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名古屋工業大学新聞 集 ・ 名古屋工業大学新聞 [email protected] ( ) 1版 2013年4月 6 日 第 41 号 調調姿11 24 合格者発表行われる URL [email protected] お問合せ先 [email protected] 名工大新聞 HP http://nitpress.wordpress.com/ 「花見の季節です。鶴舞公園の桜がとてもキレイですね。」 姿16 25

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1 名古屋工業大学新聞

編 集 ・ 発 行 所名古屋工業大学新聞[email protected]印 刷 所( 有 ) 栄 光 社

1版 2013年4月 6日第 41号

長類色覚視物質の赤外分

光研究」、すなわち人が

色を見分ける仕組みにつ

いての研究である。人は

網膜中に明暗を感じる光

センサータンパク質ロド

プシンと、赤・緑・青の

3種類の光を感じる色覚

タンパク質をもつ。前者

のタンパク質は調製が比

較的容易で世界的にも研

究が行われているが、後

者の色覚タンパク質は調

製が困難で、原子レベル

での構造解析は片山さん

が所属する大学院工学研

究科・未来材料創成工学

専攻の神取研究室でしか

行われていない。片山さ

んがこの研究を始める

きっかけとなったのは、

学部3年次のプレ卒業研

究で神取研究室のロドプ

シンについての論文を選

んだ際、当時、X線結晶

構造が解かれたロドプシ

ンとは異なり、構造生物

学的な解析が皆無だった

色覚タンパク質の構造を

解明してやろうと思った

ことだったという。片山

さんも研究に携わった2

010年には独自の解析

法、低温赤外分光法によ

る研究で世界で初めて霊

長類の色覚タンパク質の

構造情報を捉えるという

快挙を挙げ、光を受け取

る根源となるレチナール

分子の構造は同じにもか

かわらず、レチナール分

子周辺のタンパク質場と

の相互作用の差異により

認識できる色が異なると

いうところまで分かって

きている。また、201

2年には色覚タンパク質

中に水分子が存在するこ

とも明らかにし、急速に

進展している研究といえ

るだろう。

片山さんは生物物理学

会中部支部の若手の会の

支部長を務めるなど、研

究室外でも活発に活動を

行ってきた。神取研究室

では学会発表への参加が

重要視されており、当初

は就職を考えていた片山

さんも、参加者の自分の

研究に誇りを持って意見

を発表しディスカッショ

ンする姿にかっこよさを

覚え、ここまで研究に携

わることになった。学会

では必ず質問をするな

ど、積極的にディスカッ

ションに参加しアピール

することを心がけていた

そうだ。

片山さんは育志賞の受

賞を果たしたが自身の心

境に大きな変化はないと

1月11日、独立行政法人日本学術

振興会の「第3回(平成24年度)日

本学術振興会

育志賞」(以下、育志

賞)が発表され、大学院工学研究科

未来材料創成工学専攻の片山耕大さ

ん(受賞時D2)が本学から初めて

受賞した。3月4日には東京の日本

合格者発表行われる

URL

[email protected]

