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25 横浜市食肉衛生検査所

平 成 25 年 度 事業年 報 - Yokohama...さらに、平成25年10月には我が国において7年ぶりに豚流行性下痢(PED)が発生し、平成 26年3月下旬からは、関東地方でも急激にまん延してきました。これを受け、当市場にお

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平 成 25 年 度

事 業 年 報

横 浜 市 食 肉 衛 生 検 査 所

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はじめに 「食の安全・安心」は、常に注目されていることであり、市民の皆様にとって大変重要

なものです。「食」は人が生活していくうえで必要不可欠であり、私たちの生活をより豊

かにしてくれます。この豊かな食生活を送るための前提となるものが、流通する食品の安

全性です。「食の安全・安心」を確保するためには、様々な法令に基づいた基準を満たし

たもののみが流通され、市民の皆様に提供されることが重要です。 横浜市では食の安全と安心を確保するため、市民の皆様から様々な御意見を伺いながら、

年度ごとに「横浜市食品衛生監視指導計画」を策定しています。平成25年度は、食品に含

まれる放射性物質の検査による安全性の確保、肉の生食及び魚介類による食中毒の防止対

策、ノロウイルスの食中毒・感染症予防対策、食物アレルギー対策を重点に事業を実施し

ました。この中で当所では放射性物質の検査について、引き続きと畜される牛の全頭検査

を行い、安全性の確認を行ってきました。

また、平成25年5月の内閣府食品安全委員会の食品影響評価結果に基づき、厚生労働省

は同年6月に「牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則」を改正し、BSE検査の対象月齢を48

カ月齢超の牛としました。当所においても、7月からは検査対象月齢超の牛を対象とした

スクリーニング検査を実施するとともに、すべての牛の特定危険部位が確実に除去されて

いることを確認し、安全の確保を図っています。

さらに、平成25年10月には我が国において7年ぶりに豚流行性下痢(PED)が発生し、平成

26年3月下旬からは、関東地方でも急激にまん延してきました。これを受け、当市場にお

いても、車両の消毒、踏込消毒槽の増設、豚係留場の消毒の徹底をし、まん延防止に努め

ています。

一方、と畜場における微生物制御が重要視されており、HACCP方式による衛生管理を導入

し製品の安全性をより一層確保していく必要があります。当所におきましては、市場内の

関係者との情報共有や連携を強化し、HACCP導入推進のために尽力してまいります。加えて

本年9月に横浜市中央と畜場等は、マカオ輸出牛肉取扱施設に選定され、今後も安全な食

肉輸出の促進を目指すと共に、流通する食肉の安全確保のため、様々な事業に取り組んで

まいります。

ここに平成25年度事業概要をとりまとめましたので、御高覧いただければ幸いです。

平成26年11月

横浜市食肉衛生検査所

所長 桃井 宏之

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目 次

第1章   総      説

1 沿 革 1

2 概 要 2

第2章   事 業 概 要

1 食肉動物の検査について 4

2 食鳥の検査について 8

3 試験検査について 10

4 特定部位の使用等の許可について 17

5 学会・研修会等の発表 18

6 衛生講習会 18

第3章   調 査 研 究 報 告

1 豚の腎臓の腫瘤 20

2 横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質汚染対策について 21

3 食肉衛生検査所で病理検査を実施した依頼品について

4 食肉衛生検査所における放射線検査への取り組みについて 24

5 食肉衛生検査所における残留農薬等試験法の妥当性評価について 53

6 横浜市食肉衛生検査所における放射性物質検査への取り組みについて 80

7 豚の脾臓の腫瘤

8 横浜市における放射性物質検査の結果を生かした「食の安心・安全」への取り組み 83

参 考 資 料

1 年度別検査頭数〔表1〕

2 年度別検査頭数の推移〔図1〕

3 年度別病畜検査頭数〔表2〕

4 年度別病畜検査頭数の推移〔図2〕

5 月別検査頭数〔表3〕

6 月別検査頭数の推移〔図3〕

7 都道府県別検査頭数表〔表4〕

8 とさつ禁止及び全部廃棄処分獣畜に認められた主要病変〔表5〕

9 器官別検出病変の詳細〔表6〕

10 横浜市食肉衛生検査所平面図  

11 BSE検査室平面図  

12 放射線検査室平面図

13 案内図

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第1章 総 説

1 沿 革

昭和25年 4月 と畜場関連衛生行政、神奈川県から本市に委譲

横浜市中央と畜場(神奈川区山内町)は、神奈川保健所が所管

横浜畜産興業㈱戸塚と畜場は、戸塚保健所が所管

昭和31年 1月 横浜市衛生局公衆衛生課へ移管

昭和32年 2月 横浜畜産興業㈱戸塚と畜場廃止

昭和34年 9月 横浜市中央と畜場廃止

新たに横浜市中央と畜場として、鶴見区大黒町3番53号に開設

昭和35年11月 庁舎(鉄筋コンクリート2階・一部3階建て・延面積380.4㎡)

建設

昭和37年 3月 横浜市食肉衛生検査所設置

昭和54年10月 総合市場ビルが完成し、3階に検査所移転

昭和63年10月 中央卸売市場整備計画に基づく全面改築工事終了

新施設稼働

平成 3年 4月 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律の施行

平成 6年 7月 仲卸棟完成

平成 7年 3月 女子更衣室及び事務室の改築工事終了

平成12年10月 副生物保管用冷蔵庫を増設 平成13年10月 牛海綿状脳症検査開始 平成14年 4月 豚枝肉冷却施設が完成し、冷と体取引開始

平成17年12月 小動物解体室の解体ライン改良工事終了 オンレール稼動

平成21年 1月 大動物解体室の解体ライン改良工事終了 オンレール稼動 大動物内臓処理室改良工事終了

平成21年 4月 小動物検査コーナー改良工事終了 小動物内臓処理室改良工事終了

平成23年 9月 放射線検査室整備

平成23年10月 小動物けい留所改良工事終了

平成24年 7月 食肉衛生検査所ウェブサイト開設

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2 概 要

(1) 名 称 横浜市食肉衛生検査所

(2) 所在地 横浜市鶴見区大黒町3番53号

TEL 045 (511) 5812

FAX 045 (521) 6031

ウェブサイト http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/niku/

(3) 庁 舎 総面積 645㎡

ア 総合市場ビル(鉄筋コンクリート3階建 2,602.4㎡)3階部分 529㎡

所長室、事務室、研修資料図書室、試験検査中央管理室、理化学検査室、

理化学測定室、病理検査室、細菌検査室、分離培養室、洗浄滅菌室、

男子更衣室、女子更衣室、ロビー、倉庫

イ 食肉市場福利厚生棟1階部分 44.5㎡

放射線検査室、特別管理産業廃棄物保管庫

ウ 病畜棟 71.5㎡

病畜検査室、前室、計測室、消毒室、BSE検査室、BSE検査準備室

(4) 機 構

健康福祉局

健康安全部

食肉衛生検査所

(5) 配属職員構成 平成26年3月31日現在

所長

副所長

担当係長

事務室

試験室

衛 生 監 視 員 1

と 畜 検 査 員 1 4 20

臨 床 検 査 技 師 4+ (再任用1)

事 務 1+ (再雇用1)

自 動 車 運 転 手 (再任用1)

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(6) 業務内容

ア と畜場法に基づくと畜検査及びと畜場の衛生指導 (ァ)伝達性海綿状脳症検査実施要綱に基づく、伝達性海綿状脳症スクリーニング検

イ 食品衛生法に基づく次の業務 (ァ)第28条第1項の規定による食肉市場内の営業者等からの報告の徴収、市場内

で取り扱う食品等の監視指導及び収去 (イ)第30条第2項の規定による食肉市場内の監視指導 (ウ)第54条の規定による食肉市場内で取り扱う食品等の廃棄処分及び営業者に

対する食品衛生上の危害を除去するための処置命令

(エ)東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故をうけての、牛全頭の放射性

物質スクリーニング検査

ウ 食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律に基づく申請書類等の受理、許

可調査、監視指導、確認規程の審査等の業務 エ 横浜市食肉衛生検査所条例に基づく次の業務

(ァ)食肉動物、食肉及び食肉動物医薬品についての試験、検査、研究及び調査 (イ)依頼による試験、検査、研究及び調査 オ 牛海綿状脳症対策特別措置法第7条第2項の規定に基づく、牛の特定部位の使用及び焼却免除の許可

(7) 手数料

※ 特に、試験、検査、研究及び調査に使用する材料または手数を要するときの手数料は、実費相当額を徴収します。

手数料

牛 ・ 馬 600円

豚 ・ 子 牛 300円

め ん 羊 ・ 山 羊 150円

病 畜 ・ と 禁 1,500円

300円 H5.7.1改正

試 験 ま た は 検 査 2,000円

研 究 ま た は 調 査 10,000円

19,000円

食鳥処理場の構造または設備変更許可申請手数料

確認規程認定申請手数料

確認規程変更認定申請手数料

10,000円

5,500円

2,300円

※左記の範囲内の額を徴収します

区   分

食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律の規定に基づく手数料

依 頼 検 査 等

諸  証  明

と畜検査手数料

食鳥処理事業許可申請手数料

H18.4.1改正

H9.4.1改正

H6.4.1改正

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第2章 事 業 概 要

1 食肉動物の検査について

(1) と畜検査頭数

平成25年度の総と畜検査頭数は143,938頭です(表1)。

表1 畜種別と畜検査頭数の推移

25年度 24年度 増△減 前年度比

12,696 11,888 808 107%

(14) (15) (△1) 93%

559 1,903 △ 1,344 29%

(4) (2) (2) 200%

0 1 △ 1

(0) (0) (0)

13,255 13,792 △ 537 96%

(18) (17) (1) 106%

9 0 9

(0) (0) (0)

128,766 127,563 1,203 101%

(0) (0) (0)

1,908 2,023 △ 115 94%

(0) (0) (0)

130,674 129,586 1,088 101%

(0) (0) (0)

130,683 129,586 1,097 101%

(0) (0) (0)

143,938 143,378 560 100%

(18) (17) (1) 106%

乳用牛

合計

子牛

中小動物

合計

豚 大貫

畜種

総計

大動物

当才

肉用牛

( )は病畜の検査頭数です。

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(2) と畜場外とさつ

と畜場外とさつ(切迫とさつ)はありませんでした。

(3) と畜検査の結果に基づく処分頭数

とさつ・解体禁止、全部廃棄、一部廃棄のいずれかの処分をした食肉動物の頭数

は122,727頭で、総検査頭数の約85.3%にあたりました。また、処分内

容では畜種にかかわらず大部分を一部廃棄処分が占めていました (表2、3)。

表2 畜種別処分頭数

とさつ・

解体禁止

牛 13,255 8,374 63.2% 0 15 8,359

子牛 9 9 100.0% 0 0 9

豚 130,674 114,344 87.5% 2 83 114,259

合計 143,938 122,727 85.3% 2 98 122,627

全部廃棄 一部廃棄

処分内容

検査頭数

処分数

頭数 百分率

表3 処分頭数の推移

とさつ・

解体禁止

平成23年度 150,400 132,974 88.4 0 130 132,844

平成24年度 143,378 122,958 85.8 0 67 122,891

平成25年度 143,938 122,727 85.3 2 98 122,627

検査頭数

処分数 処分内容

頭数 百分率 全部廃棄 一部廃棄

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(4) 器官別病変百分率

病変の検出を器官別にみると、牛では総病変数15,362件に対し、消化器系

に7,202件(46.9%)、呼吸器系に3,789件(24.7%)、運動器

系に3,124件(20.3%)の順に(図1)、豚では総病変数193,883

件に対し、呼吸器系に138,745件(71.6%)、消化器系に39,426

件(20.3%)、循環器系に7,640件(3.9%)の順に(図2)病変が多

く認められました。

図1 牛における器官別病変百分率

消化器系

46.9%

呼吸器系

24.7%

運動器系

20.3%

泌尿・生殖器系

5.7%

循環器系

1.3%その他

1.1%

総件数

15,362

図2 豚における器官別病変百分率

呼吸器系

71.6%

消化器系

20.3%

循環器系

3.9%

運動器系

2.6%

泌尿・生殖器系

0.9% その他

0.7%

総件数

193,883

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(5) 上位5位病変検出率

検査頭数あたりの病変件数を百分率で示しました。牛では胸膜炎が、次いで肝出

血が多く認められました。豚ではカタル性肺炎が高率に認められ、次いで胸膜炎が

多く認められました(表4)。

表4 畜種別病変検出率(%)上位5位

順位

1 胸膜炎 18.5 胸膜炎 20.4 カタル性肺炎 63.4

2 肝出血 15.7 肺気腫 14.7 胸膜炎 32.1

3 筋肉出血 11.3 肝包膜炎 13.8 肝包膜炎 12.7

4 肝包膜炎 10.9 筋肉出血 13.2 腹膜炎 6.0

5 化膿性肝炎 6.8 肝出血 11.6 心外膜炎 5.5

肉用牛 豚乳用牛

(6) とさつ禁止及び全部廃棄処分頭数

とさつ禁止処分は豚で豚丹毒がみられました。(表5)。

全部廃棄処分は、牛では牛白血病、尿毒症によるもの等がみられました。豚では

敗血症、豚丹毒、高度の水腫によるもの等がみられました。

表5 とさつ禁止及び全部廃棄処分頭数

合計 肉用牛 乳用牛 馬 豚(当才) 豚(大貫)

