と近代化」竹沢尚一郎編・日本エディタ-スク-ル 出版部¥2800+税 1998

日本、タイ、ベトナムの共同研究「近代化に伴う価値観の変動に関する比較研究」論 文集。

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・近代化と家族戦略-中部タイのラ-オ・ソ-ン族の場合: チャウィ-ワン・プラチュアプモ 53-90p タイ家族に共通する点、核家族率の高さ、妻方居住の優越、末子家族の親世代との同 居を明確にし、ラ-オ・ソ-ン族の一家族を例にしてタイ家族の姿を描いている。 *子供はファン(生活単位)において重要な位置にある。息子は「スープ・ファン」つまり両親の死 後、祖先霊の祭祀を取り仕切る役割を担うようになる。息子がいないと祖先は供養を受 けることができず、悪霊と化してしまうのである。67p ・現代タイにおけるセルフ-言語的戦術と民主主義 : ティラユ-ト・ブンミ- 193-228p タイは西欧と異なり、仏教の影響により状況依存的、拡散的なセルフが形成されてお り、民主主義の実現に結びつかないことを論じている。 80. 「東南アジア サステナブル世界への挑戦」加茂利男・遠州尋美編 有斐閣¥1700+税 1998 1983 年から 3 年間タイで調査したレポ-トから東南アジアの成長と問題点を探る。 ・ライフスタイル革命とサステナビリティ-しのびよる消費社会の中で:遠州敦子 89-113p ・住まいとサステナビリティ-タイ住宅政策の光と影:岡本祥浩 114-140p ・サステナブル農業の実験-タイ農業と SARD 路線:樫原正澄 141-155p ・サステナブル コミュニティ を求めて-UCDO とコミュニティ形成運動:遠州尋美 156-185p

81. 「アジア太平洋のNGO」日本国際交流センター監修・アルク¥3000+税 1998

1993 年に「アジア太平洋地域共同体の基礎としての民間非営利活動の現状と展望 」を十五カ国・地域 にわたり調査研究、大阪シンポジウム(1994.12)に発表されたもの。1996 年度大平正芳記念賞を受賞している。

・タイ:アマラ・ポンサピッチ 132-155p 82.「アジアの地方制度」森田朗編・東京大学出版会¥8500+税 1998 アジア 12 カ国を対象に地方制度を分析し、解説している。 ・タイ:橋本卓 195-223p 83.「世界の社会福祉・アジア③」仲村優一、一番ヶ瀬康子編・旬報社¥8200+税 1998 ・タイの社会福祉:荻原康生 53-107p タイの社会福祉の背景と現状を述べ、終りに仏暦 2534 年成立の障害者社会復帰法を掲

載している。 84.「アジアの環境・文明・人間」山折哲雄編著・法蔵館¥5500 1998 国際連合大学プロジェクトとして 1994 年 5 月から約二年研究した成果。 ・タイにおける環境観の研究:スウィナイ・ポンナワライ 238-255p 資本主義の発展に伴う環境問題の解決として仏教からアプローチ、欲望のコントロー ル方法アナパーナ・サチを紹介している。 85.「60 カ国・世界比較文化事典」T.モリソンほか・マクミランランゲージハウス¥3200+税 1999 原題:KISS,BOW,or SHAKE HANDS 各国の概要、文化的特徴、ビジネス慣行、儀礼について簡潔にリストアップしている。 ・タイ 440-446p 86. 「グローバル8つの物語」国際開発ジャーナル社 ¥1762+税 1999 ODAとして実施された技術協力の実態記録。シンガポール、マレーシアの人材育成 タイのエイズ撲滅、カンボジアの内戦と地雷問題、中国の環境問題、ヨルダンの母子保 護、タンザニアのコメづくり協力、パラグアイの日系移民支援を探る。

・ タイ エイズ撲滅への確かな足どり:杉下恒夫 175-189p 87.「東南アジアの三輪車」前川健一・旅行人¥1700+税 1999 インドのリキシャに興味をもってから構想 26 年 、都市交通事情について三輪車を焦 点に紡ぎ出す。英語と日本語の資料と自らの足で集めた材料を十日で書き上げた。 *タイの人力車(サームロー)は 1932 年に 9756 台でピークを迎える。36p *トレックのバス、ソーンテオは 2 列という意味。座席が 2 列あるからだ。166p *サームロー(三輪自動車)。かっては DAIHATSU と書いてあった。ダイハツミゼットである。196p 88. 「アジアの水辺空間」中村茂樹、畔柳昭雄、石田卓矢・鹿島出版会¥2800+税 1999 海洋建築の専門家が、アジアで水辺と共存、共栄、共生している人々の暮しを、集落 や住居、文化から見たもの。