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「花見の季節です。鶴舞公園の桜がとてもキレイですね。」

いう。推薦を受けたこと

や受賞の実感はなかった

が、授賞式では「受賞者

と話してみると一人ひと

りの意識が高く熱意を感

じた。すごいところに来

てしまったと思った」そ

うだ。自らはあまり意識

しないようにしているそ

うで、「まだまだ成長で

きるので賞に見合うよう

に研究を続ける」と話し

た。今後の企業や大学と

いったフィールドの選択

は未定だが、これからも

色覚タンパク質のように

学士院で授賞式が行われ

た。育

志賞とは若手研究者

を支援・奨励するために

設けられたもので、今後

の日本の学術研究の発展

に寄与することが期待さ

れる全国の優秀な大学院

博士後期課程学生に贈

られるものである。人

文・社会科学、自然科学

といった分野があり、学

業成績のみならず人間性

や意欲的かつ主体的に活

動に取り組む姿勢なども

評価の対象となる。片山

さんは髙橋実学長、神取

秀樹教授(生命・物質)、

京大霊長類研究所・今井

啓雄准教授の3人の推薦

を経て、第3回育志賞受

賞者16人の1人に選ばれ

た。片

山さんの研究は「霊

細胞外の物質を受け取り

伝えるGタンパク質共役

受容体の研究に携わって

いきたいそうだ。

片山さんは「授賞式で

文科省関係の方々から、

工学部なのに生物学の分

野の研究をしている点を

驚かれた。これからの時

代、ますますバイオの研

究が進展するが、名工大

出身者としてバイオ技術

を役に立つツールとして

世に発信していきたい」

と語った。      

        〈小池〉

3月7日正午、平成25年度名工大前期

試験合格者発表が2号館前にて行われた。

ホームページ上での合格者発表ではなく、

いち早く合否をその目で確かめようと多く

の受験生らが2号館前に

集まった。受験生らの目

の前に合格者の受験番号

が貼り出されると、集

まっていた受験生は一斉

に掲示板に集まり、合格

者の歓喜の声が青空に響

き渡った。また、合格者

を祝福し、いち早く新入

部員を獲得するために集

まったクラブ・サークル

によって、ビラ配りが行

われた。毎年恒例になっ

ているボート部とアメフ

ト部による胴上げによっ

てしばらくの間2号館前

は多くの人の賑やかな空

気に包まれた。

この日、友達3人で発

表を見に来た男子学生ら

は「胴上げちょっと怖

かったです。全員で受

かるのが夢だったので、

叶って良かったです。今

日めっちゃどきどきして

ました」と感想を述べた。

        〈広瀬〉

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名古屋工業大学新聞  

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「新入部員が入ってくれますように。」

2013年4月6日2

1月21日から2カ月

間、「ブロックページプ

ロジェクト」のタブレッ

ト端末を活用した社会実

験が岡崎市細川学区で行

われた。タブレット端末

上のアプリケーションで

ある「ブロックページ」

を利用し、一人暮らしの

高齢者の方の生活を支援

する目的で実施された。

この社会実験に関わった

コミュニティ創成教育研

究センターの特任助教で

ある三矢勝司さんに詳し

く話を聞いた。

本学の情報工学科の岩

田研究室は情報セキュリ

ティやWeb開発、特に

高齢化社会における課題

を解決するような情報技

術について研究を行って

いる。その中で直感的な

操作が可能であり、高齢

者でも分かりやすく親し

みを持ちやすいタブレッ

ト端末に目を向けたのが

このブロックページプロ

ジェクトだ。岩田研究室

と様々な企業が協力して

作り上げた技術をコミュ

ニティ創成教育研究セン

ターが地域に向けて橋渡

しをし、社会実験に至っ

た。コミュニティ創成教

育研究センターは本学の

技術を生かしてコミュニ

ティづくりを支援してお

り、本学と地域をつなぐ

役割を担っている。

社会実験はブロック

ページが搭載されている

タブレット端末を100台

利用して行われた。「ブ

ロックページ」は「地域

の回覧板」という意味だ

が、この社会実験でのブ

ロックページには高齢者

の生活を助ける様々な機

能が備えられている。例

えば、電子回覧板として

地域の行事やごみの収集

脳卒中のリハビリやう

つ病の治療などに用いら

れる脳への電気治療。そ

の際、脳の組織構成を考

慮してより正確に特定の

患部を電気で刺激するこ

とを可能にする解析ソフ

トを、平田晃正准教授(電

気電子)とラークソ・イ

ルッカ研究員らのグルー

プが開発した。

従来の電気治療では、

とができ、より正確に治療部

位を刺激することができるよ

うになる。また、このソフト

は市販のシミュレーションソ

フトよりも低容量で計算速度

がかなり速く、かつ高精度と

いうことも特徴である。市販

のものが20分かけて行う計算

を、このソフトは1㎣の精度

で5秒以内に終える。これは

アルゴリズムの工夫により得

られたもので、そのシステム