豚丹毒 2 0 0 0 2 0

合計 2 0 0 0 2 0

牛白血病 5 5 0 0 0 0

白血病 3 0 0 0 3 0

豚丹毒 17 0 0 0 17 0

サルモネラ症 0 0 0 0 0 0

膿毒症 9 1 0 0 5 3

敗血症 38 1 0 0 37 0

尿毒症 6 5 0 0 1 0

高度の黄疸 1 1 0 0 0 0

高度の水腫 14 0 0 0 13 1

腫瘍 4 2 0 0 2 0

中毒諸症 1 0 0 0 1 0

合計 98 15 0 0 79 4

100 15 0 0 81 4

とさつ禁止

総計

病名

全部廃棄

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2 食鳥の検査について

「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」に基づく業務のうち、許可権

限(市長許可)を除く業務所管を食肉衛生検査所とし、関係申請書類等の受理、監

視指導等を実施しました。

(1) 食鳥処理場及び届出食肉販売業者の施設数

施設はすべて年間処理羽数が30万羽以下の認定小規模食鳥処理場であり、現

在20施設あります。また、食肉販売業の許可を受けている者が届出をし、検査

に合格した食鳥とたいを認定小規模食鳥処理業者に販売する届出食肉販売業者

の施設は3施設です。なお、これらの施設に対して延48回の監視指導を実施し

ました。

(2) 食鳥処理衛生管理者数

認定小規模食鳥処理場には、食鳥処理衛生管理者を置くことが義務づけられて

おり、その設置者数は49人です。

(3) 確認状況及び措置

認定小規模食鳥処理場では、食鳥処理衛生管理者が「確認規程」に基づき異常

の有無を確認することが義務づけられています(表1)。

表1 認定小規模食鳥処理場における確認状況及び措置

合計

185,934

185,925

9

全部廃棄 7

一部廃棄 2

不適合に対する措置の内容内訳

確認状況及び措置

異常の有無の確認羽数

基準適合羽数

基準不適合羽数

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(4) 精密検査

残留有害物質の厚生労働省通知と検査所独自に基づくモニタリング検査及び食

中毒原因細菌の検査を実施しました。

残留有害物質検査は食鳥の筋肉及び腎臓について実施し、結果はすべて陰性でし

た(表2)。食中毒原因細菌検査は食鳥の筋肉、食鳥処理施設内器具等及び従業員

の手指について実施しました(表3)。食鳥病理検査は基準不適合な食鳥11羽3

0項目について実施しました。

表2 残留有害物質検査件数

一斉法Ⅰ

抗生物質

テトラサイクリン系

内寄生虫用剤

抗生物質

検査所独自モニタリング検査

筋肉 60 2,700 0 0 240 2,940

筋肉 0 0 0 0 0 0

腎臓 0 0 0 0 0 0

横浜市食品衛生監視指導計画に基づく検査

筋肉 0 0 0 0 0 0

60 2,700 0 0 240 2,940

分  類

検査検体

検査検体数

検査項目

厚生労働省通知に基づくモニタリング検査

総   計 ※ 結果はすべて陰性でした。

表3 食中毒原因細菌検査件数

大腸菌群

大腸菌数

黄色ブドウ球菌

リステリア

サルモネラ

カンピロバクター

O157

腸管出血性大腸菌

O26

腸管出血性大腸菌

O111

腸管出血性大腸菌

腸球菌

バンコマイシン耐性

60 60 60 60 60 60 60 20(1) (1) (13) (25) (0) (0) (0) (14)

79 79 79 79(36) (14) (10) (7)21 21 21 21(7) (1) (2) (2)

総計 160 100 100 160 60 160 60 60 60 60 20 840

0

0 0 0 316

0 0 0 0 84

0

器具等 79 0 0 0

手指・その他

21

440

0

検査検体

検査検体数

検査項目

筋肉 60 0

※( )内は陽性検体数を表します。

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3 試験検査について (1) と畜検査関係

ア 精密検査

生体検査、解体前及び解体後の検査において、と畜場法における全部廃棄の対

象となる重篤な疾病が疑われたものについては検査を保留し、微生物学的、病理

学的、理化学的に精密検査を行います。精密検査の結果と剖検所見に基づき処分

を決定しています。

本年度の検査頭数は125頭でした(表1) 。

表1 疾病別検査件数

検査区分疾病名 微生物検査 病理検査 理化学検査 総 数牛 白 血 病 牛 5 0 151 0 151白 血 病 豚 3 0 81 0 81豚 丹 毒 豚 28 209 0 0 209サ ル モ ネ ラ 症 豚 2 26 0 0 26

牛 3 128 0 0 128豚 24 1,144 0 0 1,144

敗 血 症(非定型抗酸菌症)

豚 31 0 1,383 0 1,383

牛 8 0 0 22 22豚 2 0 0 3 3牛 4 0 0 4 4豚 0 0 0 0 0

高 度 の 水 腫 牛 5 0 0 30 30中 毒 諸 症 豚 3 0 0 150 150

牛 2 0 81 0 81豚 4 0 79 0 79

抗 菌 性 物 質 残 留 牛 1 32 0 183 215125 1,539 1,775 392 3,706合計

検査頭数検査項目数

敗 血 症

尿 毒 症

高 度 の 黄 疸

全 身 性 腫 瘍( 白 血 病 を 除 く )

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イ 牛海綿状脳症(BSE)検査

当検査所では「牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則(厚生労働省令)」によ

りエライザ法によるスクリーニング検査を実施してきました。

平成25年4月1日から6月30日にと畜場に搬入された全ての牛3,434

頭について検査を実施し結果はいずれも陰性でした。

一方、平成25年7月1日からは検査の対象月齢を48か月齢超とし平成26

年3月31日までに312頭について検査を実施し結果はいずれも陰性でした。

表2 月齢別牛頭数

生後21ヶ月齢以上の牛

生後20ヶ月齢以下の牛

合計生後48ヶ月齢超の牛

生後48ヶ月齢以下の牛

合計

4月 1146 85 12315月 1129 50 11796月 989 35 10247月 34 1161 11958月 40 976 10169月 28 985 101310月 31 1071 110211月 60 1235 129512月 46 1337 13831月 18 922 9402月 29 811 8403月 26 1020 1046合計 3264 170 3434 312 9518 9830

25年度(4-6月) 25年度(7-3月)

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(2) 微生物検査関係

ア と畜場内の衛生状況

次の検査を実施し、検査結果を衛生指導に役立てました(表3)。

(ア) 厚生労働省通知(平成9年1月28日、平成9年4月8日)に基づき、枝肉

の生菌数、腸管出血性大腸菌(O157、O26及びO111)、サルモネラの検査を実

施しました。なお、設置者の依頼により大腸菌数の検査を実施しました。

(イ) 厚生労働省通知(平成12年4月10日)に基づき、牛枝肉の生菌数及び大

腸菌群の検査を実施しました。

(ウ) 厚生労働省通知(平成14年4月10日)に基づき、豚枝肉の生菌数及び大

腸菌群の検査を実施しました。

表3 と畜場内の衛生状況調査件数

生菌数

大腸菌数

大腸菌群

サルモネラ

O157

O 26

O 111

枝 肉 265 250 230 250 120 60 60 60 1,030

肝 臓 60 0 0 0 0 60 60 60 180

260 250 230 250 120 0 0 0 850

585 500 460 500 240 120 120 120 2,060

検査項目

総 計

分 類

検査検体

検査検体数

豚枝肉

フキトリ検査

イ 食肉処理施設及び食鳥処理施設の衛生状況

市場内の食肉処理施設4社及び市内の食鳥処理施設において、食肉、食鳥肉及

び施設内の器具類を対象に細菌検査を実施し、検査結果に基づいて衛生指導を行

いました(表4)。

表4 食肉処理施設及び食鳥処理施設の衛生状況調査件数

大腸菌群

大腸菌数

黄色ブドウ球菌

サルモネラ

71 71 71 71(15) (1) (1) (0)4 4 4 4(2) (0) (0) (0)79 79 79 79(36) (14) (10) (7)21 21 21 21(7) (1) (2) (2)

16

食鳥処理施設器具等 79 316

手指・その他 21 84

分類

検査検体

検査検体数

検査項目

食肉処理施設器具等 71 284

手指・その他 4

※( )内は陽性検体数を表します。食鳥処理施設における調査件数は「食鳥の検査について」のページからの再掲です。

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13

ウ 食中毒原因細菌検査

市内の食鳥処理施設から収去した食鳥肉及び市内流通の牛肉と豚肉の食中毒

原因細菌の検査を実施しました (表5)。牛肉と豚肉については、横浜市食品

衛生監視指導計画に基づき、食品専門監視班の収去品の検査を行いました。

表5 食中毒原因細菌検査件数

大腸菌群

黄色ブドウ球菌

リステリア

サルモネラ

カンピロバクター

O157

腸管出血性大腸菌

026

腸管出血性大腸菌

0111

腸管出血性大腸菌

エンテロコリチカ

エルシニア・

腸球菌

バンコマイシン耐性

60 60 60 60 60 60 60 20(1) (1) (13) (25) (0) (0) (0) (14)

25 25 25 25 25 25 25 25(13) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0)

85 25 85 60 85 85 85 85 85 25 20 640

0 2000

筋肉 0

牛、豚

食鳥肉検査

25

440

合計

分類

検査動物

検査検体

検査検体数

検査項目

食品専門監視班収去検査

0

筋肉

鶏 60

( )内は陽性検体数を表します。鶏に関する検査件数は「食鳥の検査について」のページからの再掲です。

エ 調査研究他

牛直腸及び第1胃内容物中の食中毒菌の保菌調査を実施しました。検査室の精

度管理(GLP)に基づき内部・外部精度管理を実施しました(表6)。

表6 保菌調査件数及び精度管理検査件数

検査検体数 検査項目数

直腸内容物 110 440

第1胃内容物 50 200

4 6

16 58

180 704

分  類

牛の保菌調査

外部精度管理

内部精度管理

総  計

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(3) 病理検査関係

一般病理検査は232頭、2,536件実施し、症例を集積し早期診断に役立て

ました(表7)。各種の腫瘍が検出されています(表8)。

表7 病理検査件数

検査項目 検査頭数 検査項目数

合計 232 2,536

一般病理検査 230 2,526

病理依頼検査 2 10

食鳥病理検査 0 0 ※食鳥病理検査に関する検査件数は「食鳥の検査について」のページからの再掲です。

表8 腫瘍が認められた検査頭数 腫瘍名 牛 豚 鶏

白血病 5 4 0

黒色腫 1 8 0

顆粒膜細胞腫 4 1 0

肝細胞癌 0 2 0

子宮平滑筋肉腫 0 1 0

腎芽腫 0 6 0

血管腫 0 1 0

肝細胞腺腫 0 4 0

エナメル上皮腫 1 0 0

腺癌 1 0 0

総計 12 27 0

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(4) 理化学検査関係

ア 残留有害物質検査

厚生労働省通知及び検査所独自に基づくモニタリング検査を、残留有害物質に

ついて実施しました。また、市内流通食肉についても横浜市食品衛生監視指導計

画に基づく収去品検査を行いました(表9)。

本年度の検査において違反と判定された検体はありませんでした。

表9 残留有害物質検査件数

一斉法Ⅰ

抗生物質

テトラサイクリン系

内寄生虫用剤

抗生物質

筋肉 30 1,200 0 0 0 1,200

脂肪 0 0 0 0 0 0

筋肉 10 500 0 0 0 500

脂肪 0 0 0 0 0 0

鶏 筋肉 60 2,700 0 0 240 2,940

筋肉 20 500 30 0 40 570

腎臓 10 0 30 0 40 70

脂肪 10 0 0 40 0 40

筋肉 60 1,350 90 0 120 1,560

腎臓 30 0 90 0 120 210

脂肪 30 0 0 120 0 120

筋肉 0 0 0 0 0 0

腎臓 0 0 0 0 0 0

筋肉 13 650 0 0 0 650

脂肪 13 0 0 52 0 52

筋肉 12 600 0 0 0 600

脂肪 12 0 0 48 0 48

鶏 筋肉 0 0 0 0 0 0

310 7,500 240 260 560 8,560

分  類

検査動物

検査検体

検査検体数

検査項目

検査所独自モニタリング検査

総   計

厚生労働省通知に基づくモニタリング検査

監視班収去

※テトラサイクリン系抗生物質は、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリンの3項目で

す。

※抗生物質の検査対象はペニシリン系、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノグリコシド系抗生物質であり、