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・ クローン(運河)に形成された水網集落:タイ 石田卓矢 108-150p *バンコク・ノイ運河は水上交通整備のための開削計画が行われた 1522 年まで、蛇行するチャオプ

ラヤ川の本流だった。109p

89.「タイ人と働くーヒエラルキー的社会と気配りの世界」ヘンリー・ホームズ、スチャーダー・タントンタウィー めこん¥2000+税 2000 ○ 長年、経営コンサルタント業を行うアメリカ人人類学者とタイ人社会学者による社

会分析。ある日本人役員の失敗から始まる。交渉に同行した部下の紹介で、右腕、左腕に続いて両足と続けてしまった。タイでは足のイメージが良くなく転じて「奴ら」という意味になる。訳者が適宜日本人向けに解説していて、解説も必読。

90.「ソンクラン祭りのころ」森正樹・近代文芸社¥1600+税 2000 小児科医の著者は 1981 年カンボジア難民医療団長として赴任、医療の原点に立ち会

う。難民の暮しぶりやボランティア事情等を記録している。 91. 「出神:アジアン・トランス」AKIRA+ミネコ・太田出版¥1600 2000 プーケットタウン、ジュイツイ廟で行われるヴェジタリアン・フェスティバル、別

名「血みどろ人間 串刺し祭」の状況報告。ミネコは福岡空港に帰って大麻持ち込みで起訴される。

92.「当てにならぬがばかにできない時代」ニティ・イーオシーウォン・NTT 出版¥2000+税 2000○ 著者は歴史学者・評論家で’99 年福岡アジア文化賞学術研究賞を受賞。激動するタイ

の社会と文化を内側から論じている。テーマは缶コーヒー、駐車場、病院、伝統文化、指導者、死、女性、インド的性格等々。タイ人の考え方、行動様式を知る上で参考になる。

*医者、教師、僧侶というのは、昔は自らは何の利益も求めなかった。だから、医療でけでは誰も食べていけず、たいていが農業など何かをしていた。68p

*タイ人が安易に行っているさまざまなスタイルの権力主義の跡を追うことはできる。・・とくに大学で上級生が新入生に対して行っている慣行は、すべて上級生が権力よりも合理性

に基づいた関係を結ぶべきであるのに。98p *科学以前の思考体系を尊重することは、タイの土着の知恵を本気で尊重する大切な条件で

ある。135p *「自由」という言葉は、かってタイ語にはなかった。・・かってタイ人は「場所の狭さは我慢で

きるが、気づまりな処はいづらい」という言い方を好む。自由とは肉体的なものよりも精神的なものであることを反映している。205p

*もう 1 つの考え方は離脱(解脱)。離脱の達成とは、我々を苦しめ悩ませる煩悩から輪廻転生に至る迄の、何れの奴隷にならなくてもよい状態に至ったことを意味する。206p

93.「地域発展の固有論理」原洋之介編著・京都大学学術出版会¥4500 2000 ・ タイ砂糖産業の発展過程と砂糖政策:福井清一 168-177p

・ 地方産業の発展:タイ国ヤントン県の三角枕の事例:池本幸生 191-218p ・ タイの都市と農村:パスク・ポンパイチット、クリス・ベーカー 219-244p

94.「スポーツで読むアジア」平井肇編・世界思想社¥1900+税 2000 社会学の視点からアジアのスポーツを分析している。 ・伝統スポーツの行方―変わるタイの子ども遊びとスポーツ:佐川哲也 25-44p 96.「知ってて良かった世界のマナー」ジェトロ編・発行¥1600+税 2001 ジェトロ駐在員が体験し学んだマナーを紹介している。 ・タイ:パウィニー・ランショウタイ 69-80p 97.「文化の想像力」加藤泰・東海大学出版会¥2400+税 2001