の本質は大学で学ぶ基礎レベ

ルのものだという。「いかに

活用するか」が重要であるこ

とが分かる。よってこのソフ

トの導入には大容量のコン

ピューターなどを必要とせ

ず、従来よりも迅速な治療を

患者に提供できるようにな

る。専門医の経験に頼ってい

た判断をソフトが代行するた

め、今後専門医のみならず、

スの研究を行ってきた。

医療サポートへの応用の

必要性を感じ今回のソフ

ト開発へと至った。平

田准教授は今後につい

て「デバイスの開発がし

たいが治療で効果が出な

いと難しい。これから検

証なので今後はこのソフ

トの治療実績の積み上げ

が必要となるだろう」と

語った。また、工学的な

コストの重視ではなく、

患者の安全とより良い治

療を考えた質重視の工学

へと視点を変えたいそう

物支援としてチラシを見

て注文・受取もできる。

従来はチラシや回覧板は

もちろん手渡しで、安否

確認も担当の方が定期的

に訪問をすることで行っ

ていたが、タブレット端

末を活用することで情報

共有を素早く行うことが

可能になるなど、様々な

面で高齢者がより困らな

いような仕組みとなって

いる。

今後は社会実験でどう

いう風にブロックページ

が活用されたかを分析

し、更なるバージョン

アップを目指していく。

最終的にはコスト負担な

どを考え社会に定着、自

立、持続可能できるよう

にくい部分が混在してい

るのだが、これらを十分

に考慮しての治療は困難

理学療法士や患者自身で

も治療を実施する、つま

り電気治療の在宅化も期

待できるという。

ソフトの正確性、高速

性といった高性能さは研

究開発への尽力はもちろ

ん、医学や患者に視点を

向けることによってもた

らされている。「人の安

全性があっての工学だ」

と語る平田准教授は、以

前から電磁波が人体に与

える影響や安全性につい

ての研究・検証や電磁波

を制御するためのデバイ

で「人の役に立って初め

て研究なので役に立てる

ものが作れたらいいな。

これによって治療に効果

が出ればいいな、と工学

の立場から思う」とも話

した。

このソフトの導入が実

現すれば電磁気を用いた

医療に大きな発展が訪れ

るかもしれない。「安全

性を考えた工学」、「視点

の転換」は今後工学を学

ぶ誰もが意識していかな

くてはいけないことでは

ないだろうか。 〈小池〉

なシステムを目指す。そ

のためにも、今回の社会

実験では100台のタブレッ

ト端末を用いたが、より

多くのタブレット端末を

利用してボリュームアッ

プした社会実験を行って

いきたいとのこと。今後

の動きが楽しみだ。

最後に三矢特任助教は

学生に向けて「岩田研究

室の学生はソフトの開発

に携わってもらったが、

学生自身にももっと地域

やコミュニティの現場に

関わって知ってほしいと

思った。今後は、学生が

実際の利用者と触れあう

など地域に出ていくこと

も企画したい」と語った。

       

〈山川〉

磁気共鳴画像装置(以下、

MRI)で得られた脳内

の画像データから専門医

が電気刺激するべき部分

を特定し、知識と経験に

基づいて電気治療器を当

てる場所や角度、電流の

強度を決定していた。し

かし脳にも個人差があ

り、脳骨髄液や脳のし

わ、成分などにより電気

が流れやすい部分と流れ

日などの様々な情

報を表示すること

はもちろん、画面

上に表示されてい

る「元気です」と

いった文字を触る

ことで安否確認を

することや、買い

であった。専門医の経験

に頼る部分が大きく、正

確さや治療効率の向上が

課題となっていた。

平田准教授らが今回開

発したソフトはこれらを

改善するものだ。このソ

フトはMRIで得られた

データを用いて、脳を1

㎣などといった解像度で

分割し、それぞれに組織

成分から算出した導電率

を割り当てることで脳全

体の通電シミュレーショ

ンを行う。それにより脳

の構造、成分などを考慮

した、最も治療効果が得

られる電気を当てる位

置、角度などを割り出す

ことを可能にした。個人

のMRIデータからシ

ミュレーションを行うた

め個人差にも対応するこ

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名古屋工業大学新聞  

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「春はあけぼの。」

2013年4月6日

沿岸域の防災3 3

・減災シンポジウム3 3 3 3 3 3 3 3

開催

中部地整と連携協定締結

2月6日、本学にて「沿岸域の防

災・減災に関するシンポジウム(以

下、シンポジウム)」が開かれた。

シンポジウムの目的は、日本の産

業、経済、交通の要所であるととも

に都市機能が集中する東海地区を中

心とする沿岸域を粘り強い沿岸域と

するために、沿岸域の設計・技術の

課題と考えるべきことを討議するこ

とである。今回のシンポジウムは、

本学の高度防災工学センターが独立

行政法人港湾空港技術研究所と共催

し、企業や官庁の技術者、国や自治

名工大新聞はいつでも新メンバーを募集しています!興味のある方は[email protected]まで気軽にメールをください!