検査方法はDisk法によります。※鶏に関する検査件数は「食鳥の検査について」のページからの再掲です。

イ その他

検査室の精度管理(GLP)に基づき内部精度管理を42検体231項目、外部精度管理

を1検体5項目実施しました。

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(5) 放射性物質検査関係

東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質に汚染した

稲ワラを給餌された牛がと畜され、食肉として流通されるという事例が生じました。

このため全国に先がけて平成23年8月8日からと畜場に搬入されたすべての牛

について、放射性物質スクリーニング検査を実施しています。

本年度は、13,264頭の全頭検査を実施しました。ゲルマニウム半導体検出

器を使用しすべて基準値(100Bq/kg)以下でした。

豚についても、85頭の全戸検査を同様に実施し、すべて基準値以下でした。

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4 牛特定部位の使用等の許可について

牛の特定部位については、「牛海綿状脳症対策特別措置法」第7条第2項の規定

に基づき、学術研究等の目的で使用する場合に限り、焼却による処理を免除し、使

用を許可しています。

(1) 使用許可施設数

主な許可施設は大学歯学部、歯科医療関連企業です。

表1 牛の特定部位使用許可状況

特定部位の種類

新規 0施設

更新 5施設

新規 0施設

更新 0施設

提供施設数

延髄

5施設

0施設

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5 学会・研修会等の発表

実施日 学会・研修会名 演  題

平成25年5月23日 第66回 全国食肉衛生検査所協議会 病理研修会 豚の腎臓の腫瘤

平成25年9月6日 全国公衆衛生獣医師協議会調査研究発表会 横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質汚染対策について

食肉衛生検査所で病理検査を実施した依頼品について

食肉衛生検査所における放射線検査への取り組みについて

食肉衛生検査所における残留農薬等試験法の妥当性評価について

平成25年11月25日 第67回 全国食肉衛生検査所協議会 病理研修会 豚の脾臓の腫瘤

平成25年10月4日 第31回 全国食肉衛生検査所協議会 理化学部会 横浜市食肉衛生検査所における放射性物質検査への取り組みについて

平成26年2月23日 平成25年度 日本獣医師会 獣医学術大会年次大会 横浜市における放射線物質検査の結果を生かした「食の安心・安全」への取り組み

平成25年9月26日 第48回 横浜市 保健・医療・福祉 研究発表会

発表内容は第3章を参照して下さい。

6 衛生講習会 実施日 講習会名 講習内容 参加人数

平成25年6月19-22日 食品衛生講習会 内臓業者を対象とした食品の衛生講習会 138人

平成25年6月20、21日 手洗いチェッカー講習会 内臓業者を対象とした食品の衛生講習会 60人

平成25年7月10日 食品衛生講習会 内臓業者を対象とした食品の衛生講習会 6人

平成25年7月24日 衛生講習会 内臓業者を対象とした食品の衛生講習会 60人

平成25年11月28日 食品衛生講習会 内臓業者を対象とした食品の衛生講習会 7人

平成26年1月27日-2月14日 作業衛生責任者資格取得講習会 と畜解体業者を対象とした資格取得講習会 11人

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第3章 調査研究報告

下記のそれぞれの内容に関して研究報告を行いました。発表に用いた抄録、スライド等を次ペ

ージから掲載します。

○平成 25年 5月 23日 第 66回 全国食肉衛生検査所協議会 病理研修会

1 豚の腎臓の腫瘤

○平成 25年 9月 6日 全国公衆衛生獣医師協議会調査研究発表会

2 食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質汚染対策について

○平成 25年 9月 26日 第 48回 横浜市 保健・医療・福祉 研究発表会

3 食肉衛生検査所で病理検査を実施した依頼品について(抄録、スライド等無し)

4 食肉衛生検査所における放射線検査への取り組みについて

5 食肉衛生検査所における残留農薬等試験法の妥当性評価について

○平成 25年 10月 4日 第 31回 全国食肉衛生検査所協議会 理化学部会

6 横浜市食肉衛生検査所における放射性物質検査への取り組みについて

○平成 25年 11月 25 日 第 67回 全国食肉衛生検査所協議会 病理研修会

7 豚の脾臓の腫瘤(抄録、スライド等無し)

○平成 26年 2月 23日 平成 25 年度 日本獣医師会 獣医学術大会年次大会

8 横浜市における放射性物質検査の結果を生かした「食の安心・安全」への取り組

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N o . 2 2 5 9 豚 の 腎 臓 の 腫 瘤

〔 四 反 田 聡 ( 横 浜 市 )〕

症 例 : 豚 , 品 種 不 明 , 性 別 不 明 , 約 6 ヵ 月 齢 .

臨 床 的 事 項 : 著 変 は 認 め ら れ な か っ た .

肉 眼 所 見 : 左 側 腎 臓 に 1 0 × 1 0 × 8 ㎝ の 乳 白 色 腫 瘤 が

認 め ら れ た . 腫 瘤 表 面 に は 血 管 の 走 行 が 認 め ら れ , 健 常 部

と の 境 界 は 不 明 瞭 で あ っ た . 割 す る と , 腫 瘤 は 健 常 部 と 白

色 の 被 膜 で 区 画 さ れ , 周 囲 の 腎 臓 実 質 は 圧 迫 さ れ 菲 薄 化 し ,

一 部 褪 色 し て い た . 腫 瘤 の 割 面 は 著 し く 膨 隆 し , 弾 力 性 を

認 め た . 一 部 に 出 血 , 壊 死 が 認 め ら れ た .

組 織 所 見 : 腫 瘤 は 健 常 部 と 厚 い 結 合 組 織 の 層 に よ り 区 画

さ れ て い た . 腫 瘤 部 で は , 紡 錘 形 の 腫 瘍 細 胞 と 線 維 性 結 合

組 織 が 花 む し ろ 状 や 渦 巻 き 状 に 集 塊 を 形 成 し な が ら 増 殖 し

て い た . さ ら に , 腫 瘍 細 胞 の 走 行 に 対 し て 直 角 に 核 が 並 ん

だ 柵 状 配 列 が 多 数 認 め ら れ た . 腫 瘍 細 胞 は , 好 酸 性 の 細 胞

質 に 富 み , 核 は 大 小 不 同 の 類 円 形 ま た は 紡 錘 形 を 呈 し , 核

分 裂 像 が 多 数 認 め ら れ た . ま た , 腫 瘍 組 織 に は 空 胞 状 を 呈

し 比 較 的 血 管 に 富 ん で い る 部 位 も 認 め ら れ た . こ の 部 位 の

細 胞 も 核 が 大 小 不 同 の 類 円 形 ま た は 短 紡 錘 形 で , 多 数 の 核

分 裂 像 が 認 め ら れ た . 免 疫 染 色 で は , 腫 瘍 細 胞 は ケ ラ チ

ン ・ サ イ ト ケ ラ チ ン 陰 性 , ビ メ ン チ ン 陽 性 , S - 1 0 0 蛋 白 陽

性 , ニ ュ ー ロ フ ィ ラ メ ン ト 陰 性 で あ っ た .

診 断 名 : 悪 性 末 梢 神 経 鞘 腫 瘍

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横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質汚染対策について 横浜市食肉衛生検査所 ○井上 亜希子 平澤 修和 佐藤 和彦 伊藤 志野 鳥飼 孝脩 若林 和則 若林 真樹子 1 はじめに

平成 23 年 3 月 11 日の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により、大気中に放射性物

質が飛散し、暫定規制値を超える多くの農畜水産食品が発見されるなど大きな社会問題となった。牛

肉についても、屋外に保管されていた汚染稲わらを給餌された牛が出荷されたことにより、暫定規制

値を超えた牛肉が市場に流通していたことが発覚した。横浜市中央卸売市場食肉市場でと畜解体され

た牛の中にも、汚染稲わらを給餌されていたものがいたことが判明し、横浜市民の牛肉放射性物質汚

染に対する不安は一気に高まった。このことにより、牛枝肉の販売不振、価格の下落、と畜頭数の大

幅な減少が認められた。 横浜市食肉衛生検査所では牛肉に対する市民の不安を払拭するため、と畜された牛全頭について放射

性セシウムの検査を行っているので、その概要を報告する。 2 横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質検査 横浜市中央卸売市場食肉市場に搬入された牛について、平成 23 年 7 月 26 日から全出荷者を対象と

する全戸検査を開始し、同年 8 月 8 日から全頭検査を開始した。検査方法は、検査開始当初は牛肉中

の放射性セシウムスクリーニング法 [1] で行っていたが、食品中の放射性セシウムスクリーニング法 [2] に改められた以降は、それにより実施している。

検査機器は検査開始当初は NaI シンチレーションサーベイメータ、同年 9 月から NaI シンチレーシ

ョンスペクトロメータ、平成 24 年 4 月からゲルマニウム半導体検出器を使用している。 検査材料は、牛枝肉検査の直前にと畜検査員が頸部より採材し、脂肪を除去した後、食肉販売店等で

使用されている業務用のミートチョッパーを用い細切・均一化したものを用いており、検体量は検査

機器の変更にともない、2,000g(2ℓマリネリ容器)、630g(V5 タッパー)、1,500g(1.5ℓマリネ

リ容器)、1,000g(1ℓマリネリ容器)と変更している。 スクリーニングレベルについては、平成 24 年 3 月までは「肉・卵・魚・その他」の放射性セシウム

の暫定規制値 500Bq/kg の 1/2 である 250Bq/kg としており、それを超過した場合は横浜市衛生研究所

のゲルマニウム半導体検出器による確定検査を実施することとしていた。平成 24 年 4 月以降は、食肉

衛生検査所にゲルマニウム半導体検出器が導入されたため、スクリーニングレベルを一般食品のセシ

ウム基準値である 100Bq/kg の 1/2 である 50Bq/kg に改め、それを超過した場合は、食品中の放射性

物質の試験法 [3]により当所で確定検査を実施する体制が整えられた。 検査時間は検査当初から、1頭あたり約 3 分で実施しており、検査材料である牛頸部筋肉の前処理

等を含め、1日で 100 頭以上の検査が可能である。

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3 放射性物質の検査結果を活かした「食の安心・安全」への取り組み (1)検査済証の発行

本検査所では、平成 23 年 7 月 26 日の全戸検査開始時からスクリーニング検査に合格したすべて の牛について、検査所長名による「検査済証」を検査個体ごとに発行している。

(2)横浜市の web サイト「食の安全ヨコハマ WEB」での啓発

横浜市の web サイトである「食の安全ヨコハマ WEB」において、当検査所でのスクリーニング検

査の結果をと畜日ごとに公開している。

また、平成 23 年度及び平成 24 年度の「食品衛生監視指導計画実施結果」において、重点的に実

施した事業の第 1 項目に放射線の対策事業を挙げ、横浜市での対策の経過や食品中の放射性物質の

検査状況、暫定規制値超過事例についてまとめており、さらに平成 25 年度の監視指導計画において

も牛肉の全頭検査など各種食品の放射性物質検査を継続し迅速に検査結果を公表することを特色の

第 1 としており、市民の「食品の放射能汚染に対する不安」の払拭に努めている。

(3)市内で行われるキャンペーン等における放射性物質検査の PR 活動

区役所の食品衛生係や関連部局の他、横浜市食品衛生

協会等と連携して、市内の大型店や駅、市庁舎前など、

多くの人が集まる場所で行われる食中毒予防キャンペ

ーンや食育推進全国大会会場等で、放射性物質検査の

パネル展示・検査所職員による放射性物質検査につい

ての解説をおこなうなど、牛肉の安全性PRを行って

いる。

4 効果と課題 (1)効果 平成 23 年 7 月から平成 25 年 3 月までに約 2 万 2000 頭を対象に検査を実施した。結果は平成 24

年 3 月までのものはすべて暫定規制値未満、同年 4 月から平成 25 年 5 月までのものは新基準値の測

定下限値である 25Bq/kg 未満であった。また以前は確定検査を横浜市衛生研究所で行うこととして

いたため、確定検査終了までには数日を要していたが、ゲルマニウム半導体検出器導入以降は食肉衛

生検査所の確定検査が可能となり、検査終了までの時間を大幅に短縮することができ、より迅速な対

応ができるようになった。 全頭検査開始から約 2 年が経過した現在、牛枝肉の価格は回復傾向にある。

(2)今後の課題 横浜市では毎年食品の安全に関するアンケート調査を実施しており、その中で「食の安全につい

て関心のあることは何ですか?(複数回答可)」という設問を設定している。震災前のアンケート結

果では、食品の放射能染は項目として設定されておらず、設定項目以外の「その他」に含まれるもの

と考えると回答全体の 1%にも満たなかった。しかし震災後の平成 23 年度の調査では 11.5%と食中

毒に次いで 2 位となっており、関心の高まりがうかがえた。 翌年の平成 24 年度の調査結果では 8.7%で第 6 位と、割合の減少及び順位の低下が認められた。

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横浜市では食品の放射性物質汚染に迅速に対応しており、また全国的にも基準値超過事例が減少した

ため、市民の不安が軽減されたのではないかと推察される。 当所の放射性物質検査では、これまでに違反事例はない。全国的に見ても 100Bq/kg を超える事

例は平成 24 年度は約 16 万件の検査検体中 6 件と非常に少なく、畜産現場における飼料の安全管理

が有効に実施されていることがうかがえる。 食品全般の安全性に対する市民の関心は高く、当所では「牛肉を含む食品の放射能汚染に対する

不安」を払拭すべく全頭検査を継続しているが、今後は全国の検査結果や市民ニーズを考慮し、全頭

検査の見直しを行う必要が生ずる可能性があると考える。 引用文献 〔1〕厚生労働省事務連絡「牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法について」.平成 23 年 7 月 29 日:

最終改正 平成 23 年9月7日. 〔2〕厚生労働省事務連絡「食品中の放射性セシウムスクリーニング法について」.平成 23 年 10 月4日:

最終改正 平成 24 年3月1日. 〔3〕厚生労働省通知「食品中の放射性物質の試験法について」.平成 24 年 3 月 15 日食安発 031

5 第 4 号.