ケニアのメル及びタイでのフィールドワークに基づく論文集。文化、人間の差異、夫婦同姓、死生観等を論じている。 ・ 功徳・精霊・遊離魂―タイ人の死生観について 147-167p

・ タイ文化における自己・身体・運命 169-210p 98.「路地の経済社会学・タイのインフォーマルセクターーについて」不二牧駿・めこん

¥2500+税 2001 バンコクの屋台商、衣類縫製下請け、モーターサイクル・タクシーに従事している人

を調査した報告書。屋台商は女性が主役、彼らの殆どが納税していないことがわかる。

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99.「世界おもしろ比較文化紀行Ⅰトイレはどこですか?」小屋一平・心交社¥1500+税 2001 世界のトイレ情報集。各国語による「トイレはどこですか」の言い方と写真説明が付

いている。 ・タイ 177-184p 100.「学び・未来・NGO」若井晋ほか編・新評論¥3200+税 2001 日本NGOの歴史、存在意義、展望、各団体代表の活動報告など25の論文集。 ・チェンマイ大学と北タイの人々:山田恭稔 246-257p 101.「アジアの国家とNGO」重富真一編・明石書店¥580+税 2001

NGO を社会科学の客観的対象として分析・比較、アジア各国における多様な NGO 現

象の相違から、それぞれの国家のあり方を浮き彫りにする。

・タイ:重富真一 156-177p

タイの NGO はおおむね政府に批判的な姿勢を保ってきたと言えよう。・・政府に外か

ら圧力をかけて(ダム反対運動など)意思決定の変更を迫るというものである。・・タイ

NGO の政治参加に上述のような特色があらわれるのは、選挙を通した政治に対する不

信感が強いこと、そしてタイの官僚機構が外部からの人的参入をほとんど許さない閉鎖

的な制度であったことによるのであろう。172-3p

102. 「日常的実践のエスノグラフィ」田辺繁治、松田素二編・世界思想社¥3900+税 2002 1997 年から 3 年かけて共同研究を行った成果。社会的世界を理解する上でのさまざまな

論考は新たな人類学的知を示している。 ・権力を生みだすコミュニティー中部タイの地方選挙:高城玲 191-212p ・硬直する身体―南タイにおけるムスリムと仏教徒:西井凉子 235-264p ・自己イメージの再構築―北タイ農村女性にとっての工場労働と消費:平井京之介 286-308p 103. 「アジア中間層の生成と特質」服部民夫ほか編・アジア経済研究所¥3400 2002 1999 年度から 2 年かけて実施された研究会の成果。1997・7 のアジア通貨危機以降、ア

ジア各国の中間層がどのように生成されたのかを各地域の専門家が分析している。 ・タイの中間層―都市学歴エリートの生成と社会意識:船津鶴代・籠谷和弘 201-234p 104. 「地域文化と学校」尾中文哉・北樹出版¥2400+税 2002 ナン県、コンケーン県、パタニ県の農村で地域文化と進学に注目して調査した報告。

ちんぷんかんぷん。

105. 「アジア中間層の生成と特質」服部民夫、船津鶴代、鳥居高編 日本貿易振興会・アジア経済研究所¥3400 2002 1997 年アジア通貨危機後の中間層の動向。

・タイの中間層―都市学歴エリートの生成と社会意識:船津鶴代・籠谷和弘 201-234p 106. 「生き方の人類学」田辺繁治・講談社¥720 2003 著者は長年、「実践」についての人類学的研究を行っており、最近の論文と講義をま

とめたもの。 ・儀礼における実践:北タイの霊媒カルト 141-179p ・苦悩のなかの実践:エイズ自助グループ 181-217p 107. 「アジア新世紀第4巻・幸福」岩波書店¥3600+税 2003 ・タイ都市中間層の形成と家族の幸福:落合恵美子 211-225p 108. 「大道商人のアジア」和賀正樹・小学館¥1600+税 2003 アジア 11 か国の路傍の物売り 154 人に取材した記録。 ・タイ 96-103p 青年 2 人の口車に乗ってチェンマイ・ドイステープ行きのバスで手相を見てもらってい

る隙に現金と帰りの航空券を掏られたことや、バンコクでプラクルン護身仏売りする 63歳の男と、体重計り 1 回 1B で学資稼ぎする 17 歳の青年、コンカーイで一つ 6B でパンを売る 14 歳の少女と、薬草茶チャップリエンを一杯 3B で売る男を紹介。