本学の渡辺義見教授(機械)が

アルミ鋳物の強度向上させる高性

能微細化剤の開発に成功した。金

属鋳物の強度は材料の粒径に依存

する。粒径が小さければ小さいほ

ど強度は大きくなるのだ。そこで、

鋳物を作る際には多くの場合にお

いて微細化剤というものを使用す

る。微細化剤とは水が氷になると

きの足場のもとのようなものであ

る。微細化剤には鋳物材との界面

エネルギーが小さいものが適して

いる。界面エネルギーを小さくす

るためには鋳物材の結晶と構造が

似ており、大きさも同じくらいの

不均質核物質である必要がある。

考えることが重要である

との指摘がされた。また、

想定外の地震や津波が襲

来しても、たやすく倒壊

しない、被害が急増しな

いように壊れ方を上手に

制御することを考え、予

測する技術力を整備する

ことが必要であるとの意

見に達した。

高度防災工学センター

の前田健一教授(都市社

会)は「主催したシンポ

ジウムに190人にも及ぶ人

が参加してくれたのは、

テーマに対する興味の深

さに加え、名古屋工業大

学への期待と信頼の表れ

です。災害が起きたとき

に第一線で指揮をとる立

場の国や自治体の技術者

が企業と大学と連携し

て、現場の実情を見て、

具体的に沿岸域の防災・

減災について解決しよう

ということが重要です」

と語った。   〈加藤〉

2012年11月26日、

本学と中部地方整備局

(以下、中部地整)が連

携協定を締結した。

中部地整とは国土交通

省の中に組み込まれた中

部地方の河川、道路など

のインフラをどう作り、

どう守るかについて広く

扱っている組織である。

今回の協定締結の目的は

本学と中部地整との関係

下、Al)を鋳るときには

アルミ三チタン(以下、

Al3 Ti

)を主に使用して

いた。Alの格子を二つ

重ねたものがA

l3 Ti

の格

子と類似していたのだ。

しかしそれでも、Alと

Al3 Ti

の格子には差があ

り、適切な微細化剤では

なかった。

そこで注目したのが

L12

構造という結晶構造

である。L1

2

構造という

のは2つの異なる原子が

それぞれ立方格子を形成

しているもので、単位格

子で見ると面心立方格子

のうち面心に来る原子と

立方体の頂点に来る原子

とで種類の異なる原子

が配置されるという構

造となる。今回の開発

前まではA

l3 Ti

に銅を混

入させ、L1

2

構造をつくる

ことでAl不整合度はより小

さくなることは証明されて

いたが、それをAlに入れ

る製造方法が確立されて

おらず、真偽も確かめら

れていなかった。今回の

開発ではこの微細化剤を

つくるために放電プラズ

マ焼結法(Spark Plasm

a Sintering

:以下、SPS

法)を用いることで微細化

剤の生成に成功した。

渡辺教授は「この実験は

やればやるほど成果が出て

きた。将来有望な研究であ

る」と語った。今回の発明

は自動車関連企業やアルミ

製造業からも注目されてい

る。今後は純アルミだけで

の強化だ。今までも役所

が政策を立案する際、相

談を受けるなどの繋がり

は名工大を含める複数の

大学との間であったのだ

が、この協定によって民

産官学(市民・企業・政

府・大学)の内、学官の

つながりがより強化され

た。これにより中部地整

には行事の共催、災害対

策本部設置時の協力要

請、防災計画の立案など

のメリットがあり、また

大学側としても中部地整

の管理する施設利用の許

可、データ提供などの研

究協力を仰ぐことができ

る。今

後は新技術の開発に

現場の提供が期待できる

とともに、国の仕事に本

学が関わっていくことで

本学の知名度を上げるこ

とができ、また産官での

結びつきが強くなること

で産学への新たな可能性

を見出すことができる。

6月には協定締結記念の

シンポジウムも行われる

予定だ。

秀島栄三教授(都市社

会)は「多くの学生は社

会に出るとき企業を考え

るが役所も社会を動かす

重要なセクターで、役所

とは何かという関心を持

つきっかけになればい

い。連携は大事である」

と語った。今回の協定締

結は教材作成の容易化な

ど防災教育にも役立つた

め、東海地方の防災研究

の大きな力となるだろ

う。       〈安藤〉

こういった構造の差異を

不整合度という評価基準

で示すが、この不整合度

が小さいほど不均質核物

質として望ましい。

以上の理由から、現在

までアルミニウム(以

はなく鋳造用アルミ合金

にも微細化剤が働くの

か、違う物質でもSPS

法で微細化剤の生成が可

能なのかというところに

目を向けている。この研

究分野のこれからに期待

したい。    〈山田〉

体等の行政に携わる人々

を中心に190人に及ぶ参加

があった。

シンポジウムでは、防

災・減災に関して第一線

で活躍している5人の講

師による講演と活発な討

議が行われた。討議では、

想定外の事態を減らすた

めには、想定外の事態が

起こってしまった場合に

起きうる事態を広く公開

し、その上で、その対処

法について連携しながら

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名古屋工業大学新聞  

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「気づいたらもう3度目の春、早いなあ。」

11月16・17日に開催さ

れた日本分析化学会中部

支部第12回高山フォーラ

ムで末田朋与さん(受

賞時物質5年)、佐藤百

香さん(受賞時生命・物

質4年)、土井拓也さん

(同)、倉持優理さん(同)