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食肉衛生検査所における放射線検査への取り組みについて

健康安全部 食肉衛生検査所 若林 和訓

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1:放射線検査の開始と経過

2:15カ月間のデータ統計

(平成24年4月~平成25年6月)

(検査の信頼性及び結果と傾向)

3:食肉衛生検査所における

放射線検査の結果

目次

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放射線検査の開始と経過

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平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、福島第1原子力発電所で爆発事故が発生し、放射性物質が広範囲に飛散した

その影響は市民の生活環境のみならず、農畜水産物に及び、同年7月8日には東京都芝浦市場にてと畜された牛で放射性セシウムの暫定規制値超過が発見された。それを受け、横浜市食肉衛生検査所では同年7月19日からNaIシンチレーション式サーベイメーターを用いた検査を開始した

なお、上記牛における超過の原因は爆発事故時に屋外で管理されていた稲わらを飼料として給餌したことによると類推された

開始

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スクリーニングレベル超過

検査の流れ

食 品

合 格 不合格

確定検査

スクリーニング検査

スクリーニングレベル以下

基準値以下 基準値超過

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検査方法(前処理)

ビニール袋×2

A

B 検体量A:300mLB:700mL

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H23年7月19日からNaIシンチレーション式サーベイメーターによる検査を開始(福島県及び近隣6県、全戸、V5タッパー容器、検体量630mL)

⇒H23年7月19日検査にてスクリーニングレベル超過→衛生研究所にて確定検査の結果368Bq/kg

H23年7月26日から同検出器により全県全戸検査開始(8/4よりマリネリ容器、検体量2L)

H23年8月8日から同検出器により全頭検査開始 ⇒H23年9月1日検査にてスクリーニングレベル超過

→衛生研究所にて確定検査の結果290Bq/Kg H23年9月14日からNaIシンチレーション式スペクトロメーターによる

全頭検査開始(V5タッパー容器、検体量630mL) H24年4月11日からゲルマニウム半導体検出器を導入して全頭検査開始

(マリネリ容器、検体量1.5L) H24年7月30日より検体量を1Lに変更、現在に至る

(Ge半導体検出器によるスクリーニング検査を実施している自治体は横浜市のみと思われる)

検査結果経過

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食品群 暫定規制値 食品群 基準値

飲料水 200 飲料水 10

牛乳・乳製品 200 ⇒ 牛乳 50

野菜類

500 一般食品 100穀類

肉・卵・魚・その他

乳児用食品 50

暫定規制値から基準値へ

<平成24年3月31日まで> <平成24年4月1日から>(単位:ベクレル/kg) (単位:ベクレル/kg)

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放射性セシウム

Cs134: 2.0648年

Cs137: 30.17 年

2011年3月12日に飛散した放射性セシウム → 2013年4月1日時点

Cs134 100 → 50.12

Cs137 100 → 95.38

和 200 → 145.50

物理学的半減期

不安定

不安定

安定

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物理学的半減期(Cs134とCs137)

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物理学的半減期(Cs和)

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セシウムは体内ではカリウムと同様の動態をする

一度体内に取り込まれてもカリウムと同様に体外に排泄されるので、物理学的半減期より相当はやく半減期を迎える

若い方がカリウムの代謝は早いからか

生物学的半減期

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農水省他通知「放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について」

暫定許容値は水分含有量80%で100Bq/kg 平成24年2月に日本草地畜産種子協会が公表した推計方法によると、牛が暫定許容値の牧草を1日20kgずつ摂取すると、60日間で体内のセシウム濃度は生物学的半減期を考慮した平衡状態に達し、76Bq/kgとなる

同協会が同様に推計したところ、暫定許容値の生牧草をサイレージ(水分量65%)にし、それを牛が1日10kgずつ摂取すると60日間で平衡状態に達し、69Bq/kgとなる※サイレージ:青刈りした牧草をサイロなどで発酵させたもの

飼料としての牧草

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アナログ温度計で例えると、一番下の目盛

目盛より低い温度は正確ではない

図のように一番下の目盛が0℃なら、0℃より高い温度は判るけれど、低い温度は保証されない

N.D :不検出(not detected) L.T.D:不検出(less than detectable ) 温度計によって一番下の目盛りは違う

=機械によって検出限界が違う

検出限界とは

L.T.D

N.D

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A「 0℃から測れる温度計」と

B「40℃から測れる温度計」と

C「90℃から測れる温度計」があるとして、

①100℃の湯の温度はAとBとCどれでもわかる

② 50℃の湯の温度はAとBしかわからない

③ 10℃の水の温度はAしかわからない

価格は Aは1500円

Bは 150円

Cは 50円

検査の質

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Aに当たるのがゲルマニウム半導体検出器

Bに当たるのがシンチレーション式スペクトロメータ

Cに当たるのがシンチレーション式サーベイメータ

Aは約1500万

Bは約 150万

Cは約 50万

実際の放射線測定器

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ゲルマニウム検出器は値段が高いけれど低濃度の放射性セシウムでも検出できる

シンチレーション式サーベイメータは値段が安いけれど高濃度の放射性セシウムでないと検出できない

シンチレーション式スペクトロメータは両者の中間の価格と性能

実際の放射線測定器2

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15ヶ月間のデータ統計(平成24年4月~平成25年6月)

(検査の信頼性及び結果と傾向)

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平成24年3月1日付厚生労働省事務連絡「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」に基づく検査要件を満たしている

検査を開始する前に「測定値既知の検体:25Bq/kg」を複数回測定し、解析結果が不検出とならないことを確認した

〈今回これまでの検出限界の和をまとめ、割合で評価した(表1)〉

検査開始後2週間目と今回、スクリーニング検査結果と、長時間かけて精密測定した結果の比較を行い、やや正の相関(r2=0.671)を認めた(表2)

95%の割合でスクリーニング検査結果の方が精密測定結果より高く解析された(表2、3)⇒安全性↑

180秒スクリーニング検査の信頼性

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表1180秒スクリーニング検査における検出限界

(セシウム134と137の和)

0.00%

5.00%

10.00%

15.00%

20.00%

25.00%

4.5<X≦

5

5<X≦

5.5

5.5<X≦

6

6<X≦

6.5

6.5<X≦

7

7<X≦

7.5

7.5<X≦

8

8<X≦

8.5

8.5<X≦

9

9<X≦

9.5

9.5<X≦

10

10<X≦

10.5

10.5<X≦

11

11<X≦

11.5

11.5<X≦

12

12<X≦

12.5

12.5<X≦

13

13<X≦

13.5

13.5<X≦

14

14<X≦

14.5

14.5<X≦

15

15<X≦

15.5

15.5<X≦

16

16.5<X≦

17

17<X≦

17.5

1.5LCs和 1LCs和

最大値 最大値

Bq/kg

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検体量と測定時間による核種別検出限界

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表2

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表3

180秒スクリーニング検査 精密測定

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某農場の検体は微量ながら放射性セシウムが含まれていることが多い

某日の精密測定(放射性セシウムの和)

牛頚肉: 9.25 Bq/kg牛腎臓:12.83 Bq/kg牛脂肪: 0.326Bq/kg

別の日の精密測定(放射性セシウムの和)

牛頚肉: 6.5 Bq/kg牛肝臓: 4.27 Bq/kg

(体内動態はカリウムに準じるためか)

筋肉、腎臓、脂肪、肝臓

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平成24年4月11日~平成25年6月30日

検査頭数:16865頭

うちCs134、137の和が25Bq/kg以上:0頭

180秒検査結果;両方N.D :16688頭(98.95%)

;いずれか又は両方L.T.D: 104頭(0.62%)

;いずれか又は両方数値: 73頭(0.43%)

ゲルマニウム半導体検出器によるスクリーニング検査結果(牛)

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スクリーニング検査反応頭数

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スクリーニング検査頭数と反応頭数(月別)

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市場出荷者を対象に戸別検査を行った(2000秒)

オールインオールアウトの関係で半年ごとに検査する予定

※オールインオールアウト

:豚の出荷は通常生後半年程度であり、同一豚舎の飼育豚を同時期に

全て出荷し、徹底的に掃除をしてから新しい子豚の飼育を開始する方法

平成24年5~6月

43件:28件で不検出

10件でいずれか又は両方がL.T.D⇒結果としては不検出

5件で検出(最高0.933Bq/kg) 平成25年2月

42件:39件で不検出

3件でいずれか又は両方がL.T.D⇒結果としては不検出

ゲルマニウム半導体検出器による確定検査結果(豚)

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牛肉

ゲルマニウム半導体検出器を用いたスクリーニング検査要件

:180秒測定条件下で充分

ゲルマニウム半導体検出器を用いたスクリーニング検査結果

:全頭検査ですべて不検出

横浜市場発牛肉:安全

豚肉

ゲルマニウム半導体検出器を用いた戸別確定検査結果

:平成24年度に2回行ったが基準値超過なし

横浜市場発豚肉:安全

まとめ

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食肉衛生検査所における 残留農薬等試験法の妥当性評価

について

健康福祉局 健康安全部 食肉衛生検査所

若林 真樹子

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①保留検査(精密検査)

根拠法令:と畜場法

高度の水腫・黄疸・尿毒症・中毒諸症

②収去検査

根拠法令:食品衛生法、

食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法

律 (食鳥処理法)

収去検体:牛・豚・鶏(筋肉、脂肪、腎臓)

→各薬剤の貯留しやすい部位

理化学検査室で行っている業務

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∗ 動物用医薬品(抗菌性物質等)

収去検査

残留基準値超過 基準値以下

行政処分

収去検査を行う目的

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・HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅰ(畜水産物)

一斉法Ⅰ 50薬剤(ペニシリン系・エリスロマイシン・ワルファリン 等)

・オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン及びテト

ラサイクリン試験法(畜水産物)

TC系 3薬剤

・イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチン及びモキ

シデクチン試験法(畜水産物)

IVM系 4薬剤

収去検査で検査している試験法・薬剤

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各試験法について

∗ 試験法と検査対象との組み合わせ

∗ これらの各試験法が適正に運用されていなければならない

試験法 検査対象 薬剤数 動物種

一斉法Ⅰ 筋肉 50 牛・豚・鶏

TC系 筋肉・腎臓 3 牛・豚・鶏

IVM系 筋肉・脂肪 4 牛・豚

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各試験法が適正に運用されていなければならない。

検査結果には信頼性がなくてはならない。

個人 内部精度管理・外部精度管理

理化学検査室 妥当性評価試験

試験法の精度管理

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∗ 各試験機関が日常的な試験を通じて得る結果が、食品衛生法に定められている規格基準への適合性を判断するための根拠として妥当であることを確認、評価すること。 (厚生労働省医薬食品局食品安全部長発『平成19年11月15日付け食安発第1115001号通知』による)