Page 13: 1966 SPORTSMANSHIP - FC2sakihata0210.web.fc2.com/bunken/bunke-society-1.pdf智、礼節、義 nの一つSPORTSMANSHIP とは、利己心のないこと、公平さを保ち、若輩

109. 「ゴーゴーバーの経営人類学」市野沢潤平・めこん¥2600+税 2003 副題:バンコク中心部におけるセックスツーリズムに関する微視的研究 110. 「タイ都市スラムの参加型まちづくり研究」秦辰也・明石書店¥5800 2005

長年バンコクのスラムで NGO 活動していた著者が五年かけて研究した成果。タイの都市スラムにおける居住環境の変遷と現状分析を行ない、青少年を中心とする環境改善活動の事例を通して、持続可能な街づくりのあり方を提言している。調査はバンコクの他、チェンマイ、コンケーン、ウボンラーチャターニー、ソンクラー、ハジャイにわたっている。

111.「タイ・マッサージの民族誌」飯田淳子・明石書店 6300+税 2006 タイ・マッサージの社会・文化的側面に焦点をあて、マッサージ士になってからチェ

ンマイでの 2 年半にわたるフィールドワークに基づいて記述した民族誌。伝統式病院でのマッサージ師養成課程とメーヂェーム郡の医療実態が良くわかる。

112. 「タイの住まい」田中麻里・園津喜屋¥3400+税 2006 タイの住宅に関する調査研究をまとめた労作。バンコクの住まいを給与住宅タイプ、

個人建設タイプ、民間開発業者供給タイプ、政府供給タイプに類型化して分析する一方、タイ全国 4 地域の住居と建築儀礼を論じる。チットラダ住宅地の調査では、戦前の木造低層集合住宅からの変容や共有空間を通して伝統的な住まいに見られる空間要素について指摘、共用空間チャーンの重要性を論じている。

113.「現代タイの社会的排除」櫻井義秀、道信良子編著・梓出版¥4200+税 2010

編著者及び北海道大学大学院文学研究科の院生による論文集。タイ人学生の調査によ

るタイの国際結婚定住者、ストリート・チルドレン、ゴミ収集人などは、長くタイに滞

在していても知る機会がない事例についてのレポートでタイ社会の格差をまざまざと実

感させてくれる。 ・タイ社会における排除の構造と社会的包摂:櫻井義秀 ・タイにおける医療・教育・社会参加の機会の現状と課題:道信良子 ・タイの国際結婚定住者:ティラポン・クルプラントン ・北タイの山地民―エコツーリズム:鈴木雅 *ムクダーハーン県バーンパオ村では小屋に泊まり 3 食を持ってきてもらうパターンとホームスティがあ

り、料金は 300~500 バーツ。133p *チェンマイ県メーカムポン村では村長宅で手続きをしてからホストファミリーに行く。夜には寺に集ま

ってカントーク・ディナーが始まる。143p~ ・東北タイの農村女性:ラッチャノック・チャムナンマック ・タイにおける継続型高等教育の現状と評価:櫻井義秀 114.「タイに渡った鑑識捜査官」戸島国雄・並木書房 1600+税 2011 著者は 1941 年生まれ。1970 年、警視庁鑑識課に配属。1994 年、病院看護婦長だった妻

が白血病で亡くなり、JICAの技術指導専門官としてタイに赴任、鑑識活動を指導。バンコク、インド洋大津波での体験を書いている。

115.「タイの祭り」梶原俊夫・めこん¥2500+税 2013 イサーンでNGO15年務めた後、6年かけて主要な祭りを回る。カレンダーに沿っ

て写真と共に解説。 ・ポーイ・サーン・ローン:タイ・ヤイ族の少年出家式。メーホンソン。3 月末か 4 月初め。 ・ウィサーカブーチャー(仏誕節):全国。4 月か 5 月旧暦 6 月の満月の日。 ・ピー・ター・コーン祭り:ルーイ県ダーン・サーイ。6~7 月/旧暦 6 月の満月の後の週末。 ・バンファイ・パヤーナーク(龍王の火の玉):ノーン・カーイ。10 月か 11 月。 ・ベジタリアン祭:プーケット、トラン。10 月中旬。中華系の人々による道教の行事。