が優秀発表賞を受賞し

た。このフォーラムは、

中部地方にある大学に在

学する分析化学専攻の若

手研究者のための学会で

ある。各々の研究者はポ

スターを作成し、展示を

する。その後、聴き手は

興味のあるコーナーに行

き、話し手はポスターを

使用して説明やディス

カッションを行う。

「Pd電極に被覆したポリ

アクリル酸ゲルの電気化

学的な膨潤収縮制御」に

ついて発表を行った末田

さんは次のように語っ

た。ポスター作成につい

ては人の興味を引くため

には文字数が多すぎては

いけないが、最低限の説

明は必要なのでその調整

に苦労した。また、分析

4

名工大新聞部ではHPやTwitter、Facebookを通しても情報を発信しています。オンラインならではの情報もあるので是非ご活用ください。

本学の渡辺義見教授

(機械)が炭素繊維強

化プラ(C

arbon Fiber Reinforced Plastics

以下、C

FRP

)に直径

10㎜の穴をあけられる

砥石の開発に成功した。

CFRP

は軽くて・強く

て・腐食しないという特

性を持ち、現在主に航空

分野で広く使用されてい

る。一方で、その大きな

強度のために問題点も存

在した。その問題点の1

つが穴あけ加工法であ

る。従来の穴あけ加工法

はドリルにC

FRP

以上

の強度を持つダイヤモン

ドをコーティングして使

用していたが、その方法

ではドリルが摩耗しやす

く、劣化が早いため頻繁

にドリルの交換をしなけ

ればならなかった。その

ドリルの消費によって大

きなコストがかかってい

たが、劣化したドリルで

無理に穴をあけようとす

ると、ケバ・剥離につな

がるためドリルの交換は

5月25日(土)に金山駅

付近にある日本特殊陶業市

民会館フォレストホールで

第99回管弦楽団定期演奏会

(以下、定演)が開催され

る。外部から長縄洋さんを

指揮者として呼んでの公演

だ。オープニングにドヴォ

ルザークの「自然の中で」、

サブにスメタナの「シャー

ルカ」、そしてメインにド

ヴォルザークの交響曲第

9番「新世界から」が演

奏される。メインの交響

曲は全部で4つの楽章か

ら成るが、第4楽章は聴

いたことある人も多いだ

ろう。いつかカップラー

メンのCMでも登場した

あの曲だ。第4楽章の威

厳にあふれた出だしが特

徴である。第2楽章もな

じみのある人はいるだろ

う。「遠き山に日は落ち

て」という愛唱歌へ編曲

5月25日(土)管弦楽団定演開催♪

必要不可決であった。

そこで今回開発された

のがジャイロ式穴あけ加

工を用いた砥石である。

ジャイロ式穴あけ加工と

は、車輪状の砥石を車輪

の回転方向の回転に加

え、車輪自体を回転させ

ることによって物体に穴

をあける加工法である。

その加工法に砥粒として

ダイヤモンドをコーティ

ングすることでC

FRP

に直径10㎜の穴をあける

ことに成功した。砥粒と

は砥石で加工を行う際の

刃としての機能を果たす

もので、通常微細粒子と

なって砥石内部に存在し

ている。しかし、一言に

ダイヤモンドをコーティ

ングすると言ってもそれ

は簡単なことではない。

まず、金属とダイヤモン

ドの粒子であるナノダイ

ヤが混ざり合った混合物

を型の中に少量注ぐ。そ

こで型を回転させること

で遠心力によって型の表

面に混合物が付着する。

砥石開発!CFRPに10mmの穴開け

型の表面に一様に混合物

が付着したら残りの空間

を金属で満たす。以上

の工程を経てC

FRP

穴あけ可能な砥石が完成

する。この製造方法によ

り壊れにくい上にダイヤ

モンドの使用量、カラッ

ト数ともに抑えられ大幅

なコストダウンが見込め

る。砥

石の発明までにナノ

されており、夕方の公民

からの放送や閉館間際の

図書館で「蛍の光」の次

くらいによく耳にするの

ではないだろうか。

今回の定演にはOB・

OGも参加し、より盛大

な演奏を聴くことができ

る。管弦楽団部長の福田

悠介さん(生命・物質3

年)は「たくさんの人に

来てもらい、次回の100回

目の公演にも来てもらえ

るような演奏をしたい」

ダイヤ同士

がくっつい

てしまい強

度が出ない

ものが生成

されるなど