つまり、各検査所で行う試験法が、正しく行われているかどうかを検証・評価し、適当でない場合は、該当の試験法では、検査が無効となること。

妥当性評価とは

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∗ 妥当性評価試験を行う期限

平成25年12月13日(現在運用している試験法)

∗ 評価を行う試験法

現在収去検査で運用している試験法の全て

所定の条件を満たさない検査薬品は、試験法から除かな

ければならない

∗ 評価を行った試験法の結果は保存しておき、その開示請求があった場合に対応可能としておく

妥当性評価を行うにあたって

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以下は、「食品中に残留する試験法の妥当性評価ガイドライン」に基づく

ブランク試料(妥当性を評価する対象である医薬品等を含まない試料)に、標準物質(試験対象の医薬品等)を添加し、妥当性を評価する試験法に従って回収試験を行い、その結果が、以下の項目の目標値(条件)に適合しているかを確認する。

1選択性 2真度 3精度(併行精度・室内精度)

条件は、

通知ガイドライン食安発1224第1号4の(3)表3 (下表)を満たすこと

※評価する全検体がこの条件を満たさなければならない。

妥当性評価の考え方

濃度 (ppm) 真度 (%) 併行精度 (RSD%) 室内精度 (RSD%)

≦0.001 70~120 30 > 35 >

0.001<~≦0.01 70~120 25 > 30 >

0.01<~≦0.1 70~120 15 > 20 >

0.1< 70~120 10 > 15 >

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1選択性

ブランク試料に、評価する薬剤が含まれていない

ことの確認

2真度

回収率(試料に添加した薬剤を、どれだけ正確に試料か

ら取り出せるか)

3精度(併行精度・室内精度)

試験結果のばらつき

併行精度:試行回数間でのばらつき

室内精度:日間や検査員間でのばらつき

ばらつきが小さいほど、精度は高くなる

用語の説明

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Ex)BさんとCさんが、同じ試料を3個に分けて(①~③)、それぞれ

に薬剤Aを1ppmずつ添加し、試験を行った結果、回収率が以下のよ

うになった。

Bさん:①110% ②90% ③70% 回収率平均値:90%

Cさん:①100% ②90% ③80% 回収率平均値:90%

平均値はどっちも同じ

しかし、BさんとCさんのばらつきを比較してみると…

Bさん

70 90 110(%)

ばらつきが小さい

Cさん のはCさん

70 80 90 100 110 (%)

従って、精度の高い検査を行ったのはCさん

精度の説明

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妥当性評価の実際 ∗ 食肉衛生検査所で現在検査している試験法

∗ HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅰ

∗ TC系(オキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリンおよびテトラサイク

リン)

∗ IVM系(イベルメクチン、エプリノメクチン、ドラメクチンおよびモキシデク

チン)

∗ 今回は、現在行っている試験法のうち、『HPLCによる動物用医薬品等の一斉試験法Ⅰ(畜水産物)』(一斉法Ⅰ)に関して妥当性評価試験を行いましたので、報告します。

∗ 検査対象:筋肉

∗ 動物種:牛

∗ 対象薬剤:50種類

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実施計画

標準品添加サンプル 5検体

ブランク(空試験) 1検体 合計

肉ブランク 1検体 8検体 ×5日間

マトリックス検量線用 1検体

標準品添加サンプル 1日5検体(5併行)

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目

25検体から、選択性、真度、併行精度、室内精度を算出する。

これら全ての検体が所定の条件を満たしているか確認する。

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添加濃度について ∗ 一斉法Ⅰについて

基準値があるものは、その濃度を添加する。

(多くのものは一律基準値0.01ppmを添加する。)

基準値が不検出のものは、一律基準値0.01ppmを添加する。

ガイドラインでは…

基準値 添加濃度

不検出 定量限界(検出限界)

不検出以外

基準値

※ただし一斉試験法の場合は

「各濃度等の基準値に近い一定の濃度」

及び、一律基準も2濃度とすることもできる。

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一斉法Ⅰに関する妥当性評価の手順

∗ 前処理 標準品添加試料5g

アセトニトリル50ml

アセトニトリル飽和ヘキサン20ml

無水硫酸ナトリウム10g

ホモジナイズ、振とう、遠心分離、ヘキサン除去、

アセトニトリル層濃縮乾固

残留物

アセトニトリル:水(4:6)1ml

アセトニトリル飽和ヘキサン0.5ml

振とう、遠心分離

アセトニトリル層

ろ過

LC/MS/MS測定

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結果 薬剤名ポジ

添加量(μg/g)

選択性 真度 併行精度 室内精度 判定備考

不足検体数

エトパベート 0.01 ○ ○ 5.315128 10.4232 ○エリスロマイシン 0.05 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×エンロフロキサシン 0.05 ○ ○ 5.723723 10.12329 ○オキソリン酸 0.1 ○ ○ 7.535799 12.89013 ○オフロキサシン 0.01 ○ ○ 6.637314 12.7869 ○オルメトプリム 0.1 ○ ○ 5.669629 7.088736 ○キシラジン 0.1 ○ ○ 7.641911 9.042134 ○クマテトラリル 0.05 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×サラフロキサシン 0.05 ○ × #DIV/0! #DIV/0! × 試薬期限切の為ジアベリジン 0.05 ○ ○ 7.404805 10.34753 ○ジフラゾン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×シプロフロキサシン 0.01 ○ ○ 6.78996 16.41645 ○スルファキノキサリン 0.1 ○ ○ 6.20224 9.980821 ○スルファクロルピリダジン 0.1 ○ ○ 9.17487 12.02402 ○スルファジアジン 0.1 ○ ○ 5.537754 10.46366 ○スルファジミジン 0.10 ○ ○ 6.470404 9.905473 ○スルファジメトキシン 0.05 ○ ○ 8.196792 11.98516 ○スルファドキシン 0.1 ○ ○ 6.831293 11.31649 ○スルファメトキサゾール 0.01 ○ ○ 8.303952 9.285996 ○スルファメトキシピリダジン 0.01 ○ ○ 7.631804 11.6381 ○スルファメラジン 0.1 ○ ○ 5.884216 9.957128 ○スルファモイルダプソン 0.01 ○ ○ 8.39184 9.740975 ○スルファモノメトキシン 0.01 ○ ○ 12.83607 14.30098 ○セファゾリン 0.05 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×ダノフロキサシン 0.20 ○ ○ 9.970177 10.25707 ○チルミコシン 0.1 ○ ○ 6.226901 12.98593 ○デキサメタゾン 0.04 ○ ○ 8.101586 9.944446 ○トリメトプリム 0.05 ○ ○ 3.758386 7.671408 ○ナリジクス酸 0.03 ○ ○ 5.5729 6.033941 ○ピランテル 0.01 ○ ○ 8.807081 10.99647 ○ピリメタミン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! × 試薬期限切の為フルニキシン 0.02 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×フルベンダゾール 0.02 ○ ○ 2.933676 10.45968 ○ベンジルペニシリン 0.05 ○ ○ 3.713179 10.43109 ○ミロサマイシン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! × 試薬期限切の為メチルプレドニゾロン 0.01 ○ ○ 6.384221 8.334706 ○モランテル 0.3 ○ ○ 8.36451 10.64761 ○リンコマイシン 0.2 ○ ○ 5.589887 7.255652 ○レバミゾール 0.01 ○ ○ 7.429792 14.00999 ○ロベニジン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×ワルファリン 0.001 ○ ○ 3.929314 5.688958 ○

○ 33

薬剤名ネガクロルスロン 0.08 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×ジクラズリル 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×スルファニトラン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×セフロキシム 0.02 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×チアンフェニコール 0.02 ○ ○ 12.1418 13.28836 ○トルフェナム酸 0.05 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×ナイカルバジン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×ブロマジオロン 0.01 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×フロルフェニコール 0.20 ○ × #DIV/0! #DIV/0! ×

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結果 ∗ 50薬剤中33薬剤は所定の条件を満たした。

∗しかし、17薬剤については所定の条件を満たせなかった。

再検討の必要性

∵条件を満たせない薬剤は、検査ができなく

なってしまう

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妥当性評価での問題点 ∗ 結果について

・所定の条件を満たせないものは、その検査項目を削除

しなければならない

年間検査項目数の減少

∗ と畜検査やBSE検査、放射能検査等の合間をぬって、妥当性評価の再検討を行わなければならない。

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妥当性評価での問題点 ∗ 時間がかかる

・一斉法Ⅰの検体前処理 に 約半日

・一斉法Ⅰの検体分析・解析に 約一日半

・TC系 の検体前処理 に 約半日

・TC系 の検体分析・解析に 約半日

・IVM系 の検体前処理 に 約二日

・IVM系 の検体分析・解析に 約半日

と畜検査等の関係上、午前中から処理できるとは限らないため、時間の制約がある

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妥当性評価での問題点 ∗ お金がかかる

3つの試験法合計

標準品 約89万円

前処理試薬・消耗品(器具系) 約75万円

妥当性評価にかかる総額 約164万円

∗ 手間がかかる

分析機器の更新の度に、妥当性評価の再検討が必要となる

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今後の妥当性評価の課題

∗ 自由度4以上を満たす精度であれば、1日の併行数を減らすことができる。(現在5併行→2併行)

∗ 現行の妥当性評価についてのSOP改正

∗ 回収率向上のための検討

∗ TC系、IVM系薬剤の検討

9 月:TC系薬剤の妥当性評価

一斉法Ⅰの妥当性評価(再検討)

10月:IVM系薬剤の妥当性評価

11月:妥当性評価全体を通して、データ等まとめ

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用語の定義

1)選択性

試料中に存在すると考えられる物質の存在下で、分析対象

物を正確に測定する能力

→ブランク試料に試験対象薬剤が入っていないことの確認

ブランク 薬剤添加試料

ブランク試料を試験法に従って試験し、定量を妨害するピークがないことを確認する。

定量限界と基準値の関係 妨害ピークの許容範囲

定量限界≦基準値1/3 <基準値濃度に相当するピークの1/10

定量限界>基準値1/3 <定量限界濃度に相当するピークの1/3

不検出 <定量限界濃度に相当するピークの1/3

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用語の定義

2)真度(回収率)

十分多数の試験結果から得た平均値と承認された標準値 (添加濃度)との一致の程度

→試料に添加した標準物質の濃度が、どれだけ正確に回

収できるか

Ex)肉に、薬剤Aを1ppm添加し、試験法に基づき試験を行う

・Aの測定値が1ppm =回収率100% これが理想

・Aの測定値が0.8ppm=回収率80% 試験法によるロス等で減少

*妥当性評価においての真度の目標値: 70~120%

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3)精度

∗ 併行精度

同一と見なされる試料の測定において、同一の方法を用いて、同一の

試験室で、同一の実施者が、同一の装置を用いて、短時間のうちに独

立した試験結果を得る条件(併行条件)による測定結果の精度

→一日で行う複数の検査の試験結果のばらつき

∗ 室内精度 同一と見なされる試料の測定において、同一の方法を用いて、同一の

試験室で、独立した試験結果を得る条件(室内条件)による測定結果

の精度

→複数の実施日で行う試験結果のばらつき

※ばらつきが少ないほど、試験の精度は高くなる

用語の定義

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3)精度

添加試料の試験を繰り返し、得られた試験結果の標準偏差及び相対標準偏差を求め、併行精度及び複数の実施者又は実施日による室内精度を評価する。

試験の繰り返し回数は自由度が4以上となるようにする。

目標値は下表の通りとする。

用語の定義

濃度 (ppm) 真度 (%) 併行精度 (RSD%) 室内精度 (RSD%)

≦0.001 70~120 30 > 35 >

0.001<~≦0.01 70~120 25 > 30 >

0.01<~≦0.1 70~120 15 > 20 >

0.1< 70~120 10 > 15 >

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4)定量限界

適切な正確さをもって定量できる分析対象物の最低量又は濃度

ガイドラインの改正による定義

「施行通知」に示された当該農薬等の検出限界を妥当性評価ガイドラインに示す定量限界とする運用をもって、試験法の妥当性の確認を行うこととした。

Ex)右の温度計が-30~100℃測定できるとする

定量限界:-30℃

検出限界 : -40℃

-30℃以下は目盛上測れるが、

測定値が保証されない。

用語の定義

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HPLC:高速液体クロマトグラフィー

LC/MS/MS:液体クロマトグラフィーと質量分析計

用語の定義

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( )横浜市食肉衛生検査所における放射性物質検査への取り組みについて

横浜市食肉衛生検査所 ○若林和訓 平澤修和 佐藤和彦 石山有希 伊藤志野 井上亜希子 鳥飼孝脩 若林真樹子

はじめに 平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、福島第1原子力発電所で爆発事故が発生し、

放射性物質が広範囲に飛散した。その影響で、牛肉等から当時の放射性セシウムの暫定規制値及びそ

の後定められた基準値を超過する事例も報告された。これらをうけ、横浜市では食肉衛生検査所にゲ

ルマニウム半導体検出器等を導入し、〔1〕厚労省事務連絡に基づく放射性物質のスクリーニング検査

及び確定検査を行っている。今回、ゲルマニウム半導体検出器による牛肉のスクリーニング検査開始

から 1 年が経過し、若干の知見を得たので報告する。

材料及び方法 1 材料

牛:平成 23 年 7 月 19 日より横浜市中央卸売市場食肉市場に搬入された牛の頚部筋肉又は肉 豚:平成 24 年 5 月と 6 月及び平成 25 年 2 月に横浜市中央卸売市場食肉市場に搬入された豚の肉

平成 24 年 4 月 1 日より〔2〕改正事務連絡に基づき一般食品として筋肉と脂肪の混合である肉と

して検査することが可能であるが、〔1〕改正前の事務連絡と〔3〕南谷らの、脂肪に含まれる放

射性セシウムは筋肉に比べて低い、という報告等を受け、当検査所では可能な限り脂肪を除去し

た肉を材料としている。 2 方法 前処理:牛:と畜解体中の牛の左右頚部から必要検体量をやや多めに採材し、ミートチョッパーで

ミンチにする。充填する際は、V5 タッパー容器で測定する時はビニール袋を内袋と

して用いる。マリネリ容器で測定する時はビニール袋 2 枚を内袋として用いる。 豚:と畜検査後の収去検体からなるべく筋肉部位を包丁で切りだし、1~2 ㎝角にする。マ

リネリ容器にビニール袋 2 枚を内袋として充填する。 機器:平成 23 年 7 月 19 日~平成 23 年 9 月 13 日 NaI シンチレーション式サーベイメーター(日立アロカメディカル:TCS172B) 平成 23 年 9 月 14 日~平成 24 年 4 月 10 日

NaI シンチレーション式スペクトロメーター(Berkeley Nucleonics Corporation:940-3G) 平成 24 年 4 月 11 日~現在 ゲルマニウム半導体検出器(ORTEC:GEM25-70)

検体量及び測定容器:平成 23 年 7 月 19 日~平成 23 年 8 月 3 日:630mL(V5 タッパー容器) 平成 23 年 8 月 4 日~平成 23 年 9 月 13 日:2L(マリネリ容器)

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平成 23 年 9 月 14 日~平成 24 年 4 月 10 日:630mL(V5 タッパー容器) 平成 24 年 4 月 11 日~平成 24 年 7 月 27 日:1.5L(マリネリ容器) 平成 24 年 7 月 30 日~平成 25 年 8 月現在:1L(マリネリ容器)

成績

1 ゲルマニウム半導体検出器によるスクリーニング検査の信頼性 スクリーニング検査時間の設定:処理頭数(1日最大 120 頭と設定)から逆算して、1 検体 180 秒

と仮に設定し、検体を複数回測定してこの場合のゲルマニウム半

導体検出器のソフトウェア解析による Cs134 と Cs137 の検出限

界の和が最大 11Bq/kg と 25Bq/kg を大きく下回っていることを

確認した(検体量 1.5L)。検体量を 1L に変更する際も再度確認

し、検出限界の和が最大 15.1Bq/kg と 25Bq/kg を大きく下回って

いることを確認した。 平成 24 年 4 月 11 日から平成 25 年 6 月 30 日までの検査におけ

る検出限界をまとめ、割合で評価したものを表 1 とした。 測定下限値、スクリーニングレベルの確認:検査開始前に〔2〕事務連絡に従い、要件を満たした。

よって、180 秒で検査している。 測定下限値の予備力:放射性セシウムが測定下限値と同等に含まれる濃度既知の検体を 180 秒で複

数回測定し、ソフトウェア解析の結果が不検出とならないことを確認した。 スクリーニング検査(180 秒)と精密測定(2000 秒もしくは 4000 秒)の差異の確認

:同一検体を両方の方法で測定し比較した結果、やや正の相関(r2=0.671)と 95%の割

合でスクリーニング検査の方が放射性セシウムの値が高く解析されることを確認した

(表 2)。

2 横浜市食肉衛生検査所における牛肉のスクリーニング検査及び豚肉の確定検査結果 牛:平成 24 年 4 月 11 日から平成 25 年 6 月 30 日までにのべ 16,865 頭検査し、測定下限値である

表1 Cs134とCs137の検出限界の和(Bq/kg) 表 2 Cs134 または Cs137 の核種別結果の比較

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25Bq/kg を超過した検体はなかった。 豚:平成 24 年 5~6 月と平成 25 年 2 月の 2 回、それぞれ 43 戸と 42 戸から出荷された豚について

1 頭ずつ確定検査を行い、基準値を超過した検体はなかった

考察 過去の違反事例とその状況及びその件数を考慮すると、食肉衛生検査所における放射性物質検査の

対象となるのは主に牛であり、豚や鶏に比べてその重要度は高いものである。横浜市食肉衛生検査所

では早い時期にゲルマニウム半導体検出器を入手できたことに伴い、それを用いたスクリーニング検

査の体制を整え、現在も全頭検査を継続中である。 これまでスクリーニングレベルや、検査法で定めた測定下限値を超過した検体はなかったが、調査

研究として、全出荷者ごとに一部検体を改めて精密測定(2000 秒以上)を行った。その結果、大部分

が不検出であり、さらに放射性セシウムが検出される割合は、検査開始当初に比べれば現在では極端

に低下している。しかし完全に無いわけではなく、現在も飼養環境に放射性物質が幾らかではあるが

存在することが示唆される。最も考えられる原因は飼料(稲わらなど)への混入だが、〔4〕通知に示

されるように飼料の暫定許容値が 100Bq/kg と設定されている以上、基準値を大幅に下回りながらも

放射性物質が検出される検体がごくわずかではあるが有ると予想される。 一方で、ごく少量でも放射性物質が食品に含まれていることに対して不安を感じる消費者が存在す

ることも事実であり、今後も検査によって安全の確認を継続するとともに、結果と判定を含めた、放

射性物質や検査に関する情報を発信し続けることで消費者の安心と信頼を得る取り組みを継続してい

ければと考える。 〔1〕平成 23 年 7 月 29 日付厚生労働省事務連絡,牛肉中の放射性セシウムスクリーニング法の送

付について 〔2〕平成 24 年 3 月 1 日付厚生労働省事務連絡,食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部

改正について 〔3〕南谷臣昭,永井宏幸,中村昌司,大塚公人,坂井至通:ゲルマニウム半導体検出器を用いた

ガンマ線スペクトロメトリーによる牛肉中の放射性セシウム分析,食衛誌,53(4),177-182 〔4〕平成 23 年 8 月 1 日付け 23 消安第 2444 号,23 生産第 3442 号,23 林政産第 99 号,23 水推

第 418 号農林水産省消費・安全局長,生産局長,林野庁長官,水産庁長官通知,放射性セシウ

ムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値の設定について

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横浜市における放射性物質検査の結果を

生かした「食の安心・安全」への取り組み

井上 亜希子 横浜市食肉衛生検査所

【はじめに】

平成23年3月11日の東日本大震災による福島第一原

子力発電所の事故により、大気中に放射性物質が飛散し、

暫定規制値を超える多くの農畜水産食品が発見される

など大きな社会問題となった。牛肉についても、屋外に

保管されていた汚染稲わらを給餌された牛が出荷され

たことにより、暫定規制値を超えた牛肉が市場に流通し

ていたことが発覚した。横浜市中央卸売市場食肉市場で

と畜解体された牛の中にも、汚染稲わらを給餌されてい

たものがいたことが判明し、横浜市民の牛肉放射性物質

汚染に対する不安は一気に高まった。このことは、牛枝

肉の販売不振、価格の下落、と畜頭数の大幅な減少を引

き起こした。

横浜市食肉衛生検査所では牛肉に対する市民の不安

を払拭するため、と畜された牛全頭について放射性セシ

ウムの検査を行っており、また、その結果を用いた「食

の安心・安全」への取り組みを行っているので、その概

要を報告する。

【横浜市食肉衛生検査所における牛肉の放射性物質検

査】

横浜市中央卸売市場食肉市場に搬入された牛につい

て、平成23年 7月 19日から検査を開始し、7月 26日

から全出荷者を対象とする全戸検査、8月8日から全頭

検査を行った。検査方法は、検査開始当初は牛肉中の放

射性セシウムスクリーニング法 [1] で行っていたが、

食品中の放射性セシウムスクリーニング法 [2] に改め

られた以降は、それにより実施している。

検査機器は検査開始当初は NaI シンチレーションサ

ーベイメータ、同年 9 月から NaI シンチレーションス

ペクトロメータ、平成 24 年 4 月からゲルマニウム半導

体検出器を使用している。

検査材料は、と畜検査員が牛枝肉の頸部から筋肉を採

材し、脂肪を除去した後、食肉販売店等で使用されてい

る業務用のミートチョッパーを用い細切・均一化したも

のを用いている。検体量は検査機器の変更にともない、

検査を開始した平成23年7月当初から同年8月まで630

g(V5 タッパー)、その後同年 9 月まで 2,000g(2ℓ

マリネリ容器)、平成24年 4 月まで再度 630g(V5 タ

ッパー)、平成24年7月まで1,500g(1.5ℓマリネリ容

器)、現在は1,000g(1ℓマリネリ容器)と変更している。

スクリーニングレベルについては、平成24年4月10

日までは「肉・卵・魚・その他」の放射性セシウムの暫

定規制値500Bq/kgの1/2である250Bq/kgとしており、

それを超過した場合は横浜市衛生研究所のゲルマニウ

ム半導体検出器による確定検査を実施することとして

いた。平成24年4月11日以降は、当検査所にゲルマニ

ウム半導体検出器を導入したため、スクリーニングレベ

ルを一般食品のセシウム基準値である 100Bq/kg の 1/2

である 50Bq/kg に改め、それを超過した場合は、食品

中の放射性物質の試験法 [3]により当検査所で確定検

査を実施する体制が整えられた。

【放射性物質の検査結果を活かした「食の安心・安全」

への取り組み】

(1)検査済証の発行

当検査所では、平成23年7月26日の全戸検査開

始時からスクリーニング検査に合格したすべての牛

について、検査所長名による「検査済証」を検査個

体ごとに発行している。

(2)横浜市のwebサイト「食の安全ヨコハマWEB」で

の啓発

横浜市のwebサイトである「食の安全ヨコハマ

WEB」において、当検査所でのスクリーニング検査の

結果をと畜日ごとに公開している。

また、平成23年度及び平成24年度の「食品衛生

監視指導計画実施結果」において、重点的に実施した

事業の第1項目に放射線の対策事業を挙げ、横浜市で

の対策の経過や食品中の放射性物質の検査状況、暫定

規制値超過事例についてまとめており、さらに平成25

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年度の監視指導計画においても牛肉の全頭検査など

各種食品の放射性物質検査を継続し迅速に検査結果

を公表することを特色の第1としており、市民の「食

品の放射能汚染に対する不安」の払拭に努めている。

(3)市内で行われるキャンペーン等における放射性物質

検査のPR活動

区役所の食品衛生係や関連部局の他、横浜市食品衛

生協会等と連携して、市内の大型店や駅、市庁舎前な

ど、多くの人が集まる場所で行われる食中毒予防キャ

ンペーンや食育推進全国大会会場等で、放射性物質検

査のパネル展示・当検査所職員による放射性物質検査

についての解説をおこなうなど、牛肉の安全性PRを

行っている。

【効果と課題】

(1)効果

平成 23 年 7 月から平成 25 年 9 月までに 29,460

頭を対象に検査を実施した。結果は平成24年3月ま

でのものはすべて暫定規制値未満、同年 4 月から平

成25年9月までのものは新基準値の測定下限値であ

る25Bq/kg未満であった。また、以前は確定検査を

横浜市衛生研究所で行うこととしていたため、確定

検査終了までには数日を要していたが、ゲルマニウ

ム半導体検出器導入以降は当検査所で確定検査が可

能となり、検査終了までの時間を大幅に短縮するこ

とができ、より迅速な対応ができるようになった。

全頭検査開始から約 2 年が経過した現在、牛枝肉

の価格は回復傾向にある。

(2)今後の課題

横浜市では毎年食品の安全に関するアンケート調

査を実施しており、その中で「食の安全について関

心のあることは何ですか?(複数回答可)」という設

問を設定している。震災前のアンケート結果では、

食品の放射能汚染は項目として設定されておらず、

設定項目以外の「その他」に含まれるものと考える

と回答全体の1%にも満たなかった。しかし、震災後

の平成23年度の調査では11.5%と食中毒に次いで

第2位となっており、関心の高まりがうかがえた。

翌年の平成24年度の調査結果では8.7%で第6

位と、割合の減少及び順位の低下が認められた。横

浜市では食品の放射性物質汚染に迅速に対応してお

り、また全国的にも基準値超過事例が減少したため、

市民の不安が軽減されたのではないかと推察される。

当検査所の放射性物質検査では、これまでに違反

事例はない。全国的に見ても100Bq/kgを超える事例

は、平成23年度は92,683件の検査検体中1,092件

あったが、平成24年度は186,916件の検査検体中6

件と非常に少なくなっており、平成25年度は8月末

時点で99,701件の検査検体中事例はなく、畜産現場

における飼料の安全管理が有効に実施されているこ

とがうかがえる。

食品全般の安全性に対する市民の関心は高く、当

検査所では「牛肉を含む食品の放射能汚染に対する

不安」を払拭すべく全頭検査を継続しているが、今

後は全国の検査結果や市民ニーズを考慮し、全頭検

査の見直しを行う必要が生ずる可能性があると考え

る。

引用文献

〔1〕厚生労働省事務連絡「牛肉中の放射性セシウムスク

リーニング法について」平成23年7月29日:最終

改正 平成23年9月7日

〔2〕厚生労働省事務連絡「食品中の放射性セシウムスク

リーニング法について」平成23年10月4日: 最終

改正 平成24年3月1日

〔3〕厚生労働省通知「食品中の放射性物質の試験法につ

いて」平成24年3月15日食安発0315第4号

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横浜市における 放射性物質検査の結果を生かした「食の安心・安全」への取り組み