の苦労が

あったとい

う。この製

造方法を発

明した渡辺

教授は「た

いしたもの

だ。みんな

で頑張った

からここま

でこれた」

と語った。

また、現在実際に使用され

ているのは6〜7㎜の穴あ

け機なので、今後は違う材

料に対しての穴あけ技術と

して応用できないか別の方

向性を模索していくとのこ

と。なお、本開発は岐阜県

機械材料研究所と共同で行

われた。これからもジャイ

ロ方式穴あけ技術とその砥

石の製造方法の未来に期待

していきたい。  〈山田〉

と定演への意気込みを

語った。

定演の開場は17時45

分、開演は18時30分だ。

チケットは前売り券が生

協やチケットぴあ、コ

ンビニ等で700円+手数

料、当日券が800円で購入

できる。ぜひ名工大の管

弦楽を聴きに行ってみよ

う。部員は随時募集中と

のことなので定演を機に

入部してみるのもいい

かもしれない。管弦楽

団へのお問い合わせは

nitorchestra@yahoo.

co.jp

まで。

       〈山田〉

化学にはいろい

ろな分野がある

ので違う分野の

人に理解しても

らえるように噛

み砕いて説明す

るのは難しかっ

た。しかし、様々

な角度や視点の

意見を聞くこと

ができて良い刺

激を受けること

ができ、スキル

を上げる良い機

会になった。

「濃厚溶液から

陽イオン交換樹

脂への塩の侵

入」について発表を行っ

た佐藤さんは次のように

語った。研究室に入った

頃に先輩のポスターの練

習相手をした経験を通し

て発表の方法を学んだ。

また、研究内容や発表の

仕方などについて教授に

教えてもらったことが学

会で役に立ったので、そ

の偉大さを再認識し改め

て尊敬するきっかけに

なった。泊りがけで学会

と交流会を行ったので交

友の輪が広がって楽し

かった。

「Nb(Ⅴ)‐ポルフィリ

ン錯体を用いるポリオー

ルの分光学的検出」につ

いて発表を行った土井さ

んは次のように語った。

今までポスターを作った

ことがなかったのでレイ

アウトに苦労した。さら

に、Pow

erPoint

と異な

りアニメーションが使え

ないので実験動作などの

動きを伝わるように工夫

したり、1対1で発表を

する際、相手の分かって

いなさそうなところを考

えつつ、相手に合わせて

内容を少し変更したりし

た。

「Ru錯体内包アクリルア

ミド‐メタクリル酸コポ

リマーゲル微粒子の蛍光

特性評価」について発表

を行った倉持さんは次の

ように語った。ポスター

作りは先輩のものを参考

にした。Pow

erPoint

発表は一方的であるがポ

スターセッションは途中

で質疑応答を行う。人に

よって違う質問をされる

が、それを予想して解答

を準備していた。自分の

研究に興味を持ってもら

えたことがうれしかっ

た。さらに、アドバイス

や励ましの言葉をもらっ

たので、自分の研究が役

に立つ、実のあるものに

なる可能性があると実感

することができて心の支

えになった。

4人は今年本学を卒業

し、就職や大学院への進

学などそれぞれの道に進

む。そんな先輩方の姿を

こころに刻みつつ、さら

なる活躍に期待したい。

      〈伊佐治〉

2013年4月6日

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名古屋工業大学新聞  

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「ぐるめぐりは連載なのに16カ月ぶりであることはここだけの話。」

2013年4月6日3

[email protected]

URL http://solar-car.club.nitech.ac.jp/

( 3 )

サンドイッチは食べる

のにちょうどいい大きさ

で、いかにもオシャレ

なランチといった感じ。

キッシュは具沢山で程よ

くサクっとした生地がお

いしく、厚切りのトース

トは香ばしいハーブバ

ターの風味を存分に楽し

むことができた。どちら

のメニューもボリューム

があり、お腹も心も満腹

になった。デザートとし

て出てきたミニパフェ

We pioneer for advanced links.

名工大生が日々お世話

になっている飲食店にス

ポットを当てる「ぐる

めぐり」。第14回は、女

性オーナー2人が切り

盛りするカフェ「N

IRO

CAFÉ

(ニロカフェ)」

におじゃました。地下鉄

鶴舞線の鶴舞駅6番出口

から徒歩5分。鶴園前通

りを直進し、3つ目の角

を左折して少し歩いた右

手にこの店はある。

平日のお昼時に訪れる

と、ゆとりある店内で幅

広い層のお客さんが思い

思いの時間を過ごしてい

た。店内は明るく落ち着

いた雰囲気で、雑誌の

バックナンバーやさまざ

まな本が並ぶ本棚や、と

ころどころに飾られた小

物がかわいくてオシャ

レな空間となっている。

オーナーによって選り集

められたインテリアの中

でも、花のようなシャン

デリアは特にお気に入り

のものだそうだ。

サンドイッチやトース

ト、キッシュがメインの

ランチメニューは2種類

あり、スープ・サラダ・

デリ・ドリンクが付いて

850円。プラス150円でデ

ザートも付く。メニュー

は日替わりで、この日は

Aランチがゴマベーグル

パンのベーコン&egg

サンド、Bランチがナス

ときのことウインナーの

キッシュ(トマトソース

風味)ハーブバタートー

は、バニラアイスとク

リームの甘さにベリーと

ヨーグルトの酸味がマッ

チしていて、春を感じる

幸せな気分になれた。

今年で創業8年目とな

るこの店のおススメは

〝ケーキ〞。創業当初は

ランチをやっておらず、

ケーキをメインとしてい

たそうで、こだわりがつ

まった様々な種類のもの

を楽しむことができる。

「お客様にゆっくりと過

ごしてもらえたら」と話

すオーナーの温かさを感

じるカフェで、ケーキを

お供に落ち着いた時間を

過ごしてみるのはいかが

だろうか。   

〈北原〉

スト付であっ

た。

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名古屋工業大学新聞6

お問合せ先 [email protected] 名工大新聞HP http://nitpress.wordpress.com/ 「4コマを描き始めて1年。いつまでもつかなぁ。」

2013年4月6日

nitechpress @gmail.com

今年も桜の咲

く季節が訪れ、

多くの先輩達が

卒業し、そして

新入生が名工大

に入学した。

そこで今回

今回の研

究室の旅で

は、山下啓

司教授(生

命・物質)

の研究室

(以下、山

下研)を紹

介する。

山下研で

は、プラス

チック材

料・生体材

料寄りの研

究を行って

おり、環境

浄化を主と

した研究を

している。

現在進めて

いる研究の

代表的なも

のに、レア

メタル(埋

蔵量、採れ

る場所とも

に限られて

いる希少な

金属)を、

廃棄された

液晶ディス

プレイや携

山下研究室

(生命・物質工学科)

帯(都市鉱山と呼ばれる)