横浜市食肉衛生検査所 井上亜希子

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はじめに 東日本大震災による福島第一原子力発電所の 事故により放射性物質が漏れ出し稲ワラを汚染 汚染された稲ワラを給餌された牛の肉から 暫定規制値を超える放射性セシウムが検出

食肉衛生検査所での対応: 平成23年7月19日から検査を開始 26日から全戸を対象に、 8月8日から全頭を対象に 放射性物質スクリーニング検査を実施

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食肉衛生検査所における検査 検査法: ・食品中の放射性セシウムスクリーニング法 ・食品中の放射性セシウム検査法(確定検査法)

検査対象:放射性セシウム(Cs) ・134Cs ・137Cs

検査材料:牛の肉 約1kg

基準値(一般食品):100 Bq/kg*

測定機器:ゲルマニウム半導体検出器

*経過措置のため平成24年9月30日までは500Bq/kg

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検査の流れ

検体採取

下処理

スクリーニング検査

スクリーニングレベル(50Bq/kg)以下

スクリーニングレベル(50Bq/kg)より大きい

確定検査

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検査機器の変遷

NaIシンチレーション サーベイメータ

NaIシンチレーション スペクトロメータ

ゲルマニウム半導体検出器

検査開始 ~平成23年9月

平成23年9月~ 平成24年4月 平成24年4月~

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検査の結果

平成23年7月19日から平成26年1月31日まで

34,180頭を検査

平成23年度:全て暫定規制値未満

平成24年度:全て不検出

平成25年度:全て不検出

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検査精度の向上

ゲルマニウム半導体検出器の導入に より、確定検査までの迅速な対応が 可能となった

安定した全頭検査が可能となった

牛肉の安全の確保

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検査結果を活かした取り組み

検査済証の発行

横浜市webサイトでの情報発信

キャンペーン等における放射性

物質検査のPR活動

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検査済証

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横浜市webサイトでの情報発信

「食の安全ヨコハマWEB」

牛の全頭検査、農産物、水産物、 畜産物の結果を公開

食品衛生監視指導計画・実施結果 の公開

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H24 キャンペーン名 内容 協力機関・部署

4月 牛肉直販会 (鶴見区役所)

・パネル展示・チラシの配布

・牛肉直販会

・経済局 ・横浜食肉市場㈱ ・鶴見区役所

4月 牛肉直販会 (市庁舎)

・パネル展示・チラシの配布

・牛肉直販会

・経済局 ・横浜食肉市場㈱ ・横浜市役所

6月 第7回食育推進 全国大会

・食肉市場の取り組み紹介

・横浜牛試食会

・中央卸売市場本場 ・中央卸売市場南部市場

7月 緑区食中毒予防 キャンペーン

・パネル展示・チラシの配布 ・放射性物質検査に関する 質問等への対応

・緑区食品衛生協会 ・緑区役所

8月 西区食中毒予防 キャンペーン

・パネル展示・チラシの配布 ・放射性物質検査に関する 質問等への対応

・西区食品衛生協会 ・西区役所

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第7回食育推進全国大会

平成 24年6月13日(土)・14日(日) 会場:パシフィコ横浜 来場者数:44,800人 協力機関・部署: ・経済局 ・中央卸売市場本場 ・中央卸売市場南部市場

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職員による 放射性物質検査の説明 展示パネル

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食の安全に関する アンケート調査の結果

設問:「食の安全について関心のあることは何ですか」 平成23年度 第1位 食中毒 15.1% 第2位 食品の放射能 11.5% 平成24年度 第1位 食中毒 18.6% 第2位 アレルギーを起こす食品 12.3% 第6位 食品の放射能 8.7% 平成25年度 第1位 食中毒 40.0% 第2位 ノロウイルス 14.0% 第6位 食品の放射能 4.1%

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食の安全に関する アンケート調査の結果(年代別) 年代 20代 30代 40代

24 25 24 25 24 25

1 食中毒 18.9%

食中毒 41.5%

食中毒 14.9%

食中毒 35.6%

食中毒 15.6%

食中毒 37.9%

2 食品 アレルギー 18.2%

ノロウイルス 14.4%

食品 アレルギー14.7%

ノロウイルス 18.0%

食品 アレルギー14.1%

ノロウイルス 12.1%

3 食品の放射能 11.0%

食品 アレルギー14.1%

食品の放射能 13.0%

肉の生食 10.2%

食品の放射能 12.6%

肉の生食 8.4%

4 ノロウイルス 10.7%

肉の生食 6.9%

ノロウイルス 10.0%

食品 アレルギー 9.7%

残留農薬 10.4%

食品 アレルギー 7.2%

5 肉の生食 8.5%

残留農薬・食品表示 3.6%

残留農薬 9.9%

食品の放射能 6.0%

食品添加物 9.3%

食品の放射能 5.3%

年度 順位

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全国での牛肉の検査状況及び結果

H23年度: 92,683検体中1,092検体 H24年度:147,644検体中 6検体 H25年度:190,407検体中 0検体 全国的に超過事例は激減

“安心”を維持する 取り組み

100Bq/kg超過した検体数

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今後の取り組み

“安全”の確保:全頭検査の継続 “安心”の確保:

検査結果の公開の継続 関係機関と協力し牛肉の 検査及び安全性のPR活動 市民からのニーズの分析

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参 考 資 料

表1 年度別検査頭数

単位(頭)

畜種

年度

16 186,411 12,280 1,366 3 0 0 0 172,762

17 171,574 11,301 989 1 0 0 0 159,283

18 164,038 14,127 1,481 0 0 0 0 148,430

19 145,022 14,524 1,935 0 0 0 0 128,563

20 141,234 13,950 2,101 0 0 0 0 125,183

21 151,467 16,881 1,106 0 0 0 0 133,480

22 146,894 15,869 1,056 0 0 0 0 129,969

23 150,400 12,920 1,706 99 0 0 0 135,675

24 143,378 11,888 1,903 0 1 0 0 129,586

25 143,938 12,696 559 9 0 0 0 130,674

図1 年度別検査頭数の推移

馬 めん羊 山羊 豚総数 肉用牛 乳用牛 子牛

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

180,000

200,000

16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

牛頭数

年度(平成)

肉用

牛 乳用

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表2 年度別病畜検査頭数

単位(頭)

畜種 豚 豚

年度 (当才) (大貫)

16 31 12 12 1 3 3

17 25 8 3 1 9 4

18 16 8 8 0 0 0

19 25 18 6 0 0 1

20 27 14 4 0 9 0

21 22 13 5 0 3 1

22 16 12 4 0 0 0

23 20 17 3 0 0 0

24 17 15 1 0 0 0

25 18 14 4 0 0 0

図2 年度別病畜検査頭数の推移

総数 肉用牛 乳用牛 子牛

0

4

8

12

16

20

16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

頭数

年度(平成)

肉用牛

乳用牛

豚 (当才)

豚 (大貫)

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表3 月別検査頭数

単位(頭)

畜種

4 12,797 1,183 48 0 11,566

5 12,461 1,114 64 1 11,282

6 11,004 983 40 1 9,980

7 11,742 1,153 42 0 10,547

8 11,171 956 59 1 10,155

9 11,237 979 34 0 10,224

10 12,921 1,073 26 3 11,819

11 12,943 1,253 39 3 11,648

12 13,268 1,351 32 0 11,885

1 11,939 879 60 0 11,000

2 10,517 795 46 0 9,676

3 11,938 977 69 0 10,892

合計 143,938 12,696 559 9 130,674

図3 月別検査頭数の推移

豚計 肉用牛 乳用牛 子牛

0

2,500

5,000

7,500

10,000

12,500

15,000

17,500

20,000

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

頭数

0

250

500

750

1,000

1,250

1,500

1,750

2,000

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

頭数

乳用牛

肉用牛

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表4 都道府県別検査頭数表

肉用牛 乳用牛 牛小計 子牛 豚(当才) 豚(大貫) 豚小計

横浜市 11,597 368 11,965

市外 725 96 821 39,383 502 39,885

小計 725 96 821 50,980 870 51,850

5,068 83 5,151 1

392 37 429

446 446 960 58 1,018

770 12 782 4

142 2 144

29 1 30

869 3 872

326 4 330 3 5,255 5,255

50 55 105 29,302 638 29,940

1,159 1,159 3,440 3,440

181 181 30 30

617 41 658 38,789 316 39,105

24 24

258 83 341

1 1

84 115 199

17 17

1 1

529 1 530 10 26 36

81 1 82

528 1 529

240 240

1 1

51 51 1

131 131

12,696 559 13,255 9 128,766 1,908 130,674

都道府県名

神奈川

北海道

青森

岩手

宮城

秋田

山形

福島

茨城

栃木

群馬

埼玉

千葉

東京

新潟

富山

山梨

長野

宮崎

鹿児島

総計

岐阜

静岡

愛知

島根

岡山

大分

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表5 とさつ禁止及び全部廃棄処分獣畜に認められた主要病変

[牛白血病及び白血病]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 5 3

認められた病変(件)

循環器系

心臓腫瘍 2

心内膜・弁膜肥厚 1

小計 3

造血器系

脾腫瘍 2 1

脾炎 1

リンパ節腫瘍 4 3

小計 7 4

呼吸器系

カタル性肺炎 1 1

胸膜腫瘍 1

胸膜炎 1

小計 3 1

消化器系

肝腫瘍 1 1

肝肥大 1

肝炎 1

腹膜・腸間膜腫瘍 2

腸間膜脂肪壊死 1

腸腫瘍 1

小計 6 2

泌尿・生殖器系

腎のう胞 1

腎貧血性梗塞 1

膀胱腫瘍 1小計 1 2

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[豚丹毒]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 19

認められた病変(件)

循環器系

疣状性心内膜炎(菌有) 3

疣状性心内膜炎(菌無) 1

小計 4

造血器系

リンパ節充血 1

リンパ節炎 11

小計 12

呼吸器系

カタル性肺炎 8

胸膜炎 1

小計 9

消化器系

腹膜炎 1

小計 1

泌尿・生殖器系

腎貧血性梗塞 3

腎炎 2

小計 5

運動器系

関節炎 24

小計 24

皮膚・皮下織・蹄

痂皮(丹毒) 7小計 7

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[膿毒症]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 1 5 3

認められた病変(件)

循環器系

心冠部脂肪水腫 1

心外膜炎 1

小計 1 1

造血器系

化膿性脾炎 1

小計 1

呼吸器系

肺のと殺性変化 1

カタル性肺炎 1 1

化膿性胸膜炎 1

胸膜炎 2 1

小計 1 3 3

消化器系

胃漿膜炎 1

化膿性肝炎 1 1

肝包膜炎 1

化膿性腹膜炎 1

小計 2 1 2

泌尿・生殖器系

カタル性膀胱炎 1

小計 1

運動器系

筋肉出血 1

化膿性筋炎 13 7

化膿性骨髄炎 5 3

化膿性関節炎 3

化膿性横隔膜炎 1小計 1 21 11

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[敗血症]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 1 37

認められた病変(件)

循環器系

心臓肥大 1

心外膜炎 3

疣状性心内膜炎(菌有) 1 11

小計 1 15

造血器系

リンパ節充血 1

リンパ節抗酸菌症 21

リンパ節炎 1

小計 23

呼吸器系

豚胸膜肺炎 1

肺抗酸菌症 2

カタル性肺炎 23

胸膜充血 1

胸膜炎 4

小計 31

消化器系

肝出血 1

肝混濁腫脹 1

肝脂肪変性 1

肝抗酸菌症 23

肝放線菌病 1

化膿性肝炎 1

間質性肝炎 1

膵水腫 1

腹膜炎 2

小計 2 30

泌尿・生殖器系

腎のう胞 1

腎炎 1 7

化膿性腎炎 1

小計 2 8

運動器系

筋肉出血 4

小計 4

皮膚・皮下織・蹄

皮下織出血 1小計 1

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[尿毒症]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 5 1

認められた病変(件)

呼吸器系

豚胸膜肺炎 1

胸膜炎 1

小計 1 1

消化器系

カタル性胃炎 1

肝包膜炎 1

腸漿膜炎 1

小計 1 2

泌尿・生殖器系

腎結石 1

腎出血 1

腎周囲脂肪水腫 1

腎周囲脂肪壊死 1

腎炎 4

化膿性腎炎 1

膀胱結石 2

カタル性膀胱炎 2小計 12 1

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[黄疸]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 1

認められた病変(件)

循環器系

心内膜・弁膜黄染 1

小計 1

消化器系

舌黄染 1

肝黄染 1

腹膜・腸間膜黄染 1

小計 3

皮膚・皮下織・蹄

皮下織黄染 1小計 1

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[水腫]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 13 1

認められた病変(件)

循環器系

心冠部脂肪水腫 1

化膿性心外膜炎 1

心外膜炎 3 1

小計 4 2

呼吸器系

カタル性肺炎 4

胸膜炎 3 1

小計 7 1

消化器系

肝の発育不良 6

肝硬変 1

肝脂肪変性 1

肝炎 1

肝包膜炎 5 1

腸間膜水腫 1

腹膜炎 4 1

腸の発育不良 5

腸狭窄 1

ヘルニア 1

腸脱出 1

カタル性腸炎 2

小計 28 3

泌尿・生殖器系

腎炎 2

小計 2

運動器系

筋肉水腫 14

筋炎 1

化膿性筋炎 2

化膿性関節炎 1

関節炎 3小計 21

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[腫瘍]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 2 2

認められた病変(件)

造血器系

リンパ節腫瘍 1

小計 1

消化器系

肝出血 1

肝壊死 1

腹膜・腸間膜腫瘍 2

小計 4

泌尿・生殖器系

膀胱腫瘍 1

卵巣腫瘍 2

小計 3

運動器系

横隔膜腫瘍 1小計 1

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[中毒諸症]

肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

処分頭数 1

認められた病変(件)

造血器系

リンパ節出血 1

小計 1

運動器系

筋肉出血 1

小計 1

皮膚・皮下織・蹄

皮下織出血 1小計 1

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表6 器官別検出病変の詳細

循環器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

心臓のと殺性変化 1

心臓腫瘍 2

心臓奇形 1 4

心臓拡張 2

心筋充血 3

心筋出血 7 2

心筋梗塞 3 2

心冠部脂肪水腫 8 2 23 4

心筋褐色萎縮 2

心筋黄染 1 1

心臓肥大 230 1

化膿性心筋炎 1 1

心臓の住肉胞子虫 1

心膜充血 1

心膜出血 2 1

心膜黄染 2 1

化膿性心外膜炎 1 26 2

心外膜炎 131 17 7060 91

房室弁血腫 17 1 154 8

心内膜出血 1

心内膜・弁膜黄染 2 2

心内膜・弁膜石灰化 1

心内膜・弁膜肥厚 1

疣状性心内膜炎(菌有) 1 16

疣状性心内膜炎(菌無) 2 2

化膿性静脈周囲炎 1

小計 184 22 7531 109

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造血器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

脾腫瘍 2 1

脾奇形 1

脾捻転 15 21

脾血腫 3 1

脾うっ血 6 229 58

脾出血 4

脾出血性梗塞 1

脾萎縮 1

脾炎 1 2

化膿性脾炎 2 6 3

リンパ節腫瘍 4 5

リンパ節充血 3

リンパ節出血 2

リンパ節水腫 1

リンパ節抗酸菌症 916 3

リンパ節放線菌病 1 1

リンパ節炎 31

化膿性リンパ節炎 4 12

小計 21 1 1230 88

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呼吸器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

喉頭・気管出血 1

気管支拡張症 346 15 2

肺のと殺性変化 531 14 9917 833

肺腫瘍 1

肺奇形 2

肺気腫 129 82 1

肺水腫 1

肺色素沈着 10

豚胸膜肺炎 902 3

肺抗酸菌症 2

肺放線菌病 1 1

化膿性肺炎 31 2 2 1961 13

カタル性肺炎 113 9 4 82532 343

胸膜腫瘍 1

胸膜充血 1

胸膜出血 1

胸膜水腫 3 1

化膿性胸膜炎 30 1 319 4

胸膜炎 2351 114 2 41472 440

小計 3550 239 10 137107 1638

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消化器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

舌外傷 1

舌の血液循環障害 1

舌黄染 1

舌のはん痕形成 1

舌放線菌病 1 1

化膿性舌炎 2 1

胃の発育不良 9

胃腫瘍 2

胃奇形 6

胃充血 3 1

胃出血 12 2

胃水腫 1

胃潰瘍 26 3

胃不全角化症 6

胃はん痕形成 1

胃漿膜炎 8 1

化膿性胃炎 20 2 1

カタル性胃炎 44 1 3

胃の双口吸虫 2

肝のと殺性変化 3

肝の発育不良 24

肝腫瘍 1 3 1

肝奇形 3

肝のう胞 1

肝の血液循環障害 1 1 2

肝うっ血 6 8 2

肝出血 1991 65 14 1

肝梗塞 1

肉ずく肝 8

肝富脈斑 56 14 2

肝硬変 7 1 281 8

肝褐色萎縮 4 9

肝黄染 4 2

肝混濁腫脹 1

肝脂肪変性 140 33 2 3993 22

肝色素沈着 1

肝壊死 775 11 1

肝肥大 1 2

増殖性好酸球性小葉間静脈炎 95 1

肝抗酸菌症 63

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肝放線菌病 3

肝炎 4 1

化膿性肝炎 869 61 33 4

間質性肝炎 1 6947 76

肝包膜炎 1391 77 16186 391

肝の肝蛭 5

胆管結石 319 11

胆管充血 1

カタル性胆管炎 1

胆管の肝蛭 166 12

膵水腫 309 9

膵硬変 2

腹膜・腸間膜腫瘍 4

腹膜・腸間膜の血液循環障害 1

腹膜・腸間膜充血 2

腹膜・腸間膜出血 1

腹膜水腫 1

腸間膜水腫 3 2 838 3

腹膜・腸間膜黄染 1 3

腸間膜脂肪壊死 725 3 1

腸間膜化骨 208 82

腹膜炎 26 6 7696 154

化膿性腹膜炎 18 23 3

腸の発育不良 22

腸腫瘍 1

腸奇形 3

腸狭窄 1

腸拡張 1 1

ヘルニア 1 84

腸脱出 3 2

腸気腫 1 56 9

腸の充血・うっ血 10 2 165 2

腸出血 23 4 3 2

腸黄染 1 2

腸色素沈着 17 2

腸潰瘍 1

腸漿膜炎 2 1

化膿性腸炎 1 6 1

カタル性腸炎 36 5 1601 17

出血性腸炎 1

偽膜性腸炎 1

腸の線虫 28

小計 6870 332 2 38633 793

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泌尿・生殖器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

腎腫瘍 3

腎奇形 1

腎のう胞 1 576 14

腎結石 2

腎出血 1 2 1

腎貧血性梗塞 9 1

腎周囲脂肪水腫 3 2

腎周囲脂肪壊死 761 2

腎炎 9 322 12

化膿性腎炎 47 3 12 2

腎孟・尿管の拡張 22

腎盂結石 1

腎水腫 1

膀胱腫瘍 2

膀胱結石 9 1 4 112

膀胱水腫 1

化膿性膀胱炎 1 3 6

カタル性膀胱炎 5 15 231

雄性生殖器の血液循環障害 2

雄性生殖器萎縮 1

精巣炎 4

卵巣腫瘍 4 1

半陰陽 1 5 1

卵巣の血液循環障害 1

卵巣のう腫 13 77

化膿性卵巣炎 1

子宮腫瘍 2

子宮充血 1

子宮内膜炎 2 1 12 76

化膿性子宮内膜炎 2 2 9 19

妊娠子宮 3 5 23 70

胎児浸漬 5

胎児ミイラ変性 5

乳房炎 1

化膿性乳房炎 3 3

小計 857 21 1041 636

内分泌系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

副腎出血 1

甲状腺肥大 1

小計 1 1

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運動器系 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

筋肉腫瘍 1 3

筋肉断裂 1

筋肉血腫 201 10 16 5

筋肉充血 12

筋肉出血 1431 74 4 1664 86

筋肉水腫 52 2 18

筋肉黄染 1

筋肉脂肪変性 5

筋肉色素沈着 1

筋肉壊死 4 2

筋肉石灰化 38 2 1

筋肉蛋白変性 7 4 132 4

筋肉の進行性変化 1 6

筋肉はん痕形成 92 6 307 24

筋肉化骨 1 5

筋放線菌病 1

筋炎 64 10 5 341 9

化膿性筋炎 58 12 1012 403

好酸球性筋炎 1

骨奇形 1 2

骨折 12 83 8

骨はん痕形成 4

骨放線菌病 3

化膿性骨髄炎 6 2 231 52

関節奇形 1

脱臼 3 11 1

化膿性関節炎 1 2 36 2

関節炎 14 1 458 2

横隔膜のと殺性変化 1

横隔膜腫瘍 1

横隔膜奇形 1

横隔膜ヘルニア 25 13 2

横隔膜出血 82 2 1

横隔膜水腫 142 5

横隔膜脂肪変性 9

横隔膜炎 73 3 5 1

化膿性横隔膜炎 598 43 1 63 4

小計 2940 184 12 4411 603

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皮膚・皮下織・蹄 肉用牛 乳用牛 子牛 豚(当才) 豚(大貫)

皮膚腫瘍 1 10

皮下織血腫 6 1

皮下織出血 51 16

皮下織水腫 14

皮下織黄染 1

皮下織色素沈着 1 5

痂皮(丹毒) 7

皮下織石灰化 56

皮膚はん痕形成 8 12

化膿性皮膚炎 9 2

皮膚の衛生昆虫 2

小計 140 60 2

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O.A

横浜市食肉衛生検査所平面図

総合市場ビル3階

男子トイレ

分離培養室

理化学測定室

理化学検査室

会議室

所長室

洗浄滅菌室

会議室倉庫

厨房室

倉庫

事務室 研修資料図書室

倉庫

男子更衣室

細菌室

  洗浄室

女子トイレ

病理検査室

女子シャワー

男子浴室

女子更衣室

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BSE検査準備室

病畜検査室

BSE検査室平面図

(

参考

)冷蔵庫

(参考)病畜解体室

BSE計測室

BSE前室

消毒室

(参考

)解体控室

BSE検査室

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放射線測定室 放射線前処理室

食肉市場福利厚生棟1階

放射線検査室平面図

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国道15号線(第一京浜)

国道1号線(第二京浜)

横浜東京

川崎

JR鶴見

京急鶴見生麦

京急新子安

JR新子安

������������������������������������������������������首都高速横羽線

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首都高速大黒線

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横浜市中央卸売市場食肉市場

横浜市食肉衛生検査所大黒I.C.

大黒埠頭

ベイブリッジ

消防署

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食肉市場前

汐入R

生麦R

守屋町R子安R

京浜急行

JR

産業道路

案 内 図

電車:JR鶴見駅(東口)・新子安駅より市営バス,食肉市場前下車1分

京浜急行生麦駅から徒歩15分

車 :横浜方面,首都高速横羽線生麦Rから1分

東京方面,首都高速湾岸線大黒町Rから5分

東京方面,首都高速横羽線汐入Rから5分

TEL.045(511)5812

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平成 25年度 事業年報

平成 26年 12月 発行

編集発行 横浜市健康福祉局食肉衛生検査所

年報編集委員:

小須田久 半澤浩幸 楠哲也 鈴木考史

廣田美穂 待永陽子 鳥飼孝脩

電算担当:

鈴木正樹 佐藤和彦 宗村徹也 大塚聖子

〒230-0053

横浜市鶴見区大黒町3番53号

TEL 045(511)5812

FAX 045(521)6031

http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/niku/