から取り出すことがあげ

られる。

アルミなどの他金属や

プラスチックの中から、

欲しいレアメタルだけを

取り出す技術(インプリ

ンティング法)を駆使し

て、ある物質だけを取り

込む樹脂や、選択的な吸

着力をもち、かつ環境に

も配慮した樹脂を開発す

る研究を行っている。こ

のような「環境浄化を目

指した廃材の高機能化再

利用」を研究の中心とし

て掲げる他、「分子認識

能を有するハイドロゲル

の分子設計」や「ポリペ

プチドを用いた機能性セ

ンサ材料の分子設計」等

の「吸着」をキーワード

とした研究も行ってい

る。ま

た、山下研では学会

への参加や賞を取ること

を目的にするのではな

く、企業との共同研究を

通して企業から研究費用

を援助してもらい、企業

と共同で研究開発してい

くスタンスを取ってい

る。生徒を社会に置くこ

とで、社会人とのコミュ

ニケーションや技術者と

の議論を経験させ、社会

人基礎力の向上、コミュ

ニケーション力・プレゼ

ン力・マネジメント力な

どの向上を狙っている。

山下教授はこの試みを

「教育の一環として企業・

職員・学生の『協働』を

取り入れ、研究という道

具を用いて手段を学んだ

り、企業の人と議論した

り、技術者としてやって

いく使える人間になって

欲しい」と語っている。

山下研で行っている活動

は研究だけではない。学

生なんでも相談室やピア

サポートを知っているだ

ろうか。それらの活動を

中心となって運営してい

るのが、山下教授を初め

とした山下研の学生たち

だ。山下研の特徴として、

他の組織と連携するな

ど、研究以外の活動にあ

てる時間が長い学生が多

く、様々な経験を積んだ

学生が多いということも

あげられる。山下教授は

「学生時代は楽しむこと

が大切。その為に思いっ

きり苦労する事、やらな

くてはいけない課題がた

は、新入生にむけて名工

大を改めて紹介したいと

思う。既に名工大の事は

よくよく知っているとい

う諸兄諸姉も新入生と話

すときなどに役立ててみ

て欲しい。

名工大は100年以上の歴

史を持つ、伝統のある大

学である。そのため建物

は他の大学に比べていさ

さか古めかしい部分も否

めないが、実は改築など

がどんどん計画的に進め

られている。最近特に学

生にとって嬉しかったの

は、やはりコンビニエン

スストアの「はじっこ・

ラウンジカフェ(N

ITech

マート)」や「1号館ミ

ニショップ」の設置だろ

う。他にも大学会館の改

築の際に一時的に講堂に

「CamPla

」店舗と理髪

店が移っていたことは記

憶に新しい。また、もと

もとはテニスコートだっ

た位置に新たに窒化物半

導体マルチビジネス創生

センター(仮称)が設置

される予定で現在工事中

である。さらに、昭和37

年に建造された17号館は

平成25年8月頃に取り壊

しが始まりスマートエネ

ルギー研究棟(4号館)

として平成27年3月頃ま

でに改築の予定だ。

ところで、名工大の建

物の名称について、疑問

に思ったことはないだろ

うか。名工大には55号館

までの数字のついた建物

がある。正門から正面に

見える2号館の北にある

1号館から数えても、名

工大には55もの数の建物

はない。ならばどの様な

基準で番号が付いている

のだろうか。新入生は特

に、教室の移動の際に迷

うだろう。すでに覚えて

しまった方も、もしかし

たら住所の番地と考えて

いたりはしないだろう

か。実は、建物の番号は

長期的なキャンパス設計

によって決まっているそ

うだ。昔は各学科の名前

を冠していたが、いろい

ろな研究室が複合的に

入ったり、講義に使用し

たりするために数字をつ

けた物と思われる。1桁

の番号の建物はもとから

あった建物を改築し高層

化しており、すでに17号

館は4号館となる事は計

画されていた。また、新

たに作られる建物は10番

台を冠し、道路を隔てた

キャンパス北側の共用棟

などは余裕を持って50番

台にしたと考えられる。

この番号の順番は基準と

なる建物から反時計回り

の順番で数が増えてい

く。自分の覚えやすい建

物を基準に考えると建物

の番号も覚えやすいので

はないだろうか。また、

平成22年度から講義室の

名称は【建物の番号2

桁】+【階数1桁】+【講

義室通番】の4桁表記と

なっている。これを覚え

ておくだけでも講義室を

間違えることは少なくな

るだろう。

さて、このように名工

大も変化が意外と激し

く、数年前とは様相が異

なる点も多い。少し前は

2号館下には自転車があ

ふれていたし、メイちゃ

んもなかった。こうした

改修工事などの新しい情

報は名工大の公式Web

サイトや名工大新聞のW

ebサイトからみること

ができる、また、今回紹

介した内容は過去の名工

大新聞のバックナンバー

からも知ることができ

る。特に名工大の住所は

昭和区御器所町だが、北

側は千種区であったりと

豆知識的な内容はこの

NITalk

で紹介している

ので是非読んでみて欲し

い。      〈広瀬〉

くさんある中、楽しむた

めに何を頑張るかを考え

てほしい」と語った。 

        〈加藤